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「沙本毘古(サホビコ)と沙本毘売(サホヒメ)」 その4

☆『古事記』の再話です。韓国語訳はこちら

天皇は、力が強くて敏捷な兵士たちを選んで、「御子を引き取るときにその母も奪い取れ。髪でも手でも捕まえて引っ張ってこい」と命令した。沙本毘売は天皇のそうした企みをあらかじめ知っていたので、髪を剃ってその髪で頭を覆って、腐らせた腕輪を手に巻き付け、酒で腐らせた衣を身につけて、御子を稲城の外に差し出したのだよ。兵士たちは御子を受け取って、母君も捕まえようとしたけれど、髪をつかむと髪は落ち、手を取ると腕輪が切れて落ち、衣をつかむとたちまち破れて、結局母君をつかまえることはできなかった。
天皇が沙本毘売に、御子をなんと名付けるのか、どう育てるのか、后を失った自分はどうしたらいいのか、と尋ねたところ、沙本毘売は「御子の名は本牟智和気御子(ホムチワケノミコ)として、乳母をつけてお育てください。そしてあなたは旦波比古多多須美智宇斯王(タニハノヒコタタスミチノウシノミコ)の娘で忠誠心のある(注)兄比売と弟比売を妻としてお迎えなさいませ」と応えた。垂仁天皇(伊久米伊理毘古伊佐知命)は沙本毘売に言われたとおりにしたが、ついに沙本毘古を殺した。妹の沙本毘売は兄に従って死んだのだよ。

(注)天皇に反逆した自分と対比してこう言った。本牟智和気は結局天皇にはなれなかった。母が反逆者だったからだろうか。
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by nishinayuu | 2007-07-31 12:06 | 再話 | Trackback | Comments(0)

「サホビコとサホヒメ」 その3

☆『古事記』の再話を韓国語に訳したものです。日本語はこちら

천황은 힘이 세고 민첩한 병사들을 골라서 “내 아들을 받을 때에 그의 모친도 탈취하라. 머리카락이든 손이든 잡아 당겨오라” 고 명령했어. 사호-공주는 미리 천황의 그런 의도를 알고 있었기 때문에, 머리카락을 깎아서 그 머리카락으로 머리를 덮고, 썩은 팔찌를 팔목에 휘감고, 술로 부패시킨 옷을 입은 모습으로 아기를 볏성밖으로 내밀었 거든. 병사들은 그 아기를 받은 뒤 모친도 잡으려고 했지만, 머리카락을 잡으면 머리카락이 떨어지고, 옷을 잡으면 순식간에 찢어져서, 결국 모친은 얻을 수가 없었단다.
천황이 사호-공주에게 내 아들을 뭐라고 이름짓고, 어떻게 기르고, 아내를 잃은 자기는 어떻게 하면 되느냐고 물었더니, 사호-공주는 “당신의 아들은 호무치와케-미꼬토 라고 이름짓고, 유모로 하여금 키우게 하시옵소서. 그리고 당신은 타니하노히꼬-타타수미치노우시-미꼬의 딸인 충성스러운(注) 손위 공주와 손아래 공주를 둘 다 아내로 맞아들이시옵소서” 라고 대답했어. 수이닌-천황(이쿠메이리비꼬-이사치-미꼬토)은 사호-공주의 말 대로 했지만, 결국 사호-비꼬를 죽였어. 동생인 사호-공주는 사호-비꼬를 뒤따라 죽었단다.

(注)천황에 대하여 반역한 자기와 대비해서 이렇게 말했다. 호무치와케는 결국 천황이 될 수는 없었다. 어머니가 반역자였기 때문일까.
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by nishinayuu | 2007-07-29 10:11 | 再話 | Trackback | Comments(0)

『球形時間』(多和田葉子著、新潮社)

c0077412_1037128.jpgまず、プラットホームで手鏡をのぞき込みながら化粧をする女子高校生サヤが登場。人前での化粧に今にも怒りで爆発しそうな「おやじ」を心の中で罵倒しつつ、口紅を塗っては「せっぷん」という言葉の語感についてひとくさり、櫛を取りだしては櫛の魔力に関する知識をひとくさり、ついでに昔の男の髪型についてもひとくさり。あげくに、おでこに発見したできものをつぶすためにプラットホームにべったり座り込む――という具合に、今時の高校生のなりふりと頭の中が描写される。サヤは成績優秀という設定なので、頭の中はわりあい上等ではあるが。このあと、サヤがちょっと気にしているカツオ、カツオのボーイズ・ラブの相手であるマックン、潔癖症で言動が不気味なナミコ、大学生でやはり言動が怪しいコンドウ、担任で熱血教師風のソノダヤスオなどが登場し、はてはかの有名な旅行家、イザベラ・バードまで登場する。イザベラ・バードが出てくる必然性はないのに。こうして、はじめはふつうの高校生たちを描いた学園小説風だが、その世界が少しずつゆがんでいく。
世界がふつうのように見えていて、実はゆがんでいる、というところは、多和田葉子らしいといえるかもしれない。しかし、この作品を読みながら、これはほんとうに多和田葉子の作品なのだろうか、と2度ほど作者名を確認してしまった(!) 『容疑者の夜行列車』で、緊張感に溢れる不思議な世界と美しい日本語の世界を展開して見せてくれたあの多和田葉子は、どこに行ってしまったのだろうか。(2007.6.11記)
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by nishinayuu | 2007-07-27 11:41 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)

『内なる宇宙 下』(J・P・ホーガン著、池央耿訳、創元SF文庫)

c0077412_11481631.jpg上巻の登場人物紹介に「どこかの世界」の人々の名前が並んでいる。「どこかの世界」という名称は、ファンタジー小説によくある異世界を思わせるが、決してそういうたぐいのものではないことは、上巻の冒頭にある作者ホーガンによる「日本語版への序」で示唆されている。下巻ではこの場所に「ファンタズマゴリア」という名称が与えられており、このファンタズマゴリアの人々と、ハントの名付けたアヤトラたちの正体が明らかにされていく。
科学的な思考を駆使して問題に取り組むのは、その方面ではずっと遅れているはずの地球人たち。知識においては遙かに人間をしのいでいるガニメアンたちが、むしろ「人道的な」面で存在感を示す役回りになっているのがおもしろい。
また、シリーズ全体を通して知的な女性たちが何人も登場するにもかかわらず、いずれの女性も添え物的に扱われている印象だったが、ここに来て初めて、知的な活動とは無縁の女性である二クシーが、誠実な人柄(?)と深い理解力によってハントたちの探求に貢献するのもおもしろい。ここから作者の女性観を云々するつもりはないけれども。(2007.6.9記)
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by nishinayuu | 2007-07-25 10:32 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

「沙本毘古(サホビコ)と沙本毘売(サホヒメ)」 その2

☆『古事記』の再話です。韓国語はこちら

伊久米伊理毘古伊佐知命(イクメイリビコイサチノミコト)(垂仁天皇)が沙本毘売を后にしたとき、同母兄の沙本毘古王が沙本毘売に「夫と兄とどちらを愛しているか」と尋ねたんだ。沙本毘売が、兄を愛している、と応えると、沙本毘古王は「夫を殺して、わたしと二人で天下を治めよう」と言って、刀剣をわたした。
そんなこととは知らない天皇は、后の膝を枕にして休んでいた。沙本毘売は刀を三度振り上げたけれど、悲しくて殺せなかったんだよ。沙本毘売の涙が天皇の顔の上に落ちたとき、天皇が目を覚まして言った。「変な夢を見た。沙本の方からにわか雨が近付いてきて、わたしの顔をぬらしたのだけれど、これは一体何の印だろうね。」これを聞いて沙本毘売は、すべてのいきさつを天皇に話したんだ。
沙本毘古王の謀反を知った天皇は軍勢を集めて沙本毘古王を襲った。沙本毘売は兄を思う気持ちを抑えかねて、沙本毘古王が立て籠もる稲城(稲束を積み上げた砦)に逃げ込んだが、このとき沙本毘売は身ごもっていた。天皇は、三年も后としてともに過ごして、いまは身重でもある沙本毘売を思って、すぐに攻め込もうとはしなかった。
その間に子供を産んだ沙本毘売は天皇に「この子をあなたの御子と思し召すなら、この子を迎え入れてください」と申し上げた。天皇は、おまえの兄は憎いが、おまえのことはいまも愛している、と言って、毘売の願いを受け入れた。天皇は沙本毘売を取り戻したいと思っていたのだね。
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by nishinayuu | 2007-07-23 10:35 | 再話 | Trackback | Comments(0)

「サホビコとサホヒメ」その1

☆『古事記』の再話を韓国語に訳しました。日本語はこちら

이쿠메이리비꼬-이사치-미꼬토(수이닌천황)가 사호-공주와 결혼했을 때, 공주의 동복 형인 사호비꼬-미꼬토가 공주에게 “남편과 나 중에서 어느 쪽을 더 사랑하는 거야?” 라고 물었단다. 공주가 형을 더 사랑한다고 대답했더니, 사호비꼬는 남편을 죽이고 나와 함께 둘이서 천하를 다스리자고 하며 공주에게 칼을 주었어.
그런 일이 있었을 줄 모르는 천황은 공주의 무릎을 베고 잠들고 있었다. 공주는 칼을 세번이나 치켜들었지만 슬픔을 참지 못하여 천황을 죽일 수가 없었거든. 사호-공주의 눈물이 천황의 얼굴에 쏟아졌을 때 천황이 깨어나서 말했어. “기묘한 꿈을 꾸었어. 사호쪽에서 소나기가 타가와서 내 얼굴을 적셨는데, 이게 도대체 무슨 조짐인지 궁금하다.” 그 말을 들어서 사호-공주는 일의 경위를 다 천황에게 고백했단다.
사호비꼬의 모반을 알자 천황은 군세를 모아서 사호비꼬를 습격했어. 사호-공주는 형에 대한 정을 참지 못하여, 사호비꼬가 들어박혀 있는 볏성(집 둘레에 볏단을 쌓아 적의 화살을 막는 방비로 삼은 요새)으로 도망쳐 들어갔는데, 그 때 공주는 임신한 몸이었다고 한다. 천황은 3년 동안 배우자로 함께 지내온 공주, 게다가 지금 임신해 있는 공주를 소중히 여겨, 당장 습격하려는 마음이 없었어.
그 동안에 출산한 사호-공주는 천황에게 “이 아기를 당신의 아기로 생각하는 마음이 있으시면 그를 받아 들여 주십시오” 라고 말씀드렸어. 천황은 형은 밉지만 공주는 지금도 사랑한다고 대답하며, 공주의 요구를 받아들였어. 천황은 사호-공주를 되찾으려고 생각하고 있었거든. (계속됨)
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by nishinayuu | 2007-07-22 13:13 | 再話 | Trackback | Comments(0)

『内なる宇宙 上』(J・P・ホーガン著、池央耿訳、創元SF文庫)

c0077412_11492939.jpg『星を継ぐもの』に始まるシリーズの第4部。
プロローグにおいて前3部作の概要が語られており、21世紀の世界でも存在していることになっていたソ連について、「ソヴィエト連邦の崩壊を機に防衛産業の再編成が進み、宇宙探査計画は息を吹き返した。国際協力が実ってついに外惑星にまで行動範囲を広げた人類は……巨人種は初めてその遺物が発見された木星最大の衛星ガニメデにちなんでガニメアンと呼ばれるようになった」となっており、ガニメアン発見の時点ですでにソ連は崩壊していたという形にさりげなく修正されている。
さて、ジェヴレン世界を支配していた人物が排除され、支配の道具として使われたコンピューター・ジェヴェックスが遮断されたあとのジェヴレンは混迷をきわめていた。怪しげな宗教者たち、自助努力という概念を持たない民衆、闇の商売を手がける連中などを前にして、統治を任されたガルースたちガニメアンはなすすべを知らない。そこで、同じ人類であるハントたちがジェヴレン社会再建を手伝うことになる。ハントがアヤトラと名付けた、ジェヴレン人の中に紛れ込んでいる異人たちの正体は? ジェヴレン人が拠点とする謎の惑星アッタンとは? これらの謎を解くために奔走するハントたちの強力な協力者は、チューリアンのコンピューターであるヴィザーと、シャピアロン号の愛すべきコンピューター・ゾラックである。(2007.6.6記)
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by nishinayuu | 2007-07-21 11:04 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『韓国の名随筆2』

c0077412_11505314.jpg『한국의 명수필2』(손광성/맹난자/김종완編、을유문화사)
2005年11月25日に発行された『韓国の名随筆2』。58編の随筆が収録された270ページほどの本である。韓国語講座で3分の1ほど精読した時点で講師が交代したため、残りはひとりでざっと読んだ。
お説教臭さが鼻につく、老人の繰り言めいたものが多い、などなど受講者の評判は芳しくなかった。確かに、随筆のための随筆という感じの、無理やり作ったような作品もあるが、気取った作品からは気取った単語や言い回しを、身辺雑記からは日常の細々した物事を知ることができると思えば、読んでも無駄ということはない。中にはもちろん読みでのある作品、魅力的な作品もある。私が気に入った作品のタイトルと作者は以下の通り。
거리의 악사 街の楽士 (권지예)
말 위에서 죽다 馬の上で死ぬ (김점선)
세한도 歳寒図 (목성균)
어린 날의 초상 幼い日の肖像 (문혜영)
한 장의 흑백사진 一枚の白黒写真 (박영자)
각서 誓約書 (한승헌)
무서운 년 恐ろしい女 (김점선)
초가을 산정에서 初秋の山の頂で (법정)
묵언의 바다 無言の海 (곽재구)
(2007.6.5記)
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by nishinayuu | 2007-07-19 10:36 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

韓国の詩「田舎の家」 朴趾源

☆韓国の詩を翻訳してみました。作者の朴趾源(パク・チウォン)についてはマイリンクにある「韓国の著名人」のをごらんください。

じいさま小鳥を見張ろうと 畑の縁に腰下ろしても
犬の尾みたいな粟の穂に 雀がいっぱいたかっているよ

長男次男はふたりとも 野良の仕事に出て行って
日がな一日 田舎の家は しおり戸閉まっているのだよ

鳶がヒヨコを足に掛け さらい損ねて飛び去ると
夕顔の咲く垣根の根方 鶏どもが鳴きたてている

若妻 頭にお鉢を載せて 背筋のばして小川を渡り
裸の幼児と黄色い犬が あと先になり追いかけていく


시골집       박지원

할아봄 새를 보러 밭둑에 앉았건만
개꼬리 같은 조이삭엔 참새가 달려 있네

맏아들 둘째아들 들일로 나가고
온종일 시골집은 삽짝문 닫혀 있네

소리개 병아리를 채려다 못 채가니
박꽃 핀 울밑에서 뭇닭이 울러대네

새댁이 함지 이고 꼿꼿이 내 건널제
누렁개 발가숭이 아이 앞뒤로 쫓아가네
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by nishinayuu | 2007-07-17 09:09 | 翻訳 | Trackback | Comments(0)

『巨人たちの星』(J・P・ホーガン著、池央耿訳、創元推理文庫)

c0077412_11521035.jpg第一部『星を継ぐもの』、第二部『ガニメデの優しい巨人』に続く物語。
前作で人類と交流し、人類に新しい知識を与えたガニメアンたちは、再びシャピアロン号に乗って、ジャイアント・スターと呼ばれる恒星に向かって旅立っていった。遠い過去にミネルヴァの住民だった彼らの同類が、その星に移住したと思われるが、今もそこに彼らの同類がいるという保証のない、重苦しい旅だった。
ところが、ジャイアント・スターには彼らの同類であるチューリアンの社会が立派に存続していたのである。そのチューリアンから人類にメッセージが届いて、地球の人類は一挙に太陽系惑星の外の世界と向き合うことになる。「優しい巨人」であるガニメアンとチューリアン人の他に、地球人と同じ人類で、権謀術数に長けたジェヴレン人も登場し、地球人代表のヴィクター・ハント、クリス・ダンチェッカーらがまたまた大活躍する。
『星を継ぐもの』のプロローグに登場し、最後のところで地球の土を踏んだことが確認されていた「巨人」をどう解釈すべきか、という問題もあっさり片がついてホッとする。別に問題になるような所ではなかったのかもしれない。(2007.6.1記)

☆恒星旅行が可能なほどに宇宙科学が発達している世界で、まだ「ソ連」が存在しているのは、ソ連崩壊前に書かれた作品なので仕方がないことでしょう。「ソ連崩壊」はそれほどに予想外のことだったのですから。それはさておき、科学的知識が乏しくても、ときには話しについて行けなくても、このシリーズが楽しく読める理由のひとつは、作者が人類の将来を悲観的に見ていないこと、言い換えれば、人間というものを肯定的に見ていることだと思います。
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by nishinayuu | 2007-07-15 11:24 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)