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『麒麟の翼』(東野圭吾著、講談社)

『麒麟の翼』(東野圭吾著、講談社)_c0077412_15123385.jpg赤い指』『新参者』などと同じく、加賀恭一郎と松宮脩平コンビが活躍する。加賀が父親を見送ってから2年の月日が流れているが、舞台が日本橋界隈であり、二人の関係も相変わらずなので、『新参者』の続きのような雰囲気がある。深い洞察力と人間的温かさを持つ加賀を主人公に据えているため、ミステリーの要素より人間ドラマの要素が大きい作品となっている。
始めに殺人事件がある。被害者は日本橋の中程、麒麟像が置かれた装飾柱の台座にもたれかかった姿で発見される。胸にナイフが刺さっており、血痕は近くの地下道の中から続いていた。被害者は病院に運び込まれたが、呼び出された家族が駆けつけたときには息絶えていた。間もなく近くで不審者が見つかる。被害者の鞄と財布を抱えていたその若い男は、警察官の姿を見て道路に飛び出し、トラックにはねられて意識不明になっていた。捜査はその若い男による金銭目当ての殺人事件という線で進められていく。
一方、加賀は被害者の家族(妻、高校生の息子、中学生の娘)や被疑者の同棲中の女性の思いに心を寄せ、被害者や被疑者の行動を辿って日本橋界隈を歩き回る。こうして加賀は、瀕死の状態の被害者が麒麟像のところまで歩いた理由、必死の思いで伝えようとしたメッセージを突き止める。
☆作中に「麒麟の翼」というタイトルのブログが登場する。試しに検索してみたら『麒麟の翼』に関するブログがいろいろヒット。中にはこの作品に登場する七福神を祀った神社や名店を巡って写真入りで紹介したものもあり、東野圭吾は(あるいは加賀恭一郎は)日本橋付近の観光大使?と思ったのだった。(2012.2.23読了)
Commented by マリーゴールド at 2012-04-19 23:12 x
加賀恭一郎はテレビで演じた阿部寛の印象がすごく強いし、日本橋界隈も見て歩きたいという気になりました。映像の力ですね。
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by nishinayuu | 2012-04-18 15:12 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)

読書と韓国語学習の備忘録です。


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