『The Winter’s Tale』(Shakespeare, Greenwich House)
2025年 12月 04日
『冬物語』(シェイクスピア)
これは1610~11年頃に作られた、シェイクスピアの後期作品の一つである。「A Midsummer Night’s Dream」と対をなすようなタイトルを持つこの作品は、前半は嫉妬による悲劇の物語、すなわち「冬の物語」であり、後半はすべての不幸が解消されるハッピーエンディングの物語、すなわち「春の物語」となっている。そのため初期には喜劇に分類されていたが、現在は「シンベリン Cymbeline」「テンペスト The Tempest」などとともにロマンス劇という項目に分類されている。
物語の大筋の覚え書きを兼ねて、主な登場人物を以下に記しておく。
*レオンティーズ Leontes――シシリア王。友人であるボヘミア王と自分の妻の関係を疑い、嫉妬に狂う。
*ハーマイオニー Hermione――シシリアの王妃。王によって幽閉されたあとで女の子を出産。
*ポリクシーンズ Polixenes――ボヘミア王。シシリア王の友人として王宮に滞在していたが、シシリア王に王妃と密通したと疑われ、ボヘミアに逃げ帰る。
*カミロゥ Camillo――シシリアの貴族。王からボヘミア王の暗殺を命じられるが、それをボヘミア王に打ち明けて一緒にボヘミアに逃れる。
*アンティゴナス Antigonus――シシリアの貴族。王妃の産んだ子を殺せという王命を受けて、その子をボヘミアの森に捨てる。そのとき熊に襲われて食われてしまう。
*ポーリーナ Paulina――アンティゴナスの妻で、王妃付きの侍女。横暴な王に逆らって王妃を守ろうとする。
*Time(コーラス)――劇の前半と後半の間にある16年という時の流れを30数行の詩で語ってしまう、というすご技をみせる〈もちろん技を見せたのはシェイクスピアですが〉。
*フロリゼル Florizel――ボヘミアの王子。羊飼いの娘と恋仲になる。
*パーディータ Perdita――羊飼いの娘(実はシシリアの王女)でフロリゼルの恋人。その名Perditaはラテン語のperditus(lost)から来た語で、「失われた女の子」を意味する。
この劇ではシシリアとボヘミアが海路で繋がっていたり、羊飼いに育てられたパーディータが容姿も教養も申し分のない女性になっていたりするが、一種のおとぎ話なので、詮索しても意味がない。アンティゴナスが熊に食われるシーンを除けば、グロテスクなところも恐ろしいところもないので楽しめる。
以上は2015年1月にupした記事に手を加えたもの。以前は注釈と挿絵が入った分厚い本で読みましたが、今回はWEBの電子書籍で拾い読みしました。(2025.12.3)


