『ガール・オン・ザ・トレイン下』(ポーラ・ホーキンズ、訳=池田真紀子、講談社)


c0077412_10060638.jpg『The Girl on the Train』(Paula Hawkins)

(上巻からの続き)

本作ではレイチェル、メガン(ジェスの本名)、アナの三人が交代に登場してそれぞれの過去と現在を語っていく。時間的には201375日(金曜日)から910日(火曜日)までの期間に、1年前の2012516日から2013713日(土曜日、メガンが失踪した日)までの期間が並行して綴られる形になっている。

はじめのうちは主人公がアルコール依存症ではた迷惑なダメ女なのであまり共感できず、男たちがあまりに寛大で優し過ぎるのにも違和感があって、作品世界にすんなり入り込めない。そこを乗り越えると話は徐々に好調な展開を見せ、やがて敵同士だった二人の女性が心を合わせ、自分たちを苦しめた嘘つき男、もう一人の女性を死に追いやった酷い男を追いつめることになる。ヒロインがアルコール依存症を克服するというおまけが付くのもいい。

上巻の裏表紙には「絶望と闇を抱える女性三人の独白で描く、サイコスリラーの傑作!」とあり、下巻の裏表紙には「世界で絶賛された英国ミステリー、驚愕の結末!」とある。たしかに「驚愕の結末」であり、フィクションならではの「痛快な結末」でもある。

☆2013713日、メガンの頭の中に響いているのは「マザー・グース」のカササギの歌。

Magpie, magpie,flutter and flee,/Turn up your tail and good luck come to me./ One for sorrow,two for joy,/ Three for a girl, four for a boy,/ Five for silver, six forgold,/ Seven for a secret ne’er to be told.

(2018.4.30読了)


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Commented by マリーゴールド at 2018-07-21 08:38 x
この作品は映画で見ました。舞台はアメリカの東海岸の海沿いの景勝地を列車が走っていました。もともとはイギリスが舞台だったんですね。
by nishinayuu | 2018-07-20 10:11 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)

読書と韓国語学習の備忘録です。


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