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『The Guests』(H. H. Munro, Doubleday & Company, Inc. )

『The Guests』(H. H. Munro, Doubleday & Company, Inc. )_c0077412_10501491.jpg『泊まり客』(マンロウ)サキの短編集「The Toys of Peace」の中の1編。

冒頭は、アナベルの家に友人のマチルダが遊びに来ておしゃべりを楽しんでいる場面。家の外には美しい田園風景が広がっている。〈地名は出てこないが、イングランドのどこかだと思われる。〉アナベルは「ここはほんとうに美しい所だけれど、時たま麻疹が流行したり、雷雨があったり、5年に一度の選挙の騒ぎがあるくらいで、すごく退屈でうんざり」と言う。マチルダは「静かで気が休まるいい所じゃないの」と応えるが、「確かに私の住んでいる所はもっといろいろなことが起こるわね。突発的に、それも何もかもが同時に」と言ってある出来事を語り始める。ここからがこの話の本題。

ある日、ある司教がいきなり訪ねてくる。話しているうちにこの司教は遠い親戚に当たる人物であることがわかる。ただし司教の一族とマチルダの一族は昔、ロイヤル・ダービーのデザート用陶磁器をどちらが引き継ぐかどうかで争って以来、険悪な間柄になっていた。その仇敵の一族の一人が現れて「東洋の伝統的なもてなし」を要求したのだ。ところでこのとき、マチルダの夫は用事があって50マイルも離れた集落に行っていた。この集落の住民たちが、リーダーの一人が「狼男」ならぬ「虎男」じゃないかと思っているというので、目を覚ませ、と説得しに行ったのだ。〈ここでも地名は出てこないが、話の内容から当時英国領だったインドのことだとわかる。〉

ひとりでこの気にくわない司教の相手をしなければならないマチルダは、もちろん一応客としてもてなすつもりだった。が、司教が場所もわきまえずに昔の争いのことを持ち出して自分の側の言い分を蒸し返したため、怒り心頭に発したマチルダはコックに休暇を与えて90マイルは離れた所で暮らしている彼の両親の許へ送り出してしまう。それを知った司教もマチルダの作戦に気づいたので、どちらもほとんど口をきかなくなった。その折も折、付近を流れるグワードリピチー川が氾濫したため、馬も山羊も鶏たちも、その世話をする使用人たちもみんなマチルダの家に待避してきたので、家は動物と人であふれかえった。それで司教には小さなベッドルームを与えて、他の部屋への出入りは禁止した。ところが昼寝から覚めた司教が客間(臨時に居間も食堂も倉庫も兼ねていた部屋)へ飛び込んできて叫ぶ。「私の部屋に山羊がいる!その山羊が今、豹に食われている!」

2019.8.25読了)


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Commented by マリーゴールド at 2020-01-04 13:59 x
洪水で行き場を失った豹が人家のベッドでひと眠りしていたというニュースを見たことがあります。インドではこういうことはよくおこるんですね。ほほえましい。しかし、山羊を食べている豹と同室にいるのは恐怖以外の何物でもないですね。。
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by nishinayuu | 2020-01-02 10:01 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)

読書と韓国語学習の備忘録です。


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