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『からくりからくさ』(梨木香歩著、新潮社)

『からくりからくさ』(梨木香歩著、新潮社)_c0077412_1527230.jpg5冊目の梨木香歩。
蓉子の祖母が亡くなったあと、その家を空き屋にしないために、染色の仕事をしている蓉子が1階部分を工房にし、2階に下宿人を置くことになった。こうして蓉子、マーガレット、紀久、与希子、という若い女性4人の共同生活が始まる。紀久と与希子は美大の学生で、機織りをやっており、マーガレットは鍼灸を学んでいる。4人とも、広い意味で手仕事の人である。実はもう一人、「ただの人形ではない」人形のりかさんがいる。りかさんは、祖母の道行きにつきあって喪に服しているので、今のところは「ただの人形」になっているが。
はじめのうち、りかさんの存在にとまどっていた紀久と与希子も、りかさんの存在を認めなかったマーガレットも、自分たちがどこかでりかさんとつながっていること、また現在は過去からずっとつながっており、今いる場所は外の広い世界とつながっていることを理解していく。(2007.4.16記)

☆以上のような話なのですが、主要人物4人の像がくっきりと浮かび上がってこないので、だれにも感情移入できませんでした。そもそも「与希子」はどう読むのでしょうか。佐伯というごくふつうにある姓にはルビがついていて、なぜ与希子にはルビがないのか、理解に苦しみます。(4.18記)
読書会の仲間で、この本を読んでいるふたりが、「ヨキコ」と読んだと言うので、改めて考えてみました。人形の衣装に斧(よき)、琴、菊が描かれていて、「よきこときく」と言う意味が込められている、という部分があったことを思い出しました。もしかしたら、与希子も紀久もここから名付けられた名前だった、ということでしょうか。作品にのめり込めなかったせいで、読みが浅かったかもしれません。それでもやはり、名前にはルビがあったほうが……。(4.19記)
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by nishinayuu | 2007-05-18 14:58 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

読書と韓国語学習の備忘録です。


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