『A Quiver Full of Arrows』(Jeffrey Archer, Kodansha English Library)


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永井 淳の訳で新潮社から出ている版のタイトルは『十二本の毒矢』で、12の短編が収録されている。本書はそれより2編少ない10編の短編集となっている。講談社の出版なので、和書に分類すべきかもしれないが、英文の本なので原書としておく。


収録作品のなかで面白かったのは……

*The Chinese Statue――サザビーズのオークションに出品された中国の皇帝像。像そのものより台座に高額の値がつく。(ところでポンドとギニーという貨幣単位を併用しているイギリス人って賢い?)

*The Luncheon――よく覚えていない女性に高級レストランで食事を御馳走する羽目になった語り手。支払い額が心配で自分はサラダだけで我慢した語り手の手許に残ったのはバス代のみ。別れ際、女性はこの店のオーナーと再婚したの、としらっと言って去って行く。(これもまた作者お得意の?お金の話。)

*The Coup――ナイジェリアにやって来た二人のブラジル人事業家。クーデター勃発による大混乱、銀行融資の滞りなどに直面する中で、ライバルだった二人が急接近し、共同で事業を進めることに。(長編にしてもいいような読み応えのある話でした。)

*The First Miracle――時は紀元1年。キリストの奇跡に最初に遭遇したのは少年ピラトだった!

*The Hungarian Professor――イギリスを愛し、イギリス文学に一生を捧げたのに一度もイギリスに行けない教授。涙を誘う物語。

その他は――「One-Night Stand」「Broken Routine」「Henry’s Hiccup」「A Matter of Principle」「OldLove」。いずれもちょっと哀れだったりちょっと滑稽だったりする掌編で、「毒矢」と言うほどではない。

語句に関するメモ

*hiccup――ちょっとした不都合、妨害、挫折。(Henrys hiccup)

*statu pupillari――学生の身分。(Henrys hiccup」)

*V-J Day――Victory Over Japan。アメリカなどで92日に祝う。

(Henrys hiccup)

*Bonheur-du-jour――女性用の文机兼化粧テーブル。(Henrys hiccup)

*langouste――伊勢エビ。(Henrys hiccup)

*B.N.C.――Brasenose College(オクスフォード大のカレッジ)

(「The Hungarian Professor」)

*IBA――ITVとチャンネル4を統合した会社。(「Old Love」)

2018.8.30読了)


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by nishinayuu | 2018-12-12 11:10 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

読書と韓国語学習の備忘録です。


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