『涙なしのフランス語』(テレンス・ラティガン、訳=能美武功、青空文庫)
2018年 02月 05日
『FrenchWithout Tears』(Terence Rattigan)
本作は3幕ものの戯曲で、1936年11月6日にロンドンのクリテリオン劇場で初演されている。
3週後に外交官試験を控えてフランス語教師の父娘の許でフランス語と格闘中の若者たち。そこに若い女性が現れて、娘の方の教師も交えた恋の駆け引きが展開する。登場人物は以下の通り(登場順)。
*ケネス・レイク=20歳くらい。頭は空っぽだがハンサム。外交官試験のためにフランス語を習っているが、できが悪くて教師から見放される。
*ブライアン・カーティス=23、4歳。大柄で肥っている。
*アラン・ハワード=23歳くらい.陰気な顔つき。父親が外交官なので、外交官試験を受けることになっているが、実は小説家志望。
*マンゴー=60歳。白い髭を蓄え、恐い顔をしたフランス語教師。教え方も厳しい。
*ビル・ロジャーズ=35歳くらいの海軍中将。浅黒くて背が低く、もったいぶった物腰。
*ダイアナ・レイク=(20歳くらい?)ケネス・レイクの姉。男をボーっとさせたいが、相手の数は多いほど安全、と考えている。
*キット・ネイラン=22歳くらい。金髪の美男子で、ダイアナの言いなり。ジャクリーヌにフランス語を習っている。
*ジャクリーヌ・マンゴー=25、6歳。マンゴーの娘でフランス語教師。弟子のキットに惚れている。
*ヘイブルック卿=ダイアナが次の目当てとして待ち構えている人物。現れてみたら15歳くらいの少年だった(ネタバレ御免)。
ブライアンが「ダイアナの〈青信号〉をキャッチしてワルツを申し込んだら、手ひどく殴られた」とアランに報告。アランはダイアナの〈青信号〉が本物かどうか確かめるためにダイアナの部屋へ向かう。「殴られなかったら外交官試験を受ける。殴られたら外交官はやめて作家になる」とブライアンに言い置いて。結果は「作家だ!」となる。
なお、初演のときの俳優陣は――ケネス・レイク=トレバー・ハワード/アラン・ハワード=レックス・ハリスン(1908年生まれ。ぴったり!)/ダイアナ=ケイ・ハモンド(どんな人?)/ジャクリーヌ・マンゴー=ジェシカ・タンディ(1909年生まれ。27歳のときですね。)
(2017.12.10読了)