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『容疑者Xの献身』(東野圭吾著、文芸春秋社)

c0077412_20365171.jpg完璧なアリバイ、数学者と物理学者というふたりの天才のからみなど、ミステリーファンの間で高い評価を得ているのが納得できるおもしろさだった。
冒頭に、問題の数学教師が勤める学校の位置が説明されているが、そこには実際に私立の女子高校がある。そこをモデルにしたのかとある人が著者に問い合わせたところ「無関係です」という答えが返ってきたという(学校関係者から聞いた話)。それはともかく、細部にリアリティーがあり、テンポも良くて、一気に読ませる。
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by nishinayuu | 2006-09-23 17:43 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『二人乗り』(平田俊子著、講談社)

c0077412_2037437.jpg平々凡々とした人たちの淡々とした日常生活、と思いきや、実は突拍子もない人たちの一風変わった生活が描かれていて、なかなか愉快な物語。
嵐子さん、不治子(嵐子さんの妹)、道彦(不治子の夫)のそれぞれを主人公としたオムニバス形式の作品。
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by nishinayuu | 2006-09-22 14:44 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『 安楽病棟』(帚木蓬生著、新潮社)

c0077412_20393277.jpg読書会「かんあおい」2006年5月の課題図書。4年前に一度読んでいるが、とにかく嫌な内容の本だった、ということしか覚えていなかった。今回読み直してみたら、戦争体験談集としても読め、推理小説としても読める、なかなか読みでのある本だった。

☆4年前の読書ノートを見てみたら「推理小説としては謎解きが易しすぎる。そしてテーマは重過ぎる」という感想が書いてありました。4年前より推理力が落ちているのかもしれない、と自分の脳の状態が心配になりました。
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by nishinayuu | 2006-09-17 11:28 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『日本文明77の鍵』(梅棹忠夫編、創元社)

c0077412_2249189.jpg外国人の日本理解を助けるために書かれたものであるが、日本人が自分の知識を整理するのにも役立つ。初めに英語版が出版されたということからもわかるように、欧米を意識した記述が目立つ。直前に『저고리と鎧』(池明観著、太郎次郎社)を読んだのでなおさらそう感じたのかもしれないが。

☆『저고리と鎧』(池明観著、太郎次郎社)
「元寇で日本が自国を守れたのは、元に征服された高麗や南宋、大越(ベトナム)の人々の抵抗があったおかげ」という著者は、長く日本の大学で教壇に立っていた人物。知日派として、アジア的視点、平和的発想への転換を日本に促しています。なお、저고리(チョゴリ)は韓国服の上半身の部分です。
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by nishinayuu | 2006-09-04 16:02 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『ヌサトゥンガラ島々紀行』(瀬川正仁著、凱風社)

c0077412_22473357.jpgヌサトゥンガラとはバリ島、ロンボク島、スンバラ島、コモド島、フローレス島、スンバ島、チモール島、アロール島、ソロール諸島のこと。これらの島々とそこに住む人々を温かく、且つ冷静な目で見、足で確かめた記録である。
アジアの辺境ヌサトゥンガラの「今」を残しておくために書く、と著者はいう。その著者の思いがどのページにもあふれており、「近代化批判」でも「地上の楽園礼賛」でもない、すばらしい紀行文になっている。
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by nishinayuu | 2006-08-28 15:49 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『日蝕』(平野啓一郎著、新潮社)

c0077412_22455989.jpg物語の舞台は中世の南ヨーロッパ。語り手は古い文献を求めてフィレンツェを目指す聖職者。古めかしい文体が物語の雰囲気を盛り上げている。
読み始めたら、物語の世界にどっぷりと浸かって、最後まで一気に読むべき作品である。

☆同じ作者の『一月物語』(新潮社)は、やはり古めかしい文体で語られる絢爛豪華で幻想的な物語です。上記の作品からも色彩が強く感じられますが、こちらはいっそう絵画的で、絵巻物を繙くような感じです。
この本は装丁もしゃれていて、ぜひ手許に置いておきたいと思いましたが、図書館から借りたものだったのでしかたなく(!?)返却しました。
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by nishinayuu | 2006-08-23 22:25 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『開幕ベルは華やかに』(有吉佐和子著、新潮社)

華やかな演劇界を舞台に、殺人事件が起こる。事件のまっただ中にいる劇作家からの強引な依頼によって、事件の解決に奔走することになるのは、劇作家のもと夫である推理小説作家。この男、不眠症という弱点はあるが、仕事が良くできる上にダンディで、グルメぶりも堂に入っている(だけど、もっと野菜を食べなくちゃあ!)。登場人物の中には実在の人物が反映されているものも多いようで、演劇界に詳しい読者ならそんなところも楽しめそう。

☆この本は神田の古本屋街を歩いていたときに、安さにつられて衝動買いしました。価格は100円だったか200円だったか忘れましたが、とにかくとってもお買い得な本でした。
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by nishinayuu | 2006-08-11 21:56 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『錆びる心』(桐野夏生著、文春文庫)

c0077412_2243910.jpg短編集。「虫卵の配列」「羊歯の庭」「ジェイソン」「月下の楽園」「ネオン」「錆びる心」の6作品がが収録されている。
「月下の楽園」はサキの作品に通じるものを感じさせる。他の作品もそれぞれ趣向が凝らされていて楽しめるが、精神的に弱っているときには読めないだろうという気がする。
これとほぼ同時に読んだ同じ作者の『天使に見捨てられた夜』(講談社)は、上記の作品とはがらりと趣向の違う推理小説。女探偵・松野ミロがかっこよすぎなくていい。血みどろの場面がないのもいい。

☆サキ(Saki 1870~1916)はスコットランドの作家。本名はHector.H.Munroといい、O.Henryと並び称される短編の名手。風刺の効いた、ブラックユーモア的な作風が特徴。
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by nishinayuu | 2006-08-10 22:36 | 読書ノート | Trackback(1) | Comments(0)

『光の帝国』(恩田陸著、集英社文庫)

c0077412_224222.jpg副題「常野物語」。膨大な書物を暗記する能力(『大きな引き出し』)、近い将来を見通す能力(『2つの茶碗』)など、特殊な能力を持ちながら、権力への志向を持たずにひっそりと生きる人々――遠野を連想させる架空の地・常世にルーツを持つ一族の物語。
いくつかの独立した短編で構成されており、話が細切れなため、常世の全体像が今ひとつつかみにくい。その点がやや物足りないが、文がなめらかで読みやすく、内容も爽やかなので、気持ちよく読める。

☆この著者はしばらく前までは性別不詳の作家の一人でしたね。「陸」というのは男の子の名前によくありますから。先日はテレビのクイズ番組で、北村薫の性別が問題になっていました。男女がはっきりしないペンネームを使うのは、作家の性別によって先入観を持って読むことはしないでほしい、という作家のメッセージなのでしょう。
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by nishinayuu | 2006-08-07 17:53 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『優しいサヨクのための喜遊曲』(島田雅彦著、福武文庫)

話題になっていた頃に読み損なった本。ただし、話題になっていた頃に読んでもあまり共感できなかったかもしれない。サヨクのせいではなく世代の違いのせいではないかと思う。少し上の世代の柴田翔『されど我らが日々』には共感できたのだけれど。ちなみに、島田雅彦が以前、土曜日の朝日新聞「be」に連載していた随想「快楽急行」はとても楽しい読み物だった。
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by nishinayuu | 2006-08-03 14:52 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)