『古書店主』(マーク・プライヤー、訳=渋谷正子、早川書房)


c0077412_09441000.jpgBookseller』(Mark Prayor, 2012

著者のデビュー作だという本書は、セーヌの河岸の露店で古書を売るブキニストの世界を舞台にしたサスペンス。主人公がセーヌ河を中心にパリのあちこちを歩き回るので、読んでいると一緒にパリを歩いているような気分になれる。ただしこの本を旅行案内書や参考書として使うのは止めたほうがいいかもしれない。というのも著者が前書きで次のように言っているからだ。

「私はパリをとても愛しているが、その歴史や地理にときおり勝手に大きな変更を加えることを余儀なくされた。私の身勝手な要求に合うように出来事を創作し、街を捏造した。あらゆる誤り、不当表示は、私のせい、私だけのせいである。」

主人公は元FBIのプロファイラーで現在はアメリカ大使館の外交保安部長であるヒューゴー・マーストン。別れた妻に未練があるヒューゴーは、妻へのプレゼントとして2冊の古書を馴染みのブキニスト、マックスから買う。その直後にヒューゴーは、マックスが屈強な男に拉致されて船で連れ去られるのを目撃する。すぐに警察に捜査を依頼するが、マックスが進んで船に乗ったという目撃証人が現れたとかで、事件性が否定されてしまう。そこで自ら捜索に乗り出したヒューゴーはマックスがナチ・ハンターだったという事実を突き止める。さらに、彼から購入した古書が極めて高価な稀覯本であることも判明する。やがてマックスが溺死体となってセーヌ河に浮かび、さらに二人の人間の死体がセーヌ河で見つかる。

何が彼らを死に追いやったのだろうか。そしてヒューゴーが手を打つ前に稀覯本は人手に渡ってしまったが、誰が何のために高価な本を慌てて購入したのだろうか。ヒューゴーは沈着かつ大胆に事件解決に向かって突き進む。

その他の主要登場人物は以下の通り。

*トム・グリーン(生真面目なヒューゴーとは性格が真逆の友人。元CIAの局員)

*エマ(ヒューゴーの秘書。非常に有能で、しかもユーモアセンス抜群)

*クラウディア(ジャーナリスト。ヒューゴーとは互いに引かれあっている)

*ジェラール・ド・ルション(伯爵で財産家。クラウディアの父親)

*ブルーノ・グラヴァ(パリ古書店組合の新会長)

2018.5.17読了)


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by nishinayuu | 2018-08-04 09:48 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

読書と韓国語学習の備忘録です。


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