『家なき子-上』(エクトール・マロ、訳=楠山正雄、青空文庫)
2019年 08月 30日
『Sans Famille』(HectorMalot, 1878)
著者のエクトール・マロ(1830~1907)はフランスの作家で、生涯に60編余り長編を発表している。本作がその代表作で、姉妹編の『家なき娘』(EnFamille,1893)とともによく知られており、日本では両作品ともアニメ化されていっそうよく知られるようになった。ただし本作の場合、アニメでは主人公が女の子になっており、内容もストーリー展開も原作とはかなり違うようだ(アニメを見ていないので推測です)。
主要登場人物は以下の通り。
*ルミ――赤ん坊のときに拾われ、8歳まで養母に育てられた少年。
*バルブレンのおっかあ――ルミの養母。フランス中部で最も貧しい村のひとつシャヴァノンに暮らす。
*ジェローム・バルブレン――おっかあの夫。ルミを拾った人物。出稼ぎ先で怪我をして働けなくなる。
*ヴィタリス老人――旅芝居一座の親方。養父からルミを40フランでもらい受けて一座に加える。
*カピ(カピターノ)――縮れ毛の白いむく犬。一座の動物たちのリーダーで、賢くて忠実。
*ゼルビノ――黒毛のむく犬。元気いっぱいの雄犬。
*ドルス――灰色の雌犬。おとなしくて優美。
*ジョリクール――小型の猿。一座のスター役者。移動中はいつもヴィタリスの懐に抱かれている。
*アーサ――引き船「白鳥号」で旅する病弱な少年。ルミたちの芝居を見物し、ルミと仲良しになる。
*ミリガン夫人――アーサの母。イギリスの貴婦人。
(2019.5.4読了)