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Nocturnes Five Stories of Music and Nightfall』(Kazuo Ishiguro, 2009

副題「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」




*「老歌手」――原題はCrooner(ビング・クロスビーなどの甘くささやく歌い方の歌手のこと)。舞台はヴェネチア。語り手は旧共産圏出身のギタリストのヤネク。そしてクルーナーは60年代にビッグネームだったアメリカの歌手トニー・ガードナー。サンマルコ広場でガードナーを見かけたヤネクは、母が熱烈なファンでした、と声をかける。それがきっかけでヤネクはその晩、ゴンドラを窓辺に寄せて妻に向かってセレナーデを歌いたい、というガードナーのために伴奏することになる。

*「降っても晴れても」――原題はCome Rain or Come Shine(レイチャールズの歌のタイトル)。語り手のレイはイングランド南部の大学でエミリとチャーリーに出逢った。レイとエミリはブロードウエイソングが大好きで、レイとチャーリーは一番の親友だった。エミリとチャーリーが結婚したあとも三人の交流は続いたが、チャーリーは世界各地を飛び回って会議をこなすという活躍ぶり。一方レイは英会話の教師をしながら独身のまま47歳になった。夏の初め、レイはロンドン行きの計画を立て、二人に連絡した。二人はいつもレイのための部屋を用意して待っていてくれるのだが、今回は様子が違った。

*「モールバンヒルズ」――Malvern Hillsはヘレフォードシャーの地名。ロンドンでは理解されないと感じた若いミュージシャンの語り手は、ロンドンを離れて姉夫婦の経営するレストランを手伝うことにする。そこで出会ったのは自分を目の敵にしたかつての教師フレーザー婆さんと、旅行者のスイス人夫婦。夫のティーロ(語り手によると髪型はABBA風)はいやに明るく、妻のゾーニャはいやにとげとげしい。語り手はフレーザー婆さんが経営するひどいと評判のホテルをスイス人夫婦に勧める

*「夜想曲」――「二日前まで、おれはリンディ・ガードナーのお隣さんだった」という文で始まる。リンディ・ガードナーは第1話で老歌手がセレナーデを献げた妻その人。大スターである。語り手は売れないサックス奏者。メジャーになる素質はあるのに売れないのは顔のせいだとマネージャーに言われ、美容整形を受ける。そして療養のためにホテルに移ると、やはり顔中包帯でぐるぐる巻きのリンディがいて、二人は急速に親しくなる。

*「チェリスト」――7年前、語り手が出会ったチェリストのティポールは、一流の音楽教育を受けていて、将来が開けている若者だった。安定した仕事がないティポールのために、語り手とバンド仲間がオーディションを受けられるようにしてやった。それをとても感謝していたティポールだったが、一夏のうちにすっかり変わり、態度がでかくなった。それもこれもあのアメリカ女のせいだ、とみんなは思った。チェロの名手だというその女性エロイーズ・マコーマックは、自ら指導を申し出てティポールを虜にしてしまった。

しみじみとした話、ドタバタ調の話、なんとも奇妙な話などを組曲のようにまとめた味わいのある短編集である。名翻訳者による「訳者あとがき」も楽しい。(2018.9.7読了)


# by nishinayuu | 2018-12-22 11:21 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)


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読書会「かんあおい」20189月の課題図書。

本書は6つの作品からなる短編集で、各作品の初出はいずれも『小説すばる』。




*『海の見える理髪店』――理髪店主が客を相手に「声に出して語る」部分と、客である男性が心の中で繰り広げる「声を出さずに語る」部分からなる。理髪の細かい手順を踏みながら自分の半生を語り続ける店主。その細かい手順と私事をさらけ出す語りのひとつひとつに集中する客。海の見える爽やかな理髪店がしだいに濃密な緊張感に充たされていく。(表題作だけあって集中で最も印象的な作品。)

*『いつか来た道』――アラフォーの杏子が16年ぶりに昔住んでいた家を訪ねる。農村地帯にそぐわない洋風の建物だったその家は廃屋のようになっていた。そしてそこにはプライドの高い画家だった母親の逸子が、今でも絵を描いているという幻想のなかで朽ちていきつつあった。

*『遠くから来た手紙』――家のことを顧みない夫と、その反対に家のことに口を出してくる姑。そんな日常に嫌気がさして、衝動的に家出して実家に飛び転がり込んだ祥子。夫の孝之が慌てて迎えに来ることを期待するが、スマートフォンに堅苦しいメールが入ってくるだけ。ところどころ黒塗りの四角になっているのは文字化け?と思ったが、それはなんと若き日の祖父が祖母に宛てて書いた軍事郵便だった。

*『空は今日もスカイ』――離婚した母といっしょに小母さんの家にパラサイトしている茜。前に住んでいた街には海があった、そうだ海を見に行こう、と思いついて家出する。途中でであった男の子のフォレストは虐待されている子どもで、二人を一晩泊めてくれたビッグマンはホームレスで。(ストーリーと茜の英語熱がちぐはぐ。)

*『時のない時計』――語り手は父の形見の腕時計を修理してもらおうと、商店街の外れ近くにある時計屋『鈴宝道』へ。古めかしいその店と同様に古めかしい主は、語り手の持ってきた時計を見て「お」とも「う」ともつかない嘆声を上げる。(時計に関する蘊蓄がいっぱい。わが家にとっても思いで深い鳩時計も出てくる。)

*『成人式』――5年前に15歳だった一人娘を亡くした夫婦のもとに、成人式用の振り袖を売り込むダイレクトメールが送られてくる。喪失感の中で互いの痛みに目を背けるようにして生きてきた夫婦は、「いっそ成人式に出てみよう」と思いつく。娘のことを忘れてしまったらしい娘の友人たちへ当てつけるかのように。(荒唐無稽ななりゆきにとまどう。)

こうしてみていくと最初の作品が最高で、少しずつ面白みが減っていく感じの短編集でした。(2018.9.4読了)


# by nishinayuu | 2018-12-17 09:28 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)


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永井 淳の訳で新潮社から出ている版のタイトルは『十二本の毒矢』で、12の短編が収録されている。本書はそれより2編少ない10編の短編集となっている。講談社の出版なので、和書に分類すべきかもしれないが、英文の本なので原書としておく。


収録作品のなかで面白かったのは……

*The Chinese Statue――サザビーズのオークションに出品された中国の皇帝像。像そのものより台座に高額の値がつく。(ところでポンドとギニーという貨幣単位を併用しているイギリス人って賢い?)

*The Luncheon――よく覚えていない女性に高級レストランで食事を御馳走する羽目になった語り手。支払い額が心配で自分はサラダだけで我慢した語り手の手許に残ったのはバス代のみ。別れ際、女性はこの店のオーナーと再婚したの、としらっと言って去って行く。(これもまた作者お得意の?お金の話。)

*The Coup――ナイジェリアにやって来た二人のブラジル人事業家。クーデター勃発による大混乱、銀行融資の滞りなどに直面する中で、ライバルだった二人が急接近し、共同で事業を進めることに。(長編にしてもいいような読み応えのある話でした。)

*The First Miracle――時は紀元1年。キリストの奇跡に最初に遭遇したのは少年ピラトだった!

*The Hungarian Professor――イギリスを愛し、イギリス文学に一生を捧げたのに一度もイギリスに行けない教授。涙を誘う物語。

その他は――「One-Night Stand」「Broken Routine」「Henry’s Hiccup」「A Matter of Principle」「OldLove」。いずれもちょっと哀れだったりちょっと滑稽だったりする掌編で、「毒矢」と言うほどではない。

語句に関するメモ

*hiccup――ちょっとした不都合、妨害、挫折。(Henrys hiccup)

*statu pupillari――学生の身分。(Henrys hiccup」)

*V-J Day――Victory Over Japan。アメリカなどで92日に祝う。

(Henrys hiccup)

*Bonheur-du-jour――女性用の文机兼化粧テーブル。(Henrys hiccup)

*langouste――伊勢エビ。(Henrys hiccup)

*B.N.C.――Brasenose College(オクスフォード大のカレッジ)

(「The Hungarian Professor」)

*IBA――ITVとチャンネル4を統合した会社。(「Old Love」)

2018.8.30読了)


# by nishinayuu | 2018-12-12 11:10 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

翻訳練習 課題19


2018年度前期の韓国語講座「翻訳の秘訣」で練習したものの記録です。2018.6.257.2

動詞11-

意味:제시간에 도착하다, 충분하다c0077412_08570026.jpg

原文1:飛行機に間に合わないかと思い、空港バスをあきらめてタクシーに乗った。

訳文:비행기를 놓칠세라 공항버스는 포기하고 택시를 탔다.

原文2:(保険の勧誘電話を受けて)「今ので間に合ってます」

訳文:지금든 보험으로충분해요. /더는 필요 없어요.

原文3:議員は、年内に予算編成を間に合わせるとの見解を示した。

訳文:의원은 금년도 안에예산 편성을 마치겠다는 견해를 피력했다. (韓国語では漢字は避けるのが原則なのに、「披瀝」などの漢字由来の語句が意外に多い。)

動詞12-てしまう

意味:~ 버리다(マイナスイメージ),~하고 말다, ~하게되다

原文1:よく似ていたので、姉妹だと思い込んでしまった。

訳文:둘이 아주 닮아서 당연히 자매인 알았다.

原文2:先月買ったばかりのパソコンがもう壊れてしまった。

訳文:지난 달에 새로산 컴퓨터가 벌써 고장났다.

動詞13-

意味:나아가다, 진행하다, 발달하다, 진척되다, 승진하다, (병이)악화되다, 내키다

原文1:テレビゲームなどの普及のせいか、子どもの視力低下が増え、同時に、低年齢化も進んでいる。

訳文:TV게임등의 보급탓인지, 어린이의 시력 저화가 늘고, 동시에 저연령화도 진행되고 있다.

原文2:北欧など、福祉の進んでいる国々では、大規模な施設ではなく、地域の小規模施設が活性化している。

訳文:북유럽등 복지 선진국에서는대규모 복지 시설이 아니라 지역의 소규모 시설이 활성화되고 있다.

原文3:子どもに進んで勉強する習慣を身につけさせるには、モチベーションを上げることが重要だ。

訳文:아이가 스스로 공부하는습관을 갖게하려면 학습 의욕을 높이는 것이 중요하다. (身近な子どもは어린이一般的には아이

原文4:実務家ではなく研究者になるために、大学院に進む道を選びました。

訳文:실무자가 아니라 연구자가 되기위해 대학원에 진학하는 길을 택했습니다.

原文5:気の進まない誘いを受けたときは、それとなく断った方がいい。

訳文:내키지 않는 제안을받았을 때는 자연스럽게 거절하는 것이 좋다. 은근히を使いたくなるが、この文には合わない。)


# by nishinayuu | 2018-12-07 09:00 | Trackback | Comments(1)


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An Unsuitable Job For a Woman』(P.D. James, 1972

物語の主要舞台はケンブリッジ。冒頭に「作者の覚え書き」があって「舞台をオクスブリッジとしたり、登場人物たちにケムシズ川でボートを漕がせたりすると、登場人物を、読者を、そして作者をも混乱させるだけであり、モデル問題で怒らせる機会を与える相手を二つもこしらえてしまう」とかなんとか言っている。いくつかの作品の印象から重くて堅苦しい人物のような気がしていた作者が、俄然、ふつうの人に見えてくる一文である。

本作の主人公はコーデリア、22歳。私立探偵事務所の所員だったが、探偵としての資格も経験もなかった。それなのにある日、事務所の所長バーニー・プライドが自殺してしまう。死後の後始末も、備品や書類も、そして不法所持していた拳銃までコーデリアの手に残して。そこへ一人の女性が仕事を依頼するために所長を訪ねてきた。所長が死んだと聞いて帰ろうとする彼女を、コーデリアはとっさに引き留める。「私に御用を聞かせてください。私はプライドさんとは共同提携を組んでいた者で、今は一人で仕事を引き継いでいます。」

こうしてコーデリアはその女性エリザベス・レミングといっしょに、仕事の依頼主であるロナルド・カレンダー卿の住むケンブリッジに出かけて行く。さて――

主な登場人物は上記の人々の他に

マーク(ロナルド卿の息子)/エヴリン(ロナルド卿の妻)/ゴダード夫人(エヴリンの乳母)/クリス・ルン(科学者であるロナルド卿の助手)/グラドウィン(医師)/アダム・ダルグリッシュ(犯罪捜査部の警視)

コーデリアは所長のバーニーから探偵としてのノウハウを学んだが、そのバーニーがその教えを信奉し、尊敬していたのがダルグリッシュだった。すなわちコーデリアは温かい人柄だが運のなかったバーニーの弟子であり、なぜかバーニーには冷たかったダルグリッシュの孫弟子ということになる。ただし本作のコーデリアは探偵というより、「当事者」と深く関わりすぎた素人、という印象。事件の全容を解明し、解説するのはベテランのダルグリッシュなのである。やっぱり探偵は「女には向かない」?(2018.8.26読了)


# by nishinayuu | 2018-12-02 18:36 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)


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編訳者あとがきによると「昔から、うっすら不安な気持ちになる小説が好きだった。()夢の中で、電車を一本乗り違えただけなのに、もう二度と許の世界には帰れないような()というものばかり選んで翻訳し、『野性時代』に連載したものをまとめた」のが本書だという。さてその居心地の悪い小説とは……


*ヘベはジャリを殺す(HB KILLS JARRY ブライアン・エヴンソン, 1994

 まぶたの縫合で始まりまぶたの縫合で終わる殺しの儀式。(とっても痛そう。)

*チャメトラ(CHAMETLA ルイス・アルベルト・ウレア, 2010

 瀕死の兵士のえぐり取られた後頭部から、ミニチュアの生家や、小学校の教科書や、両親や、幼馴染みや、司祭や、山羊や、荷馬車が次々と押し出されてきて

*あざ(THE BIRTHMARK アンナ・カヴァン、1940

 (『チェンジ・ザ・ネーム』と同じく、作者のぴりぴりした神経がこちらの神経に障る。)

*来訪者(VISITORS ジュディ・バドニッツ、2005

 (両親の車はどこにいるの?何が起きているの?続きが読みたい!)

*どう眠った?(HOU DID YOU SKEEP ポール・グレノン, 2000

 二人の男が建築物になぞらえて眠りの質を競い合う。日本の紙の家のように不安な眠りで話は終わる。

*父、まばたきもせず(THE FATHER< UNBLINKING ブライアン・エヴンソン, 1994

 娘の死体を黙々と片付ける父親。母親の問に答えることもなく。(答えてあげればいいのに。)

*分身(THE DOUBLE リッキー・デュコーネイ, 1994

 (気持ち悪い話だけれどもここまでシュールだと笑える。夫が出て行ったのも納得できる。)

*潜水夫(THE DIVER ルイス・ロビンソン, 2003

 (メイン州のポイント・アリソンという舞台も、若い夫婦と強かなダイバーという登場人物も、話の展開も映画向き。)

*やあ!やってるかい!(HI,HOWYADOIN! ジョイス・キャロル・オーツ2007

 ジョギングしながら誰にも彼にも「やあ!やってるかい!」と声を掛ける男。それがいやだった「あなた」は声を掛けられたとたんに玩具みたいな銃で彼を撃つ。アア、殺ッテヤルサ、と。

*ささやき(WHISPER レイ・ヴクサヴィッチ, 2001

 (集中でいちばん「居心地が悪い」作品。何度読み返してもよくわからない。解説が欲しい!)

*ケーキ(CAKES ステイシー・レヴィーン, 1993

 丸々となりたくて、部屋を改造して棚を巡らし、その棚をケーキでいっぱいにした語り手。いざケーキを食べようとしたとき、家の外に猫と犬がいた。(だからどうなの?といいたいけれど…。)

*喜びと哀愁の野球トリビア・クイズ(THE JOY AND MELANCHOLY BASEBALLTRIVIA QUIZ ケン・カルファス, 1998

 野球にまつわる架空のトリビアを集めた話。(この作品が集中でいちばん面白い。)

2018.8.13読了)


# by nishinayuu | 2018-11-27 10:29 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)


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Die Frauauf der Treppe』(Bernhard Schlink, 2014

シドニーのアートギャラリーで語り手が一枚の絵を目にするところから物語は始まる。その絵は階段を降りている全裸で青白くブロンドの女性を描いたもので、女性は浮遊するような軽やかさで鑑賞者に向かってくる。グラントラッハ家のサロンで初めて見たときと同じように、その絵は語り手を感動させた。語り手はゆっくりその絵に向かって歩いて行く。そして困惑する。あの頃のできごとを思い出させられたせいだった。

絵の中の女性はイレーネで、当時はグラントラッハという名字だった。描いたのはカール・シュヴィント。70の誕生日にはあらゆる新聞・テレビに登場した世界で最も有名で、値の張る画家であるが、当時はこれからの有望株といったところだった。イレーネがグラントラッハの許を去ってシュヴィントと暮らし始めると、グラントラッハは妻をモデルにしてシュヴィントに描かせた「階段を降りる女」に傷を付け、シュヴィントに修復させてはまた傷つけることを繰り返した。絵を買い戻すことも写真を撮ることも拒否されたシュヴィントが解決策を求めて訪れたのが語り手の法律事務所だった。1968年のことで、シュヴィントは30代初め、イレーネは20代初めで、語り手も新進気鋭の弁護士だった。そして語り手もやはりイレーネに強く惹かれていた。

40年の時が流れ、シドニーで「階段を降りる女」に再開した語り手は、グラントラッハ、シュヴィントとも顔を合わせることになる。病に冒されて余命いくばくもないイレーネが二人を招き寄せたのだ。現場に立ち会った語り手を、イレーネはほとんど記憶していなかった。語り手はあくまでもただの第三者だったのだ。それにもかかわらず語り手は、二人の男が去ったあともイレーネの許に残る。一人では階段が降りられなくなって語り手に背負われて「階段を降りる女」の最期のときを見守るために。

もしあのとき二人が一緒になっていたら、という仮定で語り手がイレーネに語って聞かせる物語が、イレーネにも語り手にもそして読者にも安らぎを与える。(2018.8.10読了)


# by nishinayuu | 2018-11-22 09:37 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

翻訳練習 課題18


2018年度前期の韓国語講座「翻訳の秘訣」で練習したものの記録です。(2018.6.116.18

動詞6-言い聞かせる

意味:타일다,설득하다

原文1:ちゃんと鍵を閉めるように子どもに言い聞かせて、両親は急いで出かけて行った。

訳文:문을 잠그라고 아이에게 다짐하고 부모는 서들러 집을 나갔다.

原文2:バナナは貴重品だと言い聞かせられて育った世代c0077412_07112715.jpg

訳文:바나나가 귀한 음식이라고 들면서 자란 세대

  1950年頃までの日本も同じでしたね。韓国ではもっとずっと後までバナナは貴重品だったようです。1990年代に日本語教師をしていた頃、韓国人留学生が日本のバナナの安さに感激していたのを思い出しました。)

動詞7-牛耳る

意味:좌지우지(右之左之)하다

原文1:外資系が牛耳る市場に、特化したサービスで挑戦する。

訳文:외자계 기업이 장악하는 시장에 특화한 서비스로 도전한다.

原文2:アジアのスターが米国の音楽業界を牛耳る日が来るだろうか。

訳文:아시아 스타가 미국 음악 업계에 군림하는 날이 올까?

動詞8-まる

意味:단속하다,관리하다

原文1:車のスピード違反を宇宙から取り締まるシステムが試験運用されている。

訳文:자동차의 속도 위반을 우주 공간에서 원격으로 단속하는 시스템이 시범 운용되고 있다.

原文2:我が社の代表取締役のインタビューが載った雑誌を社内で配る。

訳文:우리 대표이사 인터뷰 기사가 실린 잡지를 사원들에게배포한다.

動詞9-騒ぐ

意味:떠들다,아우성치다,소동이 벌어지다,화제가 되다

原文1:あの俳優は全く実力がないのに騒がれているのはなぜだろう。

訳文:저 배우는 영 실력이없는데 왜 주목을 받을까? は感情がこもった語)

原文2:政府の業務停止命令があいつぎ、預金の取り付け騒ぎが起こっている。

訳文:정부의 업무 정이 명령이 잇따라 내려져 예금 인출 소동이 벌어지고 있다. 사태가 일어나다は大ごとの場合に使う)

動詞10-挙げる/国を挙げて

意味: 모으다,거국적으로 범국민적으로

原文1:なんども浮上したものの、国を挙げての実現には至らなかった「サマータイム」制が、再び関心を呼んでいる。

訳文:몇 번이나 거론되었는데도 국가 차원으로 실현되지 못했던섬머 타임제가 다시금 관심을 모으고 있다.

原文2:私たちにできるのは、被災者の方たちに、国民を挙げて「サポートされている」という実感を持ってもらうことだ。(またまた日本語が変)

訳文:우리가 할 일은 이재민들에게 범국민적인 지원을 받고있다는 실감을 주는 것이다.


# by nishinayuu | 2018-11-17 07:12 | 翻訳 | Trackback | Comments(1)


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Island ofthe Blue Dolphins』(Scott O’Dell, 1960

物語の舞台はカリフォルニア沖にあるサンニコラス島。高い地点から見下ろすと全体がイルカの形をしているこの島で、12歳(1835)から30歳(1853)までの18年間、たった一人で生き抜いていく女性の物語。


ガラサット族の暮らすこの島の沖にある日、北の方から赤い帆の船が現れる。ラッコを捕るためにやって来たアリュート人の船だった。浜に降り立った船長とガラサット族の酋長が交渉のために向き合う。このとき酋長が本名を名のったことに、酋長の娘であるカラーナは驚く。本名をやたらに明かすと禍が降りかかるおそれがあるからだ(本名を隠すのは世界各地にみられる風習ですね)。案の定、アリュート人たちはガラサット族との取り決めを守らずに島を立ち去ろうとし、それを阻止しようとして武器をとったガラサットの男たちの多くが死んだり大けがをしたりして、カラーナの父である酋長も死んでしまう。

何とか生き延びた人々の前に、やがて東の方から白い帆の船が現れる。人々は島を捨てて新しい土地に移ることにする。このとき、忘れ物を取りに行った弟がまだ船に乗っていないのに気づいたカラーナは、みんなが止めるのを振り切って海に飛び込む。船はそのまま東の方に消えていき、弟とカラーナは島に取り残される。その弟が、野犬に襲われて死んでしまったため、カラーナはついに独りぼっちになってしまう。そしてカラーナのまるでロビンソンクルーソーのような生活が始まる。家を造り、食べ物を集め、着る物も作れば、移動手段のカヌーも作る。そして、「女は武器を作ってはいけない」という一族の掟や、「女の持つ弓はその人がいちばん危なくなったときに折れる」という父の教えも乗り越えてたくましく生きていく。18年後にやっとまた東のほうから船が現れる日まで。

実話に基づいた作品で、モデルになった女性は実際に12歳から30歳まで(18351853)の18年間、サンニコラス島に一人で暮らしていたという。ただし彼女は東の地(カリフォルニア)の人々とは言葉が通じなかったため、島での生活に関する詳しい記録は残っていない、とあとがきにある。ほとんど資料のないところからこのような魅力的な物語を作り出した作者の力量に驚かされる。とくにカラーナが野犬のボスになっていたアリュートの大型犬、傷ついて死にかけていたラッコ、などの動物たちと心を通わせていくエピソードは感動的。

エピソードの一つとして大津波と大地震が出てくるのは、カリフォルニア地方の人々に1906年の大地震の記憶がまだ新しかったからだろうか。カラーナが島にいた期間には別に大地震の記録はない。(2018.7.31読了)


# by nishinayuu | 2018-11-12 09:25 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)


c0077412_10030122.png本書は『波』の20101月号~20149月号に掲載された「とかなんとか言語学」と、『熱風』(スタジオジブリ)の20121月号に掲載された「問答無用の「健康」印」に加筆修正したものだという。著者はノンフィクション作家。英実を「ひでみね」と読むのにはびっくり。本書にはそれほどびっくりすることは書かれていないが、共感した部分、印象に残った部分を列挙しておく。

*「日本語は難しいよね」とつぶやく人をよく見かける(…)難しいわりには外国人力士たちは日本語がとても流暢である。母国語のクセのようなものもないし、口ぶりというか顔つきまで日本人のようで、(…)さらには様々なしきたりも無難にこなしており、その姿を見ていると日本文化というものは深淵ではなく、むしろ簡便で汎用性の高いものではないかとさえ思えてくるのである。【なに】

*早い話、「リスク」とは言い訳。言い訳には好都合だから「リスク」は日本人に常用語として浸透したのではないだろうか。(…)「危険」なら避けるべきだが、「リスク」なら」隣り合わせ」も許容される。金融機関などは「リスク」を商品化するくらいで、「リスクが潜む」というより「リスク」ということばを濫用することで「リスク」を招き入れ、危険を現実にしているのである。【リスク】

*経済用語としての「景気」はかつて「経紀」と書かれていたらしい。(…)「経紀」は「経過をしるす」ようで、帳簿を彷彿させる。欧米の「business」もおそらくそのことを指しているわけで、景気循環も経紀循環なら、あくまで数字上の法則として納得できそうである。(…)経紀はよくないけれど景気よく頑張りましょう。時候の挨拶としてもそのほうが元気がでるのではないだろうか。【景気】

*(日野原重明さんの)著作を通読してみると、先生自身の健康ぶりに圧倒される。健康とは「自分が『健康だ』と感じること」らしく、感じたもの勝ちの様相なのである。そのせいか自分の職業やら克服した病気などには感謝しているが、毎日の健康的な食事の支度など、彼を支えている人々にはほとんど触れていない。要するに、自画自賛を貫いているのだ。【健康】

*「疲れる」は『古事記』にも「暫疲(しばらくつかれき)」と登場するほど古くから使われている。さらに驚くのは一人称のことを「僕(やつかれ)」と呼んでいたのである。「やつかれ」とは「やつこ(奴)」+「あれ(我)」の略ともいわれているが、橘守部などは「痩疲れの意なるべし」と断言している。要するに、痩せて疲れていること自体が「私」を指しているのだ。【つかれ】

2018.7.29読了)


# by nishinayuu | 2018-11-07 10:06 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)

読書と韓国語学習の備忘録です。


by nishinayuu