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『Only Time Will Tell』(Jeffrey Archer)

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『時のみぞ知る』(ジェフリー・アーチャー、US Kindle

Clifton Chroniclesの最初の巻。主人公の少年期から青年期への成長を、視点を変え、時期を少しずつずらしながら綴っていくという構成で、それによって主人公のハリー・クリフトンはもちろん、主人公を取り巻く人々の像もくっきりと浮かび上がってくる。心覚えのために各章のエピソードを列挙しておく。

1章「Happy Clifton」(1920-1933)港町ブリストルにおけるハリーの子ども時代の物語。父親のいない家庭の貧しい生活、聖歌隊のソリストとして活躍する日々、世捨て人のジャックとの出会い、St. Bede’s 校への進学と学校生活、Bristol Grammar Schoolへの進学など。

2章「Maisie Clifton」(1920-1936)ハリーの母メイジーの物語。アーサー・クリフトンとの結婚とハリーの誕生、アーサーの事故死、ハリーの進学に伴う苦労と喜び、Hugo Barringtonとの因縁など。

3章「Hugo Barrington」(1921-1936)バリントン海運の御曹司であるヒューゴの物語。アーサーを死に追いやった経緯。メイジーとの関係。メイジーとハリー母子を極力避ける理由などが綴られる。

4章「Old Jack Tar」世捨て人オールド・ジャックの物語。バリントン海運の社主ウォルターとの縁。アーサーの子ハリーへの肩入れ、ミスター・ホウルカム、ディーキンズ、ミスター・フロビシャーとの数奇なつながり、父の死と残された手紙など。

5章「Giles Barrington」(1936-1938)ハリーと親友になったジャイルズの物語。ハリーを嫌う父への反発、夏休みのトスカーナ旅行、演劇シーズンでのハプニング、ジャイルズの妹エマとハリーの交際に対するメイジーとジャックの懸念、母とエマの家出、ハリーと一緒に母方の祖父ハーヴェイ卿訪問、ハーヴェイに諭されてヒューゴが家族に語ったハリーを避ける理由、ハリーとディーキンズのオクスフォード入学決定など。

6章「Emma Barrington(1932-1939) ジャイルズの妹エマの物語。ハリーとエマが恋人になった経緯、母とエディンヴァラに行ったいきさつ、ハリーの父の死についてのエマの推測、ハリーとの交際をヒューゴばかりかメイジーもジャックも喜んでいないと知ったときの困惑、ジャックの「異議あり」という声で流れた結婚式など。

7章「Harry Crifton」(1939-1940)一瞬にして人生を閉ざされたハリーのその後の物語。衝撃を受けて式場を去る人々のその後の動き、エマがハリーに残した手紙、イギリスの開戦と町にあふれる軍服姿、心臓発作で倒れたオールド・ジャック、ハリーが老朽船デヴォウニアン号に乗ることになったいきさつ、ハリーの船員修行と高級船員トム・ブラドショウとの親交、ハリーがトム・ブラドショウになりかわったいきさつ、ニューヨークに入港したハリーを待っていた「第1級殺人罪」による逮捕、などなど。

本書で最も感動的なのは、ハリーの回りには母メイジーをはじめとして、ミス・マンデイ(聖歌隊長、ハリーのを見いだし、メイジーの仕事探しも助ける)、オールド・ジャック(世捨て人。ハリーに目をかけて教え導く。ハリーの父親の死の真相を知っている)、ミスター・ホウルカム(公立小の先生、ハリーを進学させようと個人指導にのりだす)、ミスター・フロビシャー(St. Bede’s の歴史教師)、オークショット師(St. Bede’s の校長)など、温かく見守って手をさしのべてくれる人が大勢いたという事実である。

2018.10.16読了)


Commented by マリーゴールド at 2019-02-02 13:07 x
わくわくする物語ですね。
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by nishinayuu | 2019-01-31 09:46 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)

読書と韓国語学習の備忘録です。


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