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『나의 문화유산답사기 6』(유홍준著、창비)

『나의 문화유산답사기 6』(유홍준著、창비)_c0077412_13183332.jpg『私の文化遺産踏査記 6』(兪弘濬著、創批)
韓国の文化遺産踏査記3巻の刊行後しばらくして、北韓の文化遺産踏査記2巻が刊行された。これでもうお終いかと思っていたら、2011年にこの第6巻が刊行されたので、さっそく購入して週に一度、友人と訳をつき合わせながら読み進めてきた。訳の突き合わせはまだ最後まで行っていないが、いちおう自分では最後まで目を通したので、読了ということにしてここに記録しておく。済州島を扱った7巻目ももうすぐ手許に届くので、このシリーズとのおつきあいはまだまだ続きそうである。
さて、「はじめに」の記述によると、この巻は文化遺産の中で著者個人と縁の深い場所を取り上げたものだという。はじめの4章は、著者の文化財庁の長官としての経験が詰まった景福宮。一つ一つの建物の意味や歴史が実に詳細に綴られ、そこに居住した王族、政治を行った人びと、建設に携わった技術者など、さまざまに人間についても多くのページが割かれている。
「毎年自分の家のように訪ねていくようになった」という仙巌寺には2章が当てられ、金克己の古詩で締めくくられている。続いて、視覚障害者との約束が果たせずに「気持ちの上で借りがあった」という道東書院に1章、亭子村など昔ながらの文化が維持されている居昌・陜川に3章が当てられ、「私の個人的変化を語った」という扶餘・論山・保寧に4章が当てられている。
総じて、「個人的な」思い入れが語られている箇所は、共感できてもできなくてもそれなりに読んでいて楽しいが、固有名詞や植物名が羅列されている部分はあまりの単調さにうんざりさせられる。読みながら日本語にするときに、人名、地名は漢字を探し、植物名などはまず学名を突き止めてから和名を探す、という作業をしているため、なおさらそう感じるのかもしれないが。それでも、2003年からこのシリーズを読み続けてきたおかげで、韓国の文化遺産について、また韓国の人びとの考え方について、少しはわかるようになった気がする。著者に感謝。(2012.9.18読了)
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by nishinayuu | 2012-11-16 13:18 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

読書と韓国語学習の備忘録です。


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