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ㄱで始まる植物の名前

c0077412_1034622.jpg植物の名前を韓国語を見出し語にして並べました。
韓国語名、和名、英語名の順になっています。
(英名なし)の表記があるものは英語名がないことが明らかなもので、英語名があるかないか確認できていないものは空欄にしてあります。


가래  ひるむしろ 蛭蓆 
가래나무  あずさ 梓/まんしゅうぐるみ 満州胡桃 Japanese cherry birch 
가막사리  たうこぎ 田五加木 (英名なし) 
가문비나무  えぞまつ 蝦夷松 Yezo spruce 
가시여뀌  こごめたで 
가시연꽃  おにばす 鬼蓮 gorgon plant/prickly water lily 
가죽나무  しんじゅ 神樹/にわうるし 庭漆 tree of heaven 
가지  なす 茄子 eggplant 
각시붓꽃  えひめあやめ 愛媛菖蒲(別名タレユエソウ) 
각시취  ひめひごたい 姫平江帯 
갈대  あし 葦 reed 
갈퀴나물  つるふじばかま 蔓藤袴 (英名なし) 
갈퀴덩굴  やえむぐら 八重葎 catch-weed 
감나무  かき 柿 persimmon tree 
감자  じゃがいも 馬鈴薯 potato
감초  かんぞう 甘草 licorice/liquorice
감탕나무  もちのき 黐の木 mochi tree 
갓  からしな 芥子菜 leaf mustard 
강가지풀  ねこじゃらし foxtail
강낭콩  つるなしいんげんまめ 蔓無し隠元豆 
개구리발톱  ひめうず 姫烏頭 
개구리자리  たがらし 田辛し celery-leaved buttercup 
개나리  れんぎょう 連翹 forsythia
개다래  またたび 木天蓼 silver vine
개망초  ヒメジョオン 姫女苑 Daisy fleabane 
개머루  のぶどう 野葡萄 porcelain berry 
개밀  かもじぐさ 髢草 (英名なし) 
개별꽃  わだそう 和田草 rocket 
개불알꽃/복주머니  あつもりそう 淳盛草 
개비름  いぬびゆ livid amaranth 
개비자나무  ちょうせんいぬがや 朝鮮犬榧 
개수염  いぬのひげ 犬の髭 
개암나무  はしばみ 榛 (英名なし) 
개여뀌  いぬたで 犬蓼 tufted knotweed 
개오동나무  きささげ 木大角豆 Chinese catalpa 
개옻나무  やまうるし 山漆 lacquer tree 
개요등  へくそかずら 屁糞蔓 skunk vine
갯메꽃  はまひるがお 浜昼顔 seashore false bindweed 
갯버들  ねこやなぎ 猫柳 pussy willow
갯완두  はまえんどう 浜豌豆 beach pea 
거지덩굴  やぶがらし 藪枯らし bush-killer 
검정말  くろも 黒藻 
겨우살이  やどりぎ 宿り木 mistletoe 
계수나무  かつら 桂 katsura tree 
고광나무  ちょうせんばいかうつぎ 朝鮮梅花空木 
고구마  さつまいも 薩摩芋 sweet potato
고들빼기  いぬやくしそう 犬薬師草 (英名なし) 
고로쇠나무  いたやかえで 板屋楓 (英名なし) 
고란초  みつでうらぼし 三つ手裏星(皐蘭草) 
고마리  みぞそば 溝蕎麦 
거먕옻나무/황로  はぜのき 櫨の木 Japanese wax tree
고비  ぜんまい 薇 zenmai 
고비고사리  いわがねぜんまい (英名なし) 
고사리  わらび 蕨 bracken
고사리삼  ふゆのはなわらび 冬の花蕨 ternate grape fern 
고삼  くらら 眩草 
고추  とうがらし 唐辛子 cayenne pepper/red pepper
고추나무  みつばうつぎ 三葉空木 Japanese bladdernut 
고추나물  おとぎりそう 弟切草 (St. John's wort) 
굴거리  ゆずりは 譲葉 yuzuriha 
골담초  むれすずめ 群雀 Chinese pea tree 
골무꽃  たつなみそう 立浪草
골풀  とうしんそう 灯芯草 common rush 
곰솔  くろまつ 黒松 Japanese black pine 
곰취  おたからこう 雄宝香 (英名なし)
관음죽  かんのんちく 観音竹 dwarf ground-rattan/lady palm 
광나무  ねずみもち 楨 Japanese privet 
광대나물  ほとけのざ 仏の座 henbit 
광대버섯  てんぐたけ 天狗茸 deadly amanita mushroom 
광대싸리  ひとつばはぎ 一つ葉萩 (英名なし) 
괭이눈  ねこめぐさ 猫目草
괭이밥  かたばみ 酢漿草 sorrel 
괴불나무  はなひょうたんぼく 花瓢箪木 Amur honeysuckle 
구절초(九節草) いわぎく 岩菊 Zawadsky's chrysanthemum 
국화 きく 菊 chrysanthemum
군자란 くんしらん 君子蘭 scarlet kaffir lily
귀룽나무  えぞのうわみずざくら 蝦夷の上不見桜 bird cherry
귀리 からすむぎ 燕麦 oat 
귤 みかん 蜜柑 mikan
귤나무 たちばな 橘 tachibana
극락조화 ごくらくちょうか 極楽鳥花
근대 ふだんそう 不断草 chard/swiss chard 
글라디올러스 グラジオラス gladiolus
금남초 きんらん 金蘭 
금낭화 けまんそう 華蔓草
금어초 きんぎょそう 金魚草 common snapdragon 
금잔화 きんせんか 金盞花 common marigold
기름나물 しゃく 杓/やまにんじん 山人参 wild chervil/cow parsley 
기린초 きりんそう 麒麟草(ベンケイソウ科) (英名なし) 
기장 きび 黍 millet
김 のり 海苔 nori/green confetti
까마귀쪽나무/(済州島では)구럼비 はまびわ 浜枇杷 (英名なし)  
까마종이 いぬほおずき 犬酸漿 black nightshade 
까치콩 いんげんまめ 隠元豆 kidney bean 
깨풀 えのきぐさ 榎草 Australian acalypha /three-seeded copperleaf
꼭두서니 あかね 茜 madder 
꽃기린 はなきりん 花麒麟 
꽃다지 いぬなずな 犬薺 (英名なし) 
꽃잔디 しばざくら 芝桜
꽃창포 はなしょうぶ 花菖蒲 Japanese iris 
꽈리 ほおずき 酸漿/鬼灯 Chinese lantern plant 
꽝꽝나무 いぬつげ 犬柘植 Japanese holly 
꾸지뽕나무 はりぐわ 針桑 
꿀풀(꽃) うつぼぐさ 靫草 selfheal
꿩의비름 べんけいそう 弁慶草 ice plant 
끈끈이주걱 もうせんごけ 毛氈苔 sundew 
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by nishinayuu | 2012-07-31 20:56 | 覚え書き | Trackback | Comments(2)

『小鳥はいつ歌をうたう』(ドミニク・メナール著、北代美和子訳、河出書房新社)

c0077412_16174464.jpg『Leur histoire』(Dominique Mainard)
物語は「おじいさん」のエピソードで始まる。この「おじいさん」は語り手の祖父というわけではなく、どこかの土地の、そしてすべての土地の「おじいさん」である。遠い田舎へ買い出しにいったおじいさんは、食料を手に入れて戻ってきたが、市の入り口で男たちに捕まってしまう。そして名前を聞かれたか書かされたのだろうが、おじいさんのことばは男たちのことばではなかった。それでおじいさんはそのままどこかに連れ去られ、二度と戻ってこなかった。そんなおじいさんのような目に合わないように、語り手の祖父母は国を捨てた。(祖父母の捨てた国がどこかは明記されていないが、語り手が祖母をババヤガーと呼んだりしているところからロシアだとわかる。)
語り手は小鳥屋でパートとして働きながら幼いアンナを育てているシングル・マザー。アンナの父親とはアンナが生まれる前に別れた。だからアンナは、語り手にとってかけがえのないたった一人の家族である。それなのに語り手はアンナと話をすることができない。アンナが口をきかないからだ。ほんの赤ちゃんだったときは泣いたり、笑い声を上げたりしていたアンナが、そのあとは声を出さなくなったのだ。語り手はアンナの服に名前や住所、好きな食べ物、気に入っている子守歌の歌詞などを書いた紙を縫い込む。どこかで迷子になったアンナが永久に手許に戻ってこなくなるのを恐れて。
語り手は、口はきかないけれども耳は聞こえているアンナを小学校に入れる。しかしアンナは他の子どもたちに虐められ、教師にももてあまされる。それで今度は耳の聞こえない子どものための学校にアンナを連れて行く。語り手とアンナを迎えたのはメルラン(アーサー王伝説に登場する魔法使い「マーリン」のフランス名)という男の先生だった。このメルランとの出会いがアンナを、そして語り手を、二人だけの閉ざされた世界から広い世界へと踏み出させることになる。(2012.6.2読了)

☆さまざまな方法を使ってアンナに声を取り戻させていくメルランは、まさしく魔法使いのような存在です。彼の魔法は語り手にも及んでいき、そのまま感動の結末へ、と思いきや、とんでもない展開が待ち受けていたのでした。残りの紙数では感動の結末は無理なのでは、とハラハラさせられました。
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by nishinayuu | 2012-07-28 16:17 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)

『黒猫フーディーニの生活と意見』(スーザン・シェーファー著、羽田詩津子訳、新潮社)


c0077412_14393511.jpg『The Autobiography of Foudini M. Cat』(Susan Fromberg Schaeffer)
この作品は、野良猫として生まれ、試行錯誤の末に飼い猫としての生き方を体得した猫が、後輩の子猫のために書き記した自叙伝、という形になっている。語り手は雄の黒猫で、名前はフーディーニ。作者はこの名前を、子供のときに好きだったテレビ番組の登場人物である風変わりな科学者の名前から取ったそうだが、たいていの人がこの名前を聞いて思い浮かべるのは脱出王として有名だった奇術師ではないだろうか。また、猫が語る生活と意見、とくると『吾輩は猫である』のやけに分別くさい猫も思い出される。しかし、このフーディーニは、奇術や魔術が使えるわけでもなく、分別くささとも無縁の、ごく普通の猫である(と思う)。たとえば朝、空腹のフーディーニが飼い主の「あったかさん」を起こす場面は次のように描写されている。

わたしがどんなに大声でわめいても、彼女はベッドから出ようとしない。わたしは高いヘッドボードの上によじ登り、そこからどすんとベッドに飛び降りなくてはならなかった。これは最初のうちこそ効き目があった。(中略)そのうち、わたしが飛び降りても眠っているようになった。さらに、わたしが爪を出して、「あったかさん」の頬を軽くなではじめると……

知人の飼い猫は、ときたま知人が朝なかなかおきられないでいたりすると、しびれを切らして強烈な「ねこパンチ」を繰り出すそうだ。
上記のようにフーディーニは、はじめは警戒していた飼い主の女性に次第になじんで、秘かに「あったかさん」と名づけるまでになる。けれども「あったかさん」のパートナーで、フーディーニのことをいつまでも「狂暴な猫」としてしか認識できない男性のことは「疫病」と呼んでいる。ところで、猫は人間のことばが理解できるのに、人間のほうは猫語が全く理解できない、とフーディーニは言う。人間が猫と話をしているつもりでニャーニャーとかニャンニャンとか言っていることばを猫語に翻訳してみせたくだりは、いかにもという感じで笑える。べたべたの猫派の人には納得できないかもしれないが。
幼かった頃の悲しい思い出、人間と共に暮らす苦労と喜び、犬のサムとの友情と別れ、子猫・グレース・ザ・キャットのやんちゃぶりなどなど、味わいのあるエピソードが盛り込まれていて、特に猫に興味がなくても楽しめる。(2012.6.2読了)
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by nishinayuu | 2012-07-25 14:39 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『舟を編む』(三浦しをん著、光文社)


c0077412_10412021.jpg国語辞典の編集に携わる人びとの十数年にわたる日々を描いた物語。作中で編集作業が進められている辞書の名前は、ことばの大海原を渡る舟、という意味の「大渡海」。その舟を編む(編集する)のは次のような人たちだ。
荒木――辞書編集のベテラン。定年後も引き続き社外編集者として編集部に顔を出し、「大渡海」のために力を尽くす。
松本先生――「大渡海」の監修者で用例採集カードを片時も手放さない。「大渡海」に全身全霊で打ち込んでいるが、温厚な人柄なので周囲に圧迫感を与えることはない。
西岡――辞書編集者としての資質には欠けるお調子者だが、人付き合いや交渉ごとが得意な気配りの人。早い段階で辞書編集部から編集部へ転属になるが、気持ちはいつも「大渡海」に寄り添っている。
馬締――場が読めない変わり者の若者として登場し、やがて頼もしい辞書編集部主任として「大渡海」を完成に導く。「気長で、細かい作業を厭わず、ことばに耽溺し、しかも溺れきらず広い視野を持つ」辞書編集のために生まれてきたような男。
佐々木――非正規社員の中年女性。編集部のスケジュール、備品管理などになくてはならない人物。
岸辺――若い女性向けファッション雑誌から転属されてきた花粉症の若い女性。なぜここに?という疑問を克服し、徐々に編集部に居場所を見つけていく。
他にも馬締が部屋を借りている大家のおばあさん、その孫娘で料理人を目指している香具矢、料理屋「梅の実」の板前、西岡の恋人・麗美、「大渡海」用の紙を研究開発する製紙会社の宮本、猫のトラさん、などが登場する。そして、これらの人びとと気楽につき合っているうちに、いろいろな言葉の意味をはじめ、一つの言葉が辞書に載るまでの膨大な作業過程、辞書の善し悪しを見分ける目安、国語の辞書を公費で作ることの是非、などがいつの間にかお勉強できる仕組みになっている。「へのひと」なども、いかにも辞書編集部にはありそうなエピソードで、この作品の魅力の源が作者の緻密な取材にあることがうかがえる。(2012.5.28読了)

☆『月魚』や『まほろ駅前多田便利軒』に比べると、ちょっと期待はずれでした。読んだ人の話を聞いて期待しすぎたせいもあり、辞書や言葉の世界が古本や便利屋よりは馴染みのある世界だったせいもあるかもしれません。
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by nishinayuu | 2012-07-22 10:41 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)

『バルタザアル』(アナトール・フランス著、芥川龍之介訳、青空文庫)


c0077412_22373981.jpg『BALTHASAR』(Anatole France)。「Mrs. John Laneの英訳より」
東方の三賢人の一人であるバルタザアルの物語。東方の三賢人は12世紀頃から老年、壮年、青年の三世代に描き分けるようになり、さらにヨーロッパ、アジア、アフリカの三大陸の象徴として一人を黒人として描くようになったという。この作品の主人公であるバルタザアルは黒人で、エチオピアの王という設定である。もう一人の重要な登場人物であるシバの女王は、紀元前10世紀頃(イスラエルの三代目の王ソロモンと同時代)の人物なのだが、この作品ではバルタザアルと同時代の人物になっている。なお、バルタザアルはラテン語名で、ヘブル語ではアメリウス、ギリシア語ではマガラトとなる。さて、物語はこんな具合。

エチオピア王のバルタザアルは22歳のときシバの女王バルキス聘問の途につく。魔法師のセムボビチスと宦官のメンケラが同行する。12日の旅を終えてバルキスに会ったバルタザアルはたちまち彼女の虜になる。怖れというものを経験してみたい、というバルキスの願いを聞き入れて、二人は乞食に変装して市場に行く。酒場で飲み食いし、亭主や客たちと乱闘したあと、河原で抱き合って一夜を過ごす。朝になって盗賊に捕らわれ、今度はその盗賊の頭とけんかして大けがをしたバルタザアルは、15日間、人事不省に陥る。16日目、バルキスの宮殿で目を覚ましたバルタザアルがバルキスを探すと、彼女は美丈夫のコマギイナの王と密会中だった。バルタザアルがバルキスの不実をなじるとバルキスは「夢でも見たのでしょう」と冷ややかに言い放つ。妖婦に弱みを見せまいとバルタザアルは自室に駆け戻ったが、傷口が開いて卒倒し、3週間人事不省に陥る。
22日目に目を覚ましたバルタザアルは、バルキスが不貞なので恋も禍でしかなく、自分には幸福はない、とセムボビチスに訴える。セムボビチスは「智恵は幸福を与える」と諭す。バルタザアルは知恵をつけて魔法師になろうと決心し、自然を眺めて暮らす。そして魔法師になるために、父王の全財産を傾けて2年がかりで、無辺の天空が望める塔を建てる。バルタザアルはセムボビチスの指導のもとで天文の研究に励む。そんな王をみてメンケラが「バルキス女王の片脛は毛だらけで、片足は2つに裂けた黒い爪」だと教える。バルタザアルはそれが事実とは違っていて、女王が非常に美しいことを自分の目で見て知っていたが、異類と思われている女と関係したことに嫌悪を覚え、バルキスには二度と会うまいと思うのだった。バルタザアルが女王を愛していないという噂が耳に届くと、バルキスは黒い男に裏切られたと悔しがり、愛を取り戻すべくエチオピアに向かう。自分の城に向かってくる一行の中にバルキスの姿を認めたバルタザアルは、激しい懊悩に襲われて天を仰ぐ。すると天の星が告げる。「没薬をとってわれに従え。生まれむとする幼子のもとへ至らしめむ」と。その幼子こそ後に王の中の王となるイエスだった。(2012.5.21読了)

☆話の展開が早く、訳も滑らかで読みやすい。表現や文字遣いが古くさいと言えば古くさいが、「聘問」「私窩子」「臥榻」など、ふだん余り見かけないことばに出逢えて興味深かった。「私窩子(しくぁし)」は「淫売婦、私娼」のこと、「臥榻(ぐわたふ)」はベッドのこと。
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by nishinayuu | 2012-07-19 22:37 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

韓国の詩「仙巌寺」 鄭昊昇


c0077412_13473961.jpg
韓国の詩人・鄭昊昇の詩を日本語に訳してみました。



선암사 정호승
눈물이 나면 기차를 타고 선암사로 가라
선암사 해우소에 가서 실컷 울어라
해우소에 쭈그리고 앉아 울고 있으면
줄은 소나무 뿌리가 기어다니고
목어가 푸른 하늘을 날아다닌다
풀잎들이 손수건을 꺼내 눈물을 닦아주고
새들이 가슴속으로 날아와 종소리를 울린다
눈물이 나면 걸어서라도 선암사로 가라
선암사 해우소 앞
등 굽은 소나무에 기대어 통곡하라


涙が出たら汽車に乗って仙巌寺に行け
仙巌寺の解憂所に行って思いきり泣け
解憂所にうずくまって泣いていれば
枯れた松の木の根が這い回り
木魚が青い空を飛び回る
草の葉がハンカチをとりだして涙を拭いてくれ
小鳥たちが胸の中に飛び込んできて鐘を鳴らす
涙が出たら歩いてでも仙巌寺に行け
仙巌寺の解憂所の前
背中の曲がった松の木に凭れて慟哭しろ
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by nishinayuu | 2012-07-16 13:49 | 翻訳 | Trackback | Comments(3)

『城』(カフカ著、原田義人訳、筑摩書房)

c0077412_9491883.jpg『Das Schloss』(Kafka)
カフカ(1883~1924)が残した未完の作品。訳者の原田義人は、加藤周一が『羊の歌』の「死別」の章でそのあまりにも早い死を嘆き悲しんだ友人その人である。
測量技師のKが、ある伯爵の領地にやってくる。伯爵の「城」に採用されたためだが、領地に入っても城は見えてこないし、城に行く道を尋ねても誰も教えてくれない。すぐにも「城」に行けるものと思っているKに人びとはあきれ、嫌悪さえ示す。やがてKにもわかってきたのだが、そもそも「城」は簡単に近づけるところではないのであって、「城」の役人たちに近づくには何段階もの手続きがいるのだった。さらに、Kの採用が決まったのはずいぶん前のことで、今では「城」は測量技師を必要としていない、ということも判明する。人びとはどうやらKがそのまま領地から去ることを望んでいるようなのだが、Kはわざわざ遠くからやってきたのだし、他には行くあてもないので、ここに止まることにする。そして倦まずたゆまず、あの手この手で役所のしかるべき人間に会う努力を続ける。そんなKの存在がさまざまな波紋を引き起こし、Kもまたその中で翻弄される。そしてKが「城」(役所の中枢部)に近づけない状態が続く中、また新たな展開が、と思われたところで物語は途切れている。
果たしてKは「城」に入り込めるのだろうか。おそらく入り込めないままで終わるのではないだろうか。その理由としては次の二つが考えられる。一つは「城」も「役所の中枢部」もやはり複雑怪奇で近づきがたいものだったから、というもの。もう一つは、「城」も「役所の中枢部」も堅固なものなどではなく、なにも実体のないものであり、そもそも誰もが畏敬する中枢部のクラムという人物も、カリスマ性とは無縁のただの役人でしかなかった、というものである。
主な登場人物は以下の通り。物語にはそれぞれのエピソードがとめどもなく盛り込まれている。
オルガとアマーリア――アマーリアが城の役人ソルディーニを拒んだために村八分にされた一家の姉妹。
バルナバス――オルガとアマーリアの兄。Kと役所を繋ぐ下っ端の連絡係。抜群の暗記力の持ち主。
ガルディーナ――宿屋兼酒場のおかみ。昔クラムから3度だけ呼ばれたことを支えにしている。
フリーダ――クラムの部屋つき女中だったが、Kと同棲を始める。Kの助手イェレミーアスと親しい。
イェレミーアスとアルトゥール――クラムの代理であるガーラターがKに付けた助手(実は見張り役)。
エルランガー――クラムの第1秘書の一人。
ビュルゲル――良心的な役人(?)。Kの件をなんとかしてみよう、と言う。
ベービー――宿屋の女中。フリーダの後釜になって張り切ったが、4日でフリーダに負ける。(2012.5.21読了)
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by nishinayuu | 2012-07-13 09:50 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『見えざる人』(チェスタートン著、直木三十五訳、青空文庫)


c0077412_13473014.jpg『The Invisible Man』(Chesterton)。
青空文庫の底本は平凡社の『世界探偵小説全集第九巻ブラウン奇譚』
画像は東京創元社版のものです。

建物の入り口で4人の人間が見張っていたにも関わらず、何者かが部屋に入って人を殺し、さらに死体も運び出して行った。まるで透明人間のようなこの犯人は、見えているのに見えない人間――心理的にいないも同然の人間だった、という話。
この犯人の服装が「赤や青や金づくめのかなり華美ななり」という具合なので、心理的盲点というトリックのおもしろさがいっそう際だつ。この犯人が見えない人間になり得るとしたらそれはイギリス社会が階級社会だからだ、さらには著者が社会の上層の裕福な人間だからだ、などの議論があるようだが、それはそれとして、今や古典的ともいえるトリックが楽しめる作品である。随所に見られる色鮮やかな描写もいいし、さりげなく登場して最後には大きな存在感を示すブラウン神父もいい。
ただし、である。直木三十五の翻訳には参った。原文が透けて見える文があるかと思えば、何が何だかわからない意味不明の文もあちこちにあるのだ。たとえば冒頭の文はこんな具合。

ロンドン・キャムデン町なる二つの急な街の侘しい黄昏の中に、角にある菓子屋の店は葉巻の端のように明るかった。あるいはまた花火の尻のように、と言う方がふさわしいかもしれない。なぜなら、その光は多くの鏡に反射して、金色やはなやかな色に彩どられたお菓子の上におどっていた。この火の様な硝子に向って多くの浮浪少年等の鼻が釘づけにされるのであった。あらゆるチョコレートはチョコレートそれ自身よりも結構な赤や金色や緑色の色紙に包まれていた。そして飾窓の大きな白い婚礼菓子は見る人に何となく縁の遠いようにも見えまた自分に満足を与えるようにも見えた。ちょうど北極はすべて喰(た)べるにいいように。こうした虹のような刺戟物に十一二歳くらいまでの近所の小供を集めるのは当然であった。

これにめげずに我慢して読んでいるうちに、だんだん変な訳にも慣れてきて、なんとか最後まで読めてしまった。内容の力だろうか。あるいは、読み手の忍耐力のおかげだろうか。(2012.5.13読了)
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by nishinayuu | 2012-07-10 13:47 | 読書ノート | Trackback | Comments(2)

『Cymbeline』(W. Shakespeare著、Greenwich House)


c0077412_1621488.jpg1609~10に書かれたと推定される作品。初期の頃は「悲劇」に分類されていたが、現在は「ロマンス劇」という分類になっている。ケルト人のブリテン王であるシンベリーンをめぐる人びとの軋轢と和解の物語なので、確かに「悲劇」という分類には違和感がある。
王女の男装、毒薬による仮死と復活、葬送の合唱など、盛りだくさんの見せ場があり、第5幕4場には、雷鳴と稲妻の中を、なんと鷲にまたがったジュピターが天下ってくる、という場面まであって、役者も観客も大いに盛り上がっただろうと推測できる。因みに、王女などの女性の役はもともと少年が演じていたので、男装はお手の物だったわけだ。主な登場人物は以下の通り。
Cymbeline(シンベリーン)ケルト人の王クノベリヌスという実在のモデルがいるらしい。先妻との間に二人の王子と王女イモージェンがいる。王妃の諫言に惑わされる頼りない王である。
Guiderius(グィディリアス)シンベリーンの息子。モーガンを父親と思っている。別名Polydore。
Arviragus(アーヴィラガス)同上。別名Cadwal。二人は少年姿のイモージェンを妹とは知らずにかわいがる。
Cloten(クロウトゥン)王妃の連れ子。イモージェンに求婚するがはねつけられ、逆恨みする。
Leonatus Posthumus(リーオネイタス・ポステュマス)秘かにイモージェンと結婚したために追放され、ローマで暮らす。賭の相手に騙されてイモージェンの貞節を疑い、一時破れかぶれになる。今ひとつ頼りにならない男であるが、いちおう主役級の人物であり、一時代を築いた名優Garric(ギャリック)の当たり役だったという。
Belarius(ベレーリアス)元貴族。別名Mogan(モーガン)。追放されたとき二人の王子を誘拐し、自分の子として育ててきた。高貴な気質を表し始めた二人を王の許に戻す。
Cornelius(コーニーリアス)医師。王妃からイモージェンに薬を渡すよう命じられたとき、王妃の悪巧みを見抜いて、毒薬ではなく、一時的に死んだように見える薬を渡す。
Pisanio(ピザーニオウ)ポステュマスの従者。イモージェンの味方。
Caius Lucius(カイアス・ルーシアス)ローマ軍の将軍。反旗を翻したブリテンに討伐にやってくる。
Philario(フィラーリオ)ローマの紳士。ポステュマスの友人。ただし、あまり役に立たない友人である。
Iachimo(イーアーキモウ)同上。イモージェンの貞節に関してポステュマスに賭を持ちかけ、彼女の部屋に忍び込んで部屋の様子や彼女の胸のほくろを観察しておいて、彼女をものにした、とポステュマスを騙す。因みに、オセロのイアーゴウとIaの部分が共通しているのが興味深い。二つの例だけで結論を下すのは強引だが、もしかしたらIaで始まる名前の人間には悪いやつが多い?
Queen(王妃)シンベリーンの宮廷における悪の元凶。連れ子のクロウトゥンを王位に就けるため画策するが、肝心の息子は行方不明になる(実はグイディリアスに殺されてしまっている)。病に倒れたあと、数々の悪事を告白して死んでいく。
Imogen(イモージェン)シンベリーンの娘。美しくたおやかで、実は芯が強くて毅然としている、という理想的な女性。(2012.5.12読了)
☆画像はBiblio Bazaarのものです。
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by nishinayuu | 2012-07-07 16:02 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『愛のイエントル』(アイザック・シンガー著、邦高忠二訳、晶文社)


c0077412_1003345.jpg『Yentl The Yeshiva Boy』(Issac Singer)
19世紀末にポーランドのユダヤ人村に生まれ、「身体は女性、精神は男性」であることに悩みつつも、信念を持って生きた一つの魂の物語。数多く挿入されているアントニオ・フラスコーニによる木版画が、物語をより味わい深いものにしている。
訳者あとがきによると、ユダヤ教のラビの息子としてポーランドで生まれたシンガーは、米国に渡ったのちもイディッシュ語で創作を続け、1978年にノーベル文学賞を受賞している。また、この作品は、1975年に舞台劇としてブロードウエイで上演され、その後もバーブラ・ストライサンドの製作・監督・脚本・主演で映画化されているという。

イエントルの父親はまるで息子を育てるようにイエントルを育てた。女の仕事に不向きな娘にトーラを教え、飲み込みのいい弟子である娘と勉強することを楽しんだ。そして口癖のように「おまえは男のたましいをもっているんだねえ」と言うのだった。どうしてわたしは女に生まれたんでしょう、と問う娘に、父親はこう答えた。「神様だってまちがうことがあるんだよ」。
そんな父親が亡くなると、イエントルは家も家財道具も売り払って故郷をあとにする。髪を短く切り、父の衣服を身につけたイエントルは、もともと女らしい体つきではなかったので、充分に男性として通用した。死んだ叔父の名をもらってアンシェルと名を変えた彼女がイェシバ(ラビになるための授業を受ける場所)を探していたとき、アヴィグドルという青年が一緒に行こうと誘ってくれた。こうしてアンシェルはアヴィグドルと共にベチェフに行き、勉強三昧の生活を始める。二人は急速に親しくなるが、アンシェルはあくまでも男性としてアヴィグドルに接し、女性であることがばれそうな行動は避けていた。しかし心からアヴィグドルを愛すようになったアンシェルは、思い切った行動に出る。アヴィグドルが愛していながら結婚できなかったハダスと、アンシェル自身が結婚してしまうのだ。しばらくの間仲むつまじく暮らしたあとで自分が彼女のもとを去れば、傷心の彼女をアヴィグドルが救うという形で二人は結婚できる、と考えたのだ。この計画をアヴィグドルに受け入れさせるために、彼女は自分の本名と素性を打ち明ける。衝撃を受け、取り乱し、なかなか承知しないアヴィグドルを説得したのは、アンシェルでもあり、イエントルでもあった。こうしてアンシェルは忽然と町から消えてしまう。町の人びとに大きな謎と疑惑を残したまま。
物語の最後は読者に「涙と笑い」の感動をひきおこす次のような文で終わっている。
「(アヴィグドルとハダスの)結婚式のあと、まもなくハダスは妊娠した。生まれたこどもは男の子だった。割礼式に集まった人たちは、父親がその子にアンシェルと名づけたとき、ほとんど自分たちの耳を疑った。」(2012.5.9読了)
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by nishinayuu | 2012-07-04 10:00 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)