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ㅎで始まる植物の名前


c0077412_238059.jpg植物の名前を韓国語を見出し語にして並べました。
韓国語名、和名、英語名の順になっています。
(英名なし)の表記があるものは英語名がないことが明らかなもので、英語名があるかないか確認できていないものは空欄にしてあります。

하늘지기 てんつき 天突 forked fringerush 
하늘타리 からすうり 烏瓜 snake gourd
할미꽃 おきなぐさ 翁草 pasque flower/nodding anemone 
함박꽃나무 おおやまれんげ 大山蓮華 Siebold's magnolia 
해국 だるまぎく 達磨菊 (英名なし) 
해당화 はまなす 浜梨/かいどう 海棠 flowering crab apple 
향나무 いぶき 伊吹 (juniper) 
헤너 ヘナ henna 
헬리오트로프 ヘリオトロープ heliotrope 
협죽도 きょうちくとう 夾竹桃 oleander 
호두나무 くるみ 胡桃 walnut tree
호랑가시나무 ひいらぎ 柊 holly tree
호밀 らいむぎ ライ麦 rye 
호박 かぼちゃ 南瓜 pumpkin
홀아비꽃대 ひとりしずか 一人靜 (英名なし) 
홉 ホップ hop 
환삼덩굴 かなむぐら 金葎 
황로/거먕옻나무 はぜのき 櫨の木 Japanese wax tree
황매화 やまぶき 山吹 kerria
황벽나무 きはだ 黄檗 phellodendron bark 
회양목 つげ 柘植 boxwood
회화나무 えんじゅ 槐 pagoda tree 
후박나무 ほおのき 朴の木 Japanese white bark magnolia 
후피향나무 もっこく 木斛 theaceae(通称) 
흑삼릉 みくり 実栗 bur reed 
히스 ヒース heath/erica 
히아신스 ヒヤシンス hyacinth
히코리 ヒッコリー hickory/pecan 
히페리쿰 ヒペリカム hypericum
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by nishinayuu | 2013-02-26 23:08 | 覚え書き | Trackback | Comments(1)

『ルイーゼの星』(カーレン・スーザン・フェッセル著、オルセン昌子訳、救龍堂)


c0077412_11372970.jpg『Ein Stern namens Mama』(Karen-Susan Fessel)
闘病ものは原則として読まないことにしているのだが、本が手に入ったためつい読んでしまった。やはり人が死に向かっていく話は読んでいてつらいし、ましてそれが幼い二人の子どもを残していく母親であり、語り手が11歳の少女、とくるのでたまらない。けれどもこの母親が実に人間的に素晴らしい人物に描かれていて、その生き方を最後まで見たいという気持ちにさせられる。結局母親は、残される夫にも子どもたちにも生きる勇気を与えて旅立っていく。
原書はプロイセン海運財団による青少年向け文学作家奨励金を受けて執筆され、児童書として出版されたものだが、大人の読者にも読んでもらいたいので一般文芸書として刊行してもらった、と訳者のあとがきにある。一般文芸書として出したのは正解で、大人にも読んでもらいたい本というより、大人が読むのにふさわしい本である(言い換えれば、自分が語り手と同じ年頃の子どもだったら、つらくて読めないと思う)。小さい子どもをもつ夫婦の片方が死の病に冒されたとき、夫婦としてどう支え合うか、子どもの心と体をどう守っていくかについて、いろいろ考えさせ、示唆を与えてくれる作品である。ママの友人で家族も同然のヤンニというホモの男性、そのヤンニが特別の関係になってしまう看護士のマヌエル、ベッキィ(語り手ルイーゼの友だち)のママなど、家族を支える友人たちの存在も大きく、周囲の人びととよい関係を築いておくことの大切さも教えてくれる。
11歳の少女と5歳の少年のそれぞれの年齢にふさわしい健気で愛らしい姿と、時にはくじけそうになりながらも夫として、親としてしだいに成長していく父親の姿が、温かい筆で丁寧に描きだされているのもいい。(2012.12.22読了)
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by nishinayuu | 2013-02-23 11:38 | 読書ノート | Trackback | Comments(2)

『カノン』(篠田節子著、文藝春秋社)


c0077412_14121100.jpg幻のヴァイオリン』の解説で、共通するものがあるとして勧められていた作品のひとつ。ヴァイオリンを弾く男が幽霊になって主人公の前に現れる、という点は確かに共通する。けれども『幻のヴァイオリン』の幽霊が圧倒的な存在感のある華やかな人物だったのに比べると、こちらの幽霊はいかにも幽霊らしく影の薄い見栄えもしない人物である。実に日本的な、「うらめしや」的な幽霊なのだ。共通点といえるのは、ヴァイオリニストが幽霊になっている点と、ヒロインの容姿があまりぱっとしないという点だろうか。ただしこちらのヒロインは、若い頃は人目を引くとびきりの美人だったということになっている。
ヒロインの瑞穂は教員養成大学で学び、チェロ奏者になる夢をあきらめて小学校の音楽教師をしている。学生時代の一夏、ヴァイオリンの香西康臣、ピアノの小田嶋正寛と三人で合宿練習をしたことがあった。康臣のヴァイオリンには常人とは異なる抜群の音楽性があり、瑞穂のチェロとよく響き合ったが、その響き合いは演奏しているあいだだけのものだった。康臣は他人とうまく交流できない人間だったが、瑞穂とだけは音楽で語り合うことができたのだ。もう一人の正寛は康臣の高校時代からの知り合いで、音楽性はなかったが理詰めに丹念に練習して、短期間でピアノパートをなんとか弾きこなした。ただしこのトリオは合宿練習をしただけで終わり、三人はそれぞれの秘密――瑞穂と康臣の、康臣と正寛の、正寛と瑞穂の――を抱えたまま別れた。それぞれ別の人生を歩んで20年もたったある日、正寛から康臣の訃報がもたらされ、葬儀にいっしょに行くことになったが、正寛がドタキャンしたため瑞穂は一人で松本に行く。そして瑞穂は康臣の弟から、康臣が瑞穂に残した「遺品」を渡される。それはなんとも奇妙な音の流れが録音されたカセット・テープだった。音は確かに康臣のものだったが、メロディーがつかめないうえに、テープを止めても音が流れ続けたり、他のテープに勝手にダビングされていたり、さらにはその音とともに康臣の亡霊が現れたり、という怪奇現象が続く。康臣は20年も交流のなかった瑞穂に何のためにこんな「遺品」を残したのだろうか。

一言でいえば、音楽的蘊蓄小説である。カノン、フーガなどの用語解説からさまざまな曲、作曲家、演奏家、演奏の技法など、素人としては目眩を覚えるような音楽の世界が繰り広げられ、それだけでも読み応えはある。康臣があの世に辿り着けずに彷徨っている現象やら、カセット・テープに残された音の録音の方法やら、不必要に説明的で理屈っぽい叙述が多くて感興が削がれるが、結末は感動的である。(2012.12.19読了)
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by nishinayuu | 2013-02-20 14:03 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『マエストロ』(篠田節子著、角川書店)

c0077412_1034526.jpg普通、ヴァイオリニストは楽器が傷むという理由から、ネックレスはつけないのだが、神野瑞穂はダイヤのチョーカーをつけて舞台に立つ。なぜなら瑞穂は、株式会社ロイヤルダイヤモンドの副社長・石橋俊介に贅沢な生活を保障され、会社の広告塔となっているからだ。もって生まれた美貌と、クレモナの名器、ピエトロ・ガルネリが奏でる華麗な音楽、そして輝くダイヤが人びとを魅了する。しかし瑞穂は、イメージだけが一人歩きしていて、実際は自分が非力なことを承知している。なにしろ、10年前の国内コンクールで3位入賞したに過ぎないのだから。特にベートーヴェンを弾く段になると瑞穂は不安に苛まれる。
劇的で、奇矯で、グロテスク。瑞穂は、ベートーヴェンを呪う。素人のテクニックは速さで評価されるが、プロの技量は強弱に関わる微妙なニュアンスではかられる。デリケートな音程も、すすり泣くようなピアニシモも瑞穂は弾きこなすが、「強く、もっと強く」と要求しつつ、そこにさまざまなドラマと微妙なニュアンスを要求するベートーヴェンのスフォルツァンドにはついていかれない。
瑞穂がピエトロ・ガルネリの音がおかしいと思ったとき、その楽器を世話した楽器店の柄沢もそのことに気づいて、瑞穂に一人の職人を紹介してくれた。都営住宅に住んではいるが、腕には定評があり、称号なきマイスターとさえ言われているという「保坂のじいさん」である。保坂は修理には6ヶ月かかるので、その間はこれを使ってください、と押し入れから一挺のヴァイオリンを取り出す。瑞穂の苦手なベートーヴェンには向かないが、コレルリにはぴったりの柔らかい音色の楽器だった。もし売るとしたら6000万だというその楽器は、実は保坂が楽器製作人生の締めくくりとして、瑞穂のために作ったものだった。6ヶ月後に自分の楽器を受け取った瑞穂は、借りていた楽器も買い取りたいと申し出る。まさに自分のためにある楽器だと感じたからだ。ところがヨーロッパのオールドヴァイオリンだと思いこんでいたその楽器が、実は保坂の製作したものだと知ったとたん、瑞穂はなんとも理不尽な怒りを覚え、「そんなもの、私は弾くつもりはありません」と言い残して保坂のもとを立ち去る。瑞穂と保坂との繋がりはこれですっぱり切れたはずだったのだが……。

この作品は、演奏家とスポンサー、演奏家を目指す若者と指導者、楽器制作者と販売会社の社員、などが織りなす人間模様をミステリータッチで描いたものである。が、読んでいる最中の印象からも、読み終わったあとの印象からも、ミステリーというより音楽系蘊蓄小説、あるいは蘊蓄系音楽小説と呼びたくなる作品である。(いろいろお勉強になりました。)(2012.12.16読了)
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by nishinayuu | 2013-02-17 10:35 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『あらゆる名前』(ジョゼ・サラマーゴ著、星野祐子訳、彩流社)


c0077412_1434393.jpg『Todos os Nomes』(José Saramago)
著者はポルトガルを代表する作家で、1998年にノーベル文学賞を受賞。10冊目の長編小説である本書は、1997年にリスボンのカミーニュ社から刊行されたもの。
主人公のジョゼ氏は戸籍管理局の補佐官である。戸籍管理局は古紙の臭気に包まれている。新たに産声を上げる男女の届け出用紙が毎日持ち込まれるが、この臭いは変わらない。「その第一の理由は、新製紙は工場から出荷される時点から古くなりはじめるためであり、第二の理由としては、慣例的に古い紙のほうに死因、死亡場所、死亡日時などが毎日のように書き込まれるためである、(後略)」
戸籍管理局の扉を開けると、そこは長方形の大部屋で、長いカウンターが両端の壁をつないで、一般客が訪れる場所と職員が働く場所を区分している。カウンターの内側は職制の順位に従って、一列目に一般客の応対をする8人の補佐官の席、その後ろに4人の係長の席、次に2人の課長の席、最後に局長の席(当然ひとつだけ)がある。その後ろは死者の書類が無秩序に蓄積されている暗闇の世界だ。調べ物のために入った紋章学者が一週間後に瀕死の状態で発見されるという事件があったあと、死者の書庫に入る際はアリアドネの糸を付けること、という職務規程が局長によって通告された。
いちばん下っ端の職員・補佐官であるジョゼ氏は、職場とドア一つでつながった部屋に住んでいる。以前は建物の壁に沿ってそういう職員用の部屋が複数あったのだが、区画整理のために取り壊されて、区画整理に関わりのなかったジョゼ氏の部屋だけが残ったのだ。つまり、ジョゼ氏がそこに住み続けているのは何らかの特権のためではないのであって、その証拠にジョゼ氏は現在は職場との境のドアを使う事を禁止されている。だからジョゼ氏は他の人と同じように、家から一度外に出て管理局の正面玄関から職場に入っていく。独り者で生活もぎりぎりのジョゼ氏の唯一の楽しみは、有名人の記事や写真が載っている新聞や雑誌の切り抜きを集めることだ。そしてある時ふと、自分のコレクションに根本的欠陥――有名人たちの出生、家系、先祖生まれた場所――などの記録がないことに気がついたジョゼ氏は、夜中に職場とつながるドアを開き、死者の書庫から書類を抜き出して書き写し始める。小心者のジョゼ氏の大冒険はほぼ2週間で終わるはずだったのだが、有名人の書類を抜き出すときに、間違ってもう一枚、ある女性の書類をいっしょに家に持ってきてしまったことから、ジョゼ氏はその女性について調べずにはいられなくなる。こうしてジョゼ氏の職権乱用、職務怠慢はエスカレートし、生活は乱れていき……。

仰々しくて回りくどい描写に、改行が極端に少なく、会話部分も読点だけで延々と続いていく、という取っつきにくい文体である。主人公の妄想までほかの部分との区別なしに書き連ねてあるので、読みにくいことこの上ない。ところが、読んでいるうちにこの風変わりな文体に快感を覚えるようになる。まじめそうなのだけが取り柄に見えた主人公がどんどん暴走するのにも、こうなったら最後までつき合おう、という気になる。最後までつき合う価値のある、心に残る作品である。(2012.12.14読了)
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by nishinayuu | 2013-02-14 14:34 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)

映画鑑賞ノート15 (2012.12.31作成)

c0077412_13562379.jpg2012年下半期に見た映画の覚え書きです。
1行目:タイトル(原題)制作年・制作国 監督(鑑賞日)2行目:キャスト 3行目:一言メモ



人生に乾杯!(Konyec)2007ハンガリー ガーボル・ロホニ(7.21)
    エミル・ケレシュ、テリ・フェルディ、ウディト・シェル
    老夫婦が銀行強盗に走るという哀しくて可笑しいお話。
ボー・ジェスト(Beau Geste)1939米国 ウィリアム・ウェルマン(7.23)
    ゲーリー・クーパー、レイ・ミランド、ロバート・プレストン
    結束が固かった3兄弟がわけあってそろって外人部隊に入隊。
アンナ・カレーニナ 1997英・米 バーナード・ローズ(7.28)
    ソフィー・マルソー、ショーン・ビーン、ミア・カーシュナー
    ロシアの風景は素晴らしいが、台詞が英語で雰囲気はだいなし。
うみ・そら・さんごのいいつたえ 1991日本 椎名誠(8.12)
    余貴美子、本名陽子、中本昌司、平良トミ
    強烈な太陽の下で逞しく生きる人々を描いたヒューマンドラマ。
エリン・ブロコビッチ(Erin Brockovich) 2000米 S・ソダーバーグ(8.13)
    ジュリア・ロバーツ、アルバート・フィニー、アーロン・エッカート
    学歴なし、キャリアなしのシングルマザーが偉業を成し遂げる!
デンジャラス・ビューティ(Miss Congeniality)2001米 D・ペトリ(8.18)
    サンドラ・ブロック、マイケル・ケイン、ベンジャミン・ブラット
    顔に険があるサンドラ・ブロックはミスキャストでは?
ハロー・アゲイン(Hello Again)1989米 フランク・ベリー(8.19)
    シェリー・ロング、ジュディス・アイヴィ、ガブリエル・バーン
    話はばかばかしいが、登場人物が美男美女ぞろいなので楽しめる。
パッセンジャーズ(Passengers)2008米 ロドリゴ・ガルシア(8.19)
    アン・ハサウェイ、パトリック・ウィルソン
    飛行機事故後の乗客とセラピスト。本当に治療が必要だったのは…。
ザスーラ(Zathura)2005米 ジョン・ファヴロー(8.30)
    ジョッシュ・ハッチャーソン,ジョナ・ボボ,ダックス・シェパード
    しっかり教訓を盛り込んだ子ども向けSFパニック・アドベンチャー。
僕たちはバンドゥビ(반두비)2009韓国 シン・ドンイル(9.8)
    マブブ・アラム・ポロブ,ペク・チニ,イ・イルファ,キム・ジェロク
    バングラデシュの出稼ぎ労働者と女子高生の交流を描く社会派映画。
弾丸を噛め(Bite the Bullet)1975米 リチャード・ブルックス(9.10)
    J・ハックマン、ジェームズ・コバーン、キャンディス・バーゲン
    過酷な西部横断レースを描いた迫力の西部劇。ハックマンが儲け役。
ソルト(Salt)2010米 フィリップ・ノイス(9.14)
    アンジェリーナ・ジョリー、リーヴ・シュレイバー
    ストーリーもアクションも非現実的。終わり方は続編を期待させる。
麦の穂を揺らす風(Wind That Shakes the Barley)2006
    英独伊西 ケン・ローチ(9.29)
    K・マーフィ、B・ディレーニー、オーラ・フィッツジェラルド
    英愛条約をめぐって敵対していく兄弟。多くの若い命が惜しまれる。
馬鹿まる出し 1964日本 山田洋次(10.14)
    ハナ肇&クレージー・キャッツの面々、桑野みゆき
    ご新造さんが尋常でない美しさ。安が一途になるのが納得できる。
River Runs Through It 1992米 ロバート・レッドフォード(10.20)
    ブラッド・ピット、クレイグ・シェイファー、トム・スケリット
    川釣りが繋ぐ父・長男・次男の物語。原作は『マクリーンの川』。
フレンチ・コネクション2(French Connection)1975米 
    J.フランケンハイマー(10.30)
    ジーン・ハックマン,ベルナール・フレッソン,フェルナンド・レイ
    ドックの水中からの脱出が圧巻。マルセイユの風光も楽しめる。
飛べペンギン(날아라 펜귄)2009韓国 林順禮(イム・スルレ)(11.11)
    ムン・ソリ、ソンビョンホ、パク・イナン、チョン・ヘソン
    いろいろな問題が未解決のまま、みんなで踊ってお終い(?)
ル・アーヴルの靴みがき 2011フィンランド・独 カウリスマキ(11.24)
    A・ウィルム、K・オウティネン、ジャン=ピエール・ダルッサン
    主人公と人々の善意が不法移民少年を救い、妻も奇跡的に癒えて。
幸せの1ページ(Nim’s Island)2008米 J・フラケット(11.25)
    アビゲイル・ブレスリン、ジョディ・フォスター、G・バトラー
    子ども向け冒険映画。原作はW・オルーの『秘密の島のニム』。
縛り首の木(The Hanging Tree)1959米 デルマー・デイヴス(11.27)
    ゲーリー・クーパー、マリア・シャル
    主題歌が懐かしい。かっこよすぎる男もクーパーだと許せる。
지금 이대로가 좋아요 2008韓国 プ・ジヨン(11.29)
    コン・ヒョジン、シン・ミナ、パク・ヒョナ、ムン・ジェウォン
    自分を捨てたと思っていた父親が実はずっと傍にいた!
ウォータ・ホース(Water Horse)2007米 ジェイ・ラッセル(12.15)
    エミリー・ワトソン、アレックス・エテル、ベン・チャプリン
    戦地から戻らない父を待つ少年と湖の怪獣の物語。
すばらしき哉、人生(It’s a Wonderful Life)1946米 
    フランク・キャプラ(12.20)
    J・スチュアート、ドナ・リード、ライオネル・バリモア
    米映画協会選の「感動映画ベスト100」の1位だそうだ。納得。
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by nishinayuu | 2013-02-11 14:03 | 映画・ドラマ | Trackback | Comments(1)

『パンツの面目ふんどしの沽券』(米原万里著、筑摩書房)

c0077412_1113094.jpg痛快なエッセイの名手、米原万里によるなんとも大胆なタイトルのエッセイ。「ちくま」に2001年8月号から2003年7月号まで連載したものを手直しして単行本としたこと、その手直しの作業が悪性の癌との戦いの中で思うようにはできなかったこと、などがあとがきに記されている。いつもの「威勢のよさ」が感じられないような気がしたが、後書きを読んで納得した。
といっても決してつまらないわけではなく、いろいろな知識、情報が満載の楽しくてためになる読み物である。例えば、ソ連時代の人びとは用便の後、紙を使わずそのままズボンをあげていたこと、下着を着けていない兵士たちのルパシカの裾が黄ばんでいたこと、工場生産の下着というものがなかったソ連の女性たちはショーツを手作りしていたこと、ポーランド製のレースつきのパンツや中国製の「友誼」印のパンツが貴重品だったことなどが、自他の体験談や各種の記録とともに紹介される。なんと手作りショーツの型紙まで添えられている。このように日本と東欧圏のトイレ文化の違いやパンツ・ズロース談義がしばらく続いたあと、明治期に日本を訪れたモースやビゴーが「ふんどし姿の男」の写真や絵をたくさん残しているという話から、男と女の下着の違い、もしくは類似へと話題が展開していく。
著者の始めのもくろみでは、パンツはグローバルなものでふんどしはナショナルな価値を持つもの、ということになるはずだった。ところが連載を続けるうちに、読者からの体験談やら専門家からの資料提供やらもあって、どうやらパンツよりもふんどしのほうがグローバルなものだったことが判明したという。話はさらに発展して、ヨーロッパ文化圏には「男はズボン、女はスカート」という固定観念が頑強に残っているが、この棲み分けが始まるのはごく最近のことであり、実に長い間、男女の下半身を覆う衣は同じ形状(スカート型)だったこともさまざまな例証とともに詳述されている。(2012.12.9読了)
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by nishinayuu | 2013-02-08 11:13 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『ひかりのあめ』(フランチェスカ・リア・ブロック著、金原瑞人・田中亜希子訳、主婦の友社)


c0077412_145444.jpg『Wasteland』(Francesca Lia Block)
著者はウィーツィ・バット ブックスなどのヤングアダルト小説の名手で、ロサンゼルス在住。
この作品はロサンゼルスのヴァレー地区に住むレックスとマリーナという兄妹を主人公に据えて、愛の幸福と葛藤、喪失と再生を描いたものである。
原題はT.S.エリオットの詩『荒地』から取られており、訳者によると作中の随所にエリオットの詩から取られた語句が嵌め込まれているという。ただし、それらの語句には気づかなくても読み進めることはできる。それよりも、のっけから何かを象徴するような、あるいは暗示するような話者不明の一節をつきつけられ、そのあとも話者や視点がくるくる入れ替わって何かをつぶやく、という形式に、はじめは戸惑う。なんとかこの形になれて、状況もつかめてきたあたりで、今度は話の内容が何か怪しい雰囲気になっていくので、またまた戸惑うことになる。ところがもう一人の主人公ウェストが現れたあたりから戸惑いはすっと消え、若者たちの心の痛みが手にとるように見えてくる。読後感も清々しい。
要するにこの作品は、タイトルだけでなく形式も『荒地』を念頭に置いて書かれた長編詩のような小説、と考えるとわかりやすい。実は話者の交代も、きちんと区別できるように、レックスの語っている部分は太字のゴシック体になっている(翻訳書では)。ただし一箇所、レックスのことばではないけれど太字のゴシック体になっている部分がある。これはペリクリーズの娘マリーナの生還を詠ったT.S.エリオットの詩「マリーナ」で、『ひかりのあめ』のマリーナの再生を暗示・予告する形になっている。(2012.12.5読了)
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by nishinayuu | 2013-02-05 14:55 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『めぐりめぐる月』(シャロン・クリーチ著、もきかずこ訳、講談社)


c0077412_9514888.jpg『Walk Two Moons』(Sharon Creech)
著者はオハイオ生まれで現在は英国サリー州に在住。この作品で1994年度のニューベリー賞を受賞している。
語り手は13歳のサラマンカ。母方からインディアン(彼女も母親も先住民ということばには違和感をおぼえている)の血を引いている。ケンタッキーの自然が溢れる田舎町バイバンクスで育ったが、母親が突然家を出てしまったあと、父親に連れられてオハイオ州ユークリッドに転居してきた。そこで父はマーガレットさんという派手な赤毛の女性と親しく付き合い、サラマンカはマーガレットさんの家の隣に住む、恐るべき想像力の持ち主、フィービィ・ウィンターボトムと親しくなる。
オハイオに来てから1年たった頃、父方の祖父母がサラマンカをアイダホ州のルーイストンまでのドライブに誘った。「アメリカのあれこれが見られるんだぞ!」というおじいちゃんと、「旅行のあいだじゅう、かわいいひよこっこといっしょにいられる」とよろこぶおばあちゃん。ルーイストンは1年前に母が目指した場所だった。「母に会いたい、けれどこわい」と思っているサラマンカの気持ちを二人は知っていてドライブに誘ったのだった。こうして三人はおじいちゃんの運転で2000マイル(約3200キロ)の旅に出る。サラマンカは7日後に迫っている母の誕生日8月20日には目的地に着きたいと思う。そうすれば母を家に連れて帰れるような気がするからだ。それなのに祖父母は少しも焦らず、あちこちにより道をする。バッドランズ、ブラックヒルズのラシュモア山(スー族の聖地なのに白人の顔ばかり、とサラマンカはあきれる)、イエローストーンのオールド・フェイスフル(大間欠泉)などなど。なぜならそれらは母の乗った観光バスも立ち寄ったところだからだ。
車の中では祖父母が退屈しないようにサラマンカがフィービィの家族に起こった事件を語って聞かせる。フィービィのところは非の打ち所のないきちんとした家庭だったはずなのに、母親が突然いなくなった。フィービィは隣のマーガレットさんを「名字がカダバーcadaverなので殺人鬼に違いないと」疑い、最近うろついている若い「変態」に誘拐されたのかもしれない、と疑う。サラマンカも巻き込まれて大変なことになりそうなところで急転直下、思いがけない事実が明らかになって幕が下りる。フィービィのお母さんが無事に戻ったのだ。でも、サラマンカのお母さんはまだ戻らない。

東から西への大旅行の間に、サラマンカ、フィービィ、祖父母の、三者三様の物語が語られていき、最後にサラマンカが、この旅は祖父母からの贈り物だったのだ、二人は母のモカシンを履いて歩くチャンスを与えてくれたのだと気づく、という見事な構成の作品である。原題はアメリカ・インディアンの警句「人をとやかくいえるのは、その人のモカシンをはいてふたつの月(Two Moons)が過ぎたあと」から取られている。(2012.12.2読了)
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by nishinayuu | 2013-02-02 09:51 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)