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韓国ドラマノート-その9(2014.3.12作成)

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2013年3月から2014年2月末までに見終わったドラマを視聴順に並べました。
1行目:日本語タイトル、韓国語タイトル、放送局
2行目:キャスト 3、4行目:一言メモ

ロイヤルファミリー 로열패밀리 MBC
    チ・ソン、ヨム・ジョンア、キム・ヨンエ、チョン・ノミン
    チ・ソンは線が細すぎ。それに対して女性二人は強すぎて恐ろしい。
    チョン・ノミンは相変わらず「いい人」になっている~。
帝国の朝 제국의 아침 KBS
    キム・サンジュン、キム・フンギ、チョン・ヘジン、チョン・スンホ
    高麗の第4代の王・光宗を主人公とする歴史ドラマ。主役の演技がうま
    いので安心して見られる。
クリスマスに雪は降るの?  크리스마스에 눈이 올까요? 
    ハン・イェスル,コ・ス,ソン・ジョンホ,キム・スヒョン,チョ・ミンス
    子供の頃惹かれ合いながら別れてしまった二人が大人になって再会と
    いうよくある話。タイトルは「雪は降るかしら」の方がいいのでは?
太陽を抱く月 해를 픔은 달 MBC
    キム・スヒョン、ハン・ガイン、チョン・イル、キム・ミンソ
    完全にフィクションの時代劇。主役の二人が子供時代はかわいくてけな
    げ、成人後は美しくてけなげ。なかなかいいドラマでした!
女人天下 여인천하 SBS
    カン・スヨン、チョン・インファ、イ・ドクファ、パク・サンミン、
    150回という長編ドラマ。演技派俳優、大物俳優が競演していて飽きさ
    せない。チョン・インファは絶頂期の美しさ。
マイダス 마이더스 SBS
    チャン・ヒョク、キム・ヒエ、イ・ミンジョン、チョン・ホジン、
    Midasのように金にとりつかれた一族とそこに吸い寄せられ、翻弄され
    る人々を描いた作品。登場人物の大多数は不愉快な人間。
大丈夫、パパの娘だから 괜찮아, 아빠 딸 SBS
    ムン・チェウォン、パク・イナン、チェ・ジニョク、カンソン
    人がいいだけの父親と分別のない母親。ヒロインはわがままで幼稚。
    でもムン・チェウォンなので許せる。カンソンは大野くんのお兄さん?
ザ・ミュージカル 더 뮤지컬 SBS
    ク・ヘソン、チェ・ダニエル、パク・キウン、オク・ジュヒョン
    ク・ヘソンは声が貧弱すぎてミュージカル女優は無理でしょ。歌でも演
    技でもオク・ジュヒョンに完全に食われている。
レディ・プレジデント 대물(大物)
    コ・ヒョンジョン、クォン・サンウ、チャ・インピョ、イ・ジェヨン
    コ・ヒョンジョンの作品は、砂時計は一部だけだが他は全部見ている。
    彼女をはじめとして大物俳優のオンパレードで見がいがある。
根の深い木 뿌리 깊은 나무 SBS
    ハン・ソッキュ、チャン・ヒョク、シン・セギョン、ユン・ジェムン
    「大王世宗」と並行視聴していたら、登場人物も役者もごちゃごちゃに
    なったよ~ん。
大王世宗 대왕 세종 KBS
    キム・サンギョン、パク・サンミン、チョ・ソンハ、キム・ガプス
    パク・サンミン(譲寧大君)は齢も体重も倍になった感じの大野くん。
    途中で消えたが55話で再登場。冒頭に流れる「訓民正音」朗誦がいい。
明日に向かってハイキック 지붕 뚫고 하이킥 MBC
    シン・セギョン、ユン・シユン、チェ・ダニエル、ファン・ジョン
    ウム、イ・スンジェ、チョン・ボソク、ソ・シネ、チン・ジヒなど
    品のない社長はいただけないが、全員が思いきり弾けていて楽しい。
    特に副社長(チョン・ボソク)とその娘(チン・ジヒ)が傑作。
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by nishinayuu | 2014-03-28 21:00 | 映画・ドラマ | Trackback | Comments(1)

『畏れ慄いて』(アメリー・ノートン著、藤田真利子訳、作品社)


c0077412_17435313.jpg『Stupeur et Tremblements』(Amélie Nothomb, 1999)
『殺人者の健康法』の作者による9番目の作品。舞台はヨーロッパ人にとっては謎の国である日本で、語り手は若いベルギー女性のアメリーくん。世界でも指折りの大企業であるユミモト商事に契約社員として採用された「わたし」は1990年1月8日、張り切って出社する。まず出会ったのは50代くらいの貧相で醜い日本人男性、サイトーさんだった。サイトーさんの上には副社長のオーモチ氏、そのまた上には社長のハネダさんがいて、サイトーさんの下にはモリさんというすらりとした日本女性がいた。「わたし」の直属の上司であるモリさんはうっとりするほど優雅で、神々しい顔の輝きと知性にあふれた声の響きを持つ美しい日本女性だった。日本のカイシャで働くのがユメだった「わたし」は、モリさんの真向かいにある自分の席で彼女の美しい顔を眺めながら過ごした最初の日を、すばらしい一日だったと感じた。しかしこのとき「わたし」はまだ、自分の採用理由になった能力が全く発揮できない日々が待ち構えていることことに、全く気づいていなかったのだった。
英文の手紙を書く仕事、来客にコーヒーを出す仕事、コピーをとる仕事など、命じられた仕事はことごとく相手の意に染まず、郵便物の配布、カレンダーめくりなど自分で考えて取り組んだ仕事もことごとく否定される。そんな「わたし」を見かねてテンシさんが、「わたし」の能力が発揮できる仕事を与えてくれ、達成感を味あわせてくれたのだが、それが「わたし」を徹底的に追い込むことになる。テンシさんのしたことはカイシャの秩序を乱すことだったのだ。そのことをオーモチ氏に告げたのは、なんと「わたし」が憧れ、尊敬していたモリさんだった。このことがあってからモリさんの「わたし」への嫌がらせはどんどんエスカレートしていく。配置転換に次ぐ配置転換の末に「わたし」がたどり着いた仕事は……。

これは作者が実体験を基にして、日本のカイシャという組織とそこにがんじがらめになっている日本人たちを思い切り戯画化して笑い飛ばした作品である。「わたし」であるアメリーくんのしたたかさに思い至らずに、このような作品のネタを提供してしまった面々には同情を禁じ得ない。なおタイトルは、本文中の次のくだりからきている。

昔の日本の公式儀典では、天皇陛下に対しては、「怖れ慄いて」拝謁することが定められていた。わたしはこの言葉が大好きだった。サムライ映画の中でもそのようなシーンがよく登場する。(中略)わたしもフブキ(モリさんの名前)に、畏れいった表情で、激しい恐怖に慄きながらたどたどしく言った。「ゴミ集めの仕事くらいなら、(わたしでも)できると思いますか?」
(2013.12.25読了)
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by nishinayuu | 2014-03-24 17:44 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『週末』(ベルンハルト・シュリンク著、松永美穂訳、新潮クレストブックス)


c0077412_1515418.jpg『Das Wochenende』(Bernhard Schlink, 2008)
本書は『朗読者』と『帰郷者』の作家シュリンクによる3作目の長編。田舎の広大な屋敷を舞台に、そこで緊迫した三日間を過ごすことになった十数人の人々の人間模様を綴った物語である。登場人物をほぼ登場順にあげると以下のようになる。
クリスティアーネ:屋敷の持ち主。恩赦で釈放された弟の再出発を願って人々を屋敷に呼び集める。
イェルク:クリスティアーネの弟で元赤軍派のメンバー。殺人罪で23年服役していた。
ヘナー:ジャーナリスト。イェルクの学生時代の友人で、彼の姉に失恋したことが心の傷になっている。
イルゼ:学校教師。イェルクの学生時代の友人。友人ヤンのもう一つの人生を想定した小説を執筆中。
マルガレーテ:クリスティアーネの友人で屋敷の共同所有者。翻訳家。
ウルリッヒ:デンタルラボのオーナー。イェルクの学生時代の友人。
インゲボルク:ウルリッヒの妻。
ドーレ:ウルリッヒの娘。大柄で露出の多い服装をしている。
カリン:牧師で小さな州教会の主教。イェルクの学生時代の友人。
エーバーハルト:カリンの夫。カリンよりずっと年上の穏やかな紳士。
アンドレアス:イェルクの弁護士。
マルコ・ハーン:イェルクが再び活動家として生きることを期待している若者。
フェルディナンド:庭をうろついていた謎の若者。集いに招き入れられ、重要な役割を果たすことになる。

これらの人々に注がれる作者の温かい目と人間全般への信頼が感じられる、読後感のさわやかな作品である。(2013.12.24読了)
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by nishinayuu | 2014-03-20 15:16 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)

『殺人者の健康法』(アメリー・ノートン著、柴田都志子訳、文藝春秋)

c0077412_15104080.jpg『Hygiène de l’assassin』(Amélie Nothomb, 1992)
チューブな形而上学』の作者による第1作。丁々発止の会話で進行し、才気と辛辣さにあふれるこの作品の作者が、執筆当時25歳だったとは!パリで出版されると同時にセンセーショナルな話題を呼んでベストセラーになり、複数の賞を獲得したというのもうなずける。


時は湾岸戦争の勃発前夜の1991年1月。ノーベル文学賞作家として世界的に有名な83歳のプレテクスタ・タシュは難病のエルゼンヴェイヴェルプラーツ症候群を患っている。一般的には「軟骨癌」と呼ばれ、19世紀に「強姦殺人罪」で投獄されていた十数人の囚人に発見されただけでその後の発症例がない、という珍しい病気である。タシュの死期が2ヶ月後に迫っていることが世間に知れ渡ると、単独インタビューの申し込みが世界中のジャーナリストから殺到する。こうしてタシュ氏は亡くなる2ヶ月前に、自分の文名の高さを見定めることができたのである。
さて、タシュの秘書によって厳選された記者たちが毎朝一人ずつ訪れるが、誰も彼もがタシュにめった切りにされて逃げ帰ることになる。記者たちもそれぞれそうとうなツワモノなのだが、タシュのほうがずっとウワテだったのだ。ところがある朝、若手の女性記者ニーナが現れると事態は一変する。タシュの全22作を細部まで読みこんで分析してきた彼女が、ぐんぐんタシュを追い詰めていくのだ。物語は次第にミステリーのような展開を見せて、タシュの異常な肥満や難病発症の因って来たるところに迫っていく。(2013.12.17読了)

☆ふーん、そうなんだ-その1――「豚に真珠」はラテン語で「マルガリタス・アンテ・ポルコス」という。
ふーん、そうなんだ-その2――タシュの生まれたのは2月24日、聖プレテクスタの祭日だった。
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by nishinayuu | 2014-03-16 10:27 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)

『孤独な天使たち』(ニッコロ・アンマニーティ著、中山エツコ訳、河出書房新社)


c0077412_1528795.jpg『Io e Te』(Niccolò Ammaniti, 2010)
タイトルの意味は「ぼくときみ」。2000年の時点で14歳だったロレンツォが「ぼく」であり、23歳だった異母姉のオリヴィアが「きみ」である。
ローマの閑静な住宅街に住むロレンツォは、友人との交流の仕方がわからないため、学校ではいつも居心地の悪い思いをしていた。いじめや仲間はずれを避けるために「擬態」を使って仲間に紛れることを覚え、中学まではそれで何とかうまくいった。ところが進学校の高校に入ると「擬態」テクニックはうまく機能しなかった。攻撃的で活発な群れの中では、おとなしくて口をきかないロレンツォはからかいやいじめの対象になった。そんなある日、テレビでハチの模倣をして生きるハエを見たロレンツォは、これだ、と思う。いちばん危険なやつを模倣すれば生き残れるのだ。こうしてロレンツォは大勢の中におとなしく紛れることはやめて、いちばん目立つ強いグループのまねをすることで何とか切り抜けてきた。ところがある日、本気でそのグループに入りたいという思いに駆られたことから、とんでもない状態に自分を追い込んでしまう。一番目だっているグループからスキー旅行に誘われたと、つい母親に嘘をついてしまったのだ。母親が涙を流して喜ぶ姿を見て、嘘をつき通すしかなくなったロレンツォは、数日分の籠城の支度を調えて、地下の物置に身を隠す。と、その隠れ家に、突然異母姉のオリヴィアが現れる。小さいときに別れたきりだったオリヴィアは、麻薬中毒にかかって苦しんでいた。こうしてロレンツォは必死で身を隠しつつオリヴィアと戦い、一緒に苦しむというとんでもない数日を過ごすことになる。
これは「ぼくときみ」の成長物語ではあるが、「きみとぼく」ではないところがミソである。「ぼく」は確かに成長したようだが、果たして「きみ」はどうだったのだろうか。(2013.12.10読了)
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by nishinayuu | 2014-03-13 15:29 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

黒ひめ-その3(『古事記』仁徳天皇-その3)

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☆『古事記』仁徳天皇 黒ひめ-その2の続きです。



천황이 궁궐로 돌아갈 때 쿠로-히메는 다음같은 노래를 진상했단다.

야마토쪽을 향해 서풍이 불고 구름이 흩어지네, 그렇지마는 님향한 일편단심 가실줄이 있으랴

또 노래하기를,

야마토로 떠나는 그 사람은 누구의 남편이 되는 이오 땅속의 흐름처럼 숨어서 멀어지는 그 사람은 누구의 남편이 되는 이오


天皇が都に上るとき、黒ひめは次のような歌をさし上げた。

倭方に 西風吹き上げて 雲離れ そきをりとも 我忘れめや
(やまとへに にしふきあげて くもばなれ そきをりとも われわすれめや――倭に向かって西風が吹いて雲がちりぢりになる、そのように離ればなれになっても私があなたを忘れたりすることがありましょうか)

さらにこう歌った。

倭方に往くは誰が夫 隠り津の 下よ延へつつ 往くは誰が夫
(やまとへに ゆくはただつま こもりづの したよはへつつ ゆくはたがつま――倭の方へ行くのは誰の夫でしょう。隠れ沢の水のように隠れ隠れ遠ざかっていくのは誰の夫でしょう)
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by nishinayuu | 2014-03-08 14:58 | 再話 | Trackback | Comments(0)

耳ラッパ――幻の聖杯物語』(レオノーラ・キャリントン著、野中雅代訳、工作舎)


c0077412_13432960.jpg『The Hearing Trumpet』(Leonora Carrington)
「耳ラッパ」というのは、大きく曲がったバッファローの角の形をした音声拡大器、つまり補聴器である。語り手は92歳のマリアン・レザビー。故国のイギリスを離れて、メキシコに50年近くも住みついている。15年ほど前から息子の家族と同居し、家族の邪魔にならないようにせいぜい気をつけながら、自分なりの楽しみを見つけて暮らしている。耳はよく聞こえないけれども日常生活には何の支障もなかった。そんなマリアンにある日、親友のカルメラが「耳ラッパ」をプレゼントしてくれた。「これであなたの人生は変わるわ」と言って。果たして、マリアンの人生はがらりと変わることになる。息子一家がマリアンを老人施設に入れる相談をしていたのだ。
こうしてマリアンは中世の城のような雰囲気の老人施設で集団生活を送ることになる。そこでマリアンが出会ったのは施設長のガンビット博士とガンビット夫人、そして以下の8人の老婆たち。
ヴェロニカ・アダムズ――最年長の99歳。昔は画家で、目が見えない今も水彩画を描き続けている。
クリスタベル・バーンズ――有名な化学者を父に持つ、もの静かな黒人女性。
ヒョルヒーナ・サイクス――長身で服装は粋で、言動は大胆不敵。
ナターチャ・ゴンザレス――インディオの血が混じる。時に幻視の発作に襲われる。
クロード・ラ・シュシュレル――フランス人で侯爵夫人。
モード・ウイルキンズ――いちばん女らしい「老婆」だったが実は…。
ヴェラ・ヴァン・トホト――威厳がある。太りすぎで顔が両肩幅ほどあり、顔の中央に狡猾そうな目がある。
アナ・ヴェルツ――常に何かをしゃべっているが、耳を傾けるものは誰もいない。
物語は、かねがねカルメラと、7歳以上70歳以下の人間は信用できない、と語り合っていたマリアンの、70歳以上100歳未満の(70歳はどっちなのか、と突っ込みたくなりますが)したたかな老婆たちとの奇妙で可笑しい日常生活を描き、やがて奇想天外な冒険物語へと展開していく。

著者は1917年イギリスに生まれ、パリで出会ったエルンストに「風の花嫁」とたたえられた女性。後にメキシコに渡って画家、彫刻家、作家としても活躍している。本書は著者の線画を挿絵として取り入れ、表紙には著者の絵のイメージ画をあしらったしゃれた作りの一冊となっている。(2013.12.8読了)
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by nishinayuu | 2014-03-04 13:44 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)