『Biblio MysteriesⅡ』(訳=杉江松恋、ディスカヴァー・トゥエンティワン)


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『本にまつわるミステリーⅡ』(オットー・ペンズラー編)

本書はオットー・ペンズラーが電子書籍化した短編の中から10作品を選びだして3巻に分けたシリーズの2巻目である。オットー・ペンズラー(1942~ )はアメリカのジャーナリスト、作家、評論家、ミステリー蒐集家であり、「ミステリアス・プレス」というミステリー専門出版社の創設者でもある。

本書には「本にまつわる刑事・探偵小説」が三つ収録されている。

1.『本棚殺人事件』(ネルソン・デミル)

The BookCase』(Nelson DeMille,2011

冒頭に死体が登場するが胸の悪くなるような描写はなく、語り口も話の展開も軽快で楽しい作品。

2.『絵本盗難事件』(ローラ・リップマン)

The BookThing』(Laura Lippman,2012

紙の本の行く末を考えさせられる作品。殺人もなければ、「悪い人間」も出てこない。舞台はエドガー・アラン・ポーの出身地であるボルチモア。

3.『ブック・クラブ殺人事件』(ローレン・D・エスルマン)

Book Club』(Loren D. Estleman,2012

登場人物たちの丁々発止のやりとりが愉快な作品。舞台はニュー・メキシコ州の小さな町、グッド・アドヴァイス。元刑事で今は本屋の主であるシェアクロスと警察署長のドカティが手を組んで、愛書家殺しの犯人を追いつめる。

2.のタイトルとなっている「BookThing」は実在の施設で、本の寄付を受け付け、欲しい人は誰でも無料で本がもらえるようになっているという。開館日は毎週末。無料でもらえる本の上限は一日に15万冊。(捨てるに忍びない本を持ち込めるこんな場所がわが家の近所にもあればいいのに。)

2018.7.16読了)


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Commented by マリーゴールド at 2018-10-08 21:14 x
本の処分は本当に困りますね。
by nishinayuu | 2018-10-08 09:41 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)

読書と韓国語学習の備忘録です。


by nishinayuu