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『朝鮮短編小説集(上)』(大村益夫・長璋吉・三枝寿勝訳、岩波文庫)

収録作品と著者:笞刑(金東仁)、運のよい日(玄鎮健)、桑の葉(羅稲香)、民村(李箕永)、洛東江(趙明煕)、白琴(崔曙海)、旱鬼(朴花城)、地下村(姜敬愛)、金講師とT教授(兪鎮午)。

リアリズムのプロレタリア文学系の作品ばかりで、貧乏、悲惨、凄絶のオンパレード。気持ちが萎えているときはとても読めないが、この土地のある時期の現実を知るには格好の読み物ではある。
これらの中で文学的に特に優れているという印象を受けたのは「運の良い日」で、追いつめられた人間の心理と行動が見事に描かれている。

☆著者については、マイリンクの「韓国の著名人」をごらんください。
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by nishinayuu | 2006-08-31 21:02 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

セーヌのカモメ

☆「特派員メモ」(朝日新聞のコラム)の翻訳です。原文の日本語は、韓国語の下にある「原文」というピンクの文字をクリックすると出てきます。なお、パリ、サン・ジェルマンなどの韓国語表記についてはマイリンクの外来語辞典をご覧ください。

센강의 갈매기 [특파원 메모 파리]

  센강의 강변 왼쪽, 생게르만 (Saint-Germain)의 뒷골목길을 걸어가고 있었는데 머리위에서 ‘기이’ 라는 소리가 들렸다. 철새인 붉은부리갈매기다. 군밤상인과 함께 이 거리에게 본격적으로 겨울을 알리는 새라고 들어알고 있었다.
  루브르미술관의 정원에서는 관광객들이 뿌리는 빵을 한둘레는 작은 비둘기들과 쟁탈하고 있다. 허리의 위치가 높아서 그런지 그들은 땅바닥에서의 다툼에서는 불리하다. 비둘기가 먹고 남긴 음식을 상공에서 노리는 것이 고작이다. 그러나 그들이 활공하는 모습은 아름답다.
  그들이 날개를 쉬는 자리는 가로등이나 동상의 정수리다. 비둘기와 친하게 지내지 않는 것은 이방인으로서의 고집인가.
  겨울철의 도시에 갈매기가 모이는 이유는 도시의 온난화로 인하여 살기가 쉬운 것을 학습했기 때문인것 같다. 음식점의 부엌 쓰레기, 노천시장의 채소 부스러기는 먹고 싶은 대로 먹을 수 있다. 생활권인 강의 수면에는 귀찮은 비둘기도 없다. 이러한 살아가기 위한 이동도 인간세계와 같다.
  나는 갈매기를 틀림없이 바다새라고 알고 있었기 때문에 영불해협에서 1500km나 내륙으로 들어온 파리에서 그들을 만난 것은 뜻밖이었다.
  파리의 ‘야조회’ 에 물어보니 겨울이외에도 어딘가 먼 곳에서가 아니라 교외에 있는 호수와 늪이나 운하에서 지내고 있다고 한다. 파리의 주변에 정주하는 붉은부리갈매기는 최근 10년 동안에 급증하고 있으며, 지금은 약 3000쌍. 이것이 바로 이민이다라는 생각이 든 것은 다음같은 설명을 들었을 때 였다.
  “파리에서 사는 갈매기의 대부분은 바다를 본 적이 없는 겁니다.”

原文
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by nishinayuu | 2006-08-29 14:03 | 翻訳 | Trackback | Comments(0)

『ヌサトゥンガラ島々紀行』(瀬川正仁著、凱風社)

c0077412_22473357.jpgヌサトゥンガラとはバリ島、ロンボク島、スンバラ島、コモド島、フローレス島、スンバ島、チモール島、アロール島、ソロール諸島のこと。これらの島々とそこに住む人々を温かく、且つ冷静な目で見、足で確かめた記録である。
アジアの辺境ヌサトゥンガラの「今」を残しておくために書く、と著者はいう。その著者の思いがどのページにもあふれており、「近代化批判」でも「地上の楽園礼賛」でもない、すばらしい紀行文になっている。
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by nishinayuu | 2006-08-28 15:49 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『オリガ・モリソヴナの反語法』(米原万里著、集英社)

c0077412_22465280.jpg舞台は1960年代のプラハ。バイタリティーの固まりのダンス教師モリソヴナと、時代物の優雅なフランス語を話すフランス語教師エレオノーラ。年齢不詳、前歴不詳のふたりの過去を探り当てる推理小説仕立ての物語。
同じ作者の『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』の姉妹編といった感じなので、作者の自伝的な要素がより強い『嘘つきアーニャ』を先に読んでおくと、『オリガ・モリソヴナ』にすんなり入っていける。

☆『ガセネッタ&シモネッタ』は、同時通訳者だった作者が、とんでもなく優秀で痛快な同時通訳者たちについて書いたお話。この人の、テンポが良く、おもしろおかしくて、しかもいつもなにかしらお勉強になる文が、もうこの先、新しく出てくることがないと思うと、本当に残念です。
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by nishinayuu | 2006-08-27 18:10 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

「海幸山幸」 その2

☆「海幸山幸」その1(8/24作成)の日本語版です。

 昔々(注1)のお話だよ。ニニギノミコトという神様が天から降りてきて、人間の世界で暮らしていたんだ。その方には海幸という息子と山幸という息子がいてね、海幸は海で釣りをして、山幸は山で狩りをしていたんだ。
 ある日、山幸は海で釣りがしたくなって、海幸に釣り道具を貸してほしいって言ったんだ。海幸はなかなか「うん」と言ってくれなかったけれど、山幸が何度も頼んだのででしかたなく貸してくれたんだって。
 それで山幸は海に行って、釣りをしていたんだ。けれども魚は一匹も釣れないし、釣り針もなくしてしまったんだよ。兄さんの海幸が、釣り針を絶対に返せよ、と責めるので、山幸は海辺で涙を流して泣いていたんだ。そうしたら、海路をつかさどる神が現れて、神の子がどうしてそのように泣いているのか、って尋ねたんだ。そして、山幸の話を聞くと、こう言った。
 「わたくしがおてつだいいたしましょう。この船に乗って、潮の流れにまかせて進めば、海神の宮殿に着きます。宮殿の門の傍らに井戸がありますので、その井戸の上にさしかかる桂の木の枝に座っておいでなさいませ」
 海路の神に言われたとおり、山幸は桂の木の枝に座っていたんだ。すると水を汲みに来た娘が、井戸の中に光り輝いているものがあるのを見て、上を見たんだ。桂の木の枝にとても美しい男がいたので、娘はお仕えする豊玉びめにそのことをお話ししたんだ。豊玉びめは外に出てきて山幸を見ると、たちまち気に入ってしまったんだよ。
 ひめの父である海神も外に出てきてね、 「この方はニニギノミコトのみ子だ」と言って、山幸を宮殿に招き入れたんだ。山幸は豊玉びめと結婚して幸せに暮らしたんだって。
 3年の時が流れた。 ある日、山幸は兄さんの釣り針のことを思い出して、大きなため息をついたんだ。そのため息を聞いて、豊玉びめは父の海神に相談したんだ。海神が山幸に、どうしてため息をついたのか尋ねると、山幸はなにもかも全部話したんだ。
 海神は魚たちを集めて尋ねたんだ。すると魚たちは、ちかごろ赤鯛が喉に釣り針が刺さっていてものが食べられないでいる、と言った。その釣り針こそは山幸がなくしたものだったんだよ。海神は釣り針と、満ち潮の珠、引き潮の珠を土産として山幸にさしあげて、その珠で兄上を苦しめてやりなさい、と言ったんだ。
 ワニザメの背に乗って陸に戻ってきた山幸は、2つの珠を使って海幸を溺れさせたり助けてやったりして苦しめたんだ。海幸はついに降参して、山幸に謝り、山幸の家来になったんだって。
 そのあと、豊玉びめが山幸の子どもを産むために陸にやってきて、海辺に小屋を建てたんだ。山幸が小屋の中をのぞいてみたら(注2)、中には赤ん坊とワニザメがいたんだって。

(注1)と(注2)はここをクリック
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by nishinayuu | 2006-08-25 11:38 | 再話 | Trackback | Comments(0)

「海幸山幸」 その1

☆『古事記』の「海幸山幸」の物語をおとぎ話ふうの韓国語にしてみました。

  옛날 옛날 호랑이가 담베 피우던 시절에 있었던 아야기야.
  니니기노미꼬토라고 하는 하느님이 하늘에서 내려와서 인간세계에 살고 계셨거든. 그 분에게는 우미사치(海幸)라고 하는 아들과 야마사치(山幸)라고 하는 아들이 있었는데, 우미사치는 바다에서 낚시질을, 야먀사치는 산에서 사냥을 하고 있어.
  어느 날 야마사치는 바다에서 낚시질 하고 싶어서 우미사치에게 낚시도구를 빌려 달라고 했어. 우미사치는 좀처럼 들어주지 않았는데, 야마사치가 몇번이나 부탁하길래 어쩔 수 없이 빌려 주었단다.
  그래서 야마사치는 바다에 가서 낚시질 하고 있었거든. 그런데 물고기는 하나도 낚을 수 없고 낚시바늘마저 잃어버린 거야. 형이 낚시바늘을 꼭 돌려 달라고 강경하게 말해서, 야마사치는 바닷가에서 눈물을 흘리고 있었거든. 그 때 해수신이 나타나서 왜 하느님의 아들이 그렇게 우시냐고 물었거든. 그리고 야마사치의 이야기를 듣고 이렇게 아야기 했어.
  “저희가 성심으로 도와 드리겠습니다. 이 배로 해수를 따라가시면 해신 궁전에 갈 수 있습니다. 궁전 대문옆에 우물이 있는데 움물위쪽에 있는 침나무 가지에 앉아 계십시오.”
  해수신이 시키는 대로 야마사치는 침나무 가지에 앉아 있었거든. 그랬더니 물을 길러 온 아가씨가 물안에서 빛나고 있는 것을 보고 위를 쳐다봤어. 침나무 가지에 매우 잘 생긴 남자가 있었는데 아가씨는 자기 주인인 토요타마공주에게 보고했어. 토요타마공주는 밖에 나와서 야마사치를 보자마자 그가 마음에 든 거야.
  공주 아버님인 해신도 밖에 나왔는데 “이 분은 니니기노미꼬토의 공자님이야” 라고 해서 야마사치를 궁전안으로 안내했어. 야마사치는 토요타마공주하고 결혼을 하고 행복하게 살았단다.
  3년이 지났어. 어느 날 야마사치는 형의 낚시바늘을 생각해 내서 큰 한숨을 쉬었어. 그 한숨을 듣고는 토요타마공주는 아버님하고 상의 했 거든. 해신이 야마사치한테 왜 큰 한숨을 쉬었는지 물었는데, 야마사치는 있었던 일을 다 이야기했어.
  해신은 물고기들을 모으고 물었 거든. 그러자 물고가들은 붉은도미가 요즘 목에 낚시바늘이 있어서 아무것도 먹을 수 없다고 했어. 그 낚시바늘이 야마사치가 잃어버렸던 것이였단다. 해신은 낚시바늘과 함께 만조보석과 간조보석을 선물로 야마사치에게 드리고 그 보석들로 형을 괴롭히라고 했어.
  상어 등을 타고 뭍에 돌아온 야마사치는 두 보석들로 물에 빠지게했다 구조했다 하며 우미사치를 괴롭혔 거든. 우미사치는 너무나 괴로워해 드디어 지고 말아서 야마사치에게 사과하고 야마사치의 신하가 됐단다.
  나중게 토요타마공주가 야마사치의 아이를 낳으러 뭍에 와서 바닷가에 작은 집을 세웠어. 야마사치가 집 안을 들여다보고 보니 안에는 갓난 아이와 상어가 있었단다.
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by nishinayuu | 2006-08-24 21:54 | 再話 | Trackback | Comments(0)

『日蝕』(平野啓一郎著、新潮社)

c0077412_22455989.jpg物語の舞台は中世の南ヨーロッパ。語り手は古い文献を求めてフィレンツェを目指す聖職者。古めかしい文体が物語の雰囲気を盛り上げている。
読み始めたら、物語の世界にどっぷりと浸かって、最後まで一気に読むべき作品である。

☆同じ作者の『一月物語』(新潮社)は、やはり古めかしい文体で語られる絢爛豪華で幻想的な物語です。上記の作品からも色彩が強く感じられますが、こちらはいっそう絵画的で、絵巻物を繙くような感じです。
この本は装丁もしゃれていて、ぜひ手許に置いておきたいと思いましたが、図書館から借りたものだったのでしかたなく(!?)返却しました。
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by nishinayuu | 2006-08-23 22:25 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

『Harry Potter 6』(J.K.Rowling著、Bloomsbury)

c0077412_2245173.jpg副題「and the Half-Blood Prince」。
ハリーは青年期にさしかかり、学友との友情が深まり、新しい恋が生まれる。一方、ボルデモートとの対決の時が近付き、ハリーを取り巻く人々にも大きな変化が訪れるなど、この卷もやはり波瀾万丈であきさせない。

☆第1巻からずっと読んできて思うのは、この作品は実に現代の映画向きにできているということです。CGFで表現するのにぴったりの場面、CGFでなくては表現できないような場面にあふれているからです。作者は初めから映画化を意識していたに違いありません。作品の質についてはいろいろ批判もあるようですが、気楽に楽しめる物語であることは確かです。経済的に追いつめられた状態でこの作品を書き始めたという作者には、成功を祝って拍手を送りたいと思います。
ところで、日本語版の翻訳者には、ちょっとがっかりさせられました。もし私が日本語版の読者だったら、「がっかり」ではすまないでしょう。日本の読者のおかげで稼いだのですから、日本で税金を払うのが当然ではないでしょうか。税率の違いが10%くらいならどこで払ってもたいして違わないのでは、と言ったら、それは貧乏人の考え、と家人に一笑に付されてしましましたが。まあ、持てる者には持たざる者の想像を超えた事情がいろいろあるということでしょう。
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by nishinayuu | 2006-08-22 12:19 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)

カラス

☆カラスの話です。文中の「外国人の学生」は、日本語学校の学生のことです。日本語文の次に韓国語の文(原文)があります。

 「東京は本当にカラスが多いなあ!」
 外国人の学生たちは異口同音に言う。私もそう思う。けれども、私が子どもの頃は東京ではカラスはあまり見かけなかった。外国人が増えるにつれてカラスも増えたのでは? これはもちろん冗談だが、ちかごろ東京をやたらに飛び回っているカラスは、主として外来種のハシブトガラスだ。在来種のハシボソガラスは嘴が細くて、「があがあ」と鳴く。一方、ハシブトガラスは嘴が太く、「かあかあ」と鳴く。
 それはそれとして、カラスについては興味深い話がいろいろある。光るものを集めること、人や動物の声を真似ること、道路にクルミを落とし、車が通るときに踏みつぶしたクルミの中身を食べること、弱そうな人間を襲うこと、などなど。
 実はうちの父は散歩をしていたときに2回、次女は公園のベンチで友達とおしゃべりをしていたときに1回、カラスに襲われたことがある。たしかにこのふたりは強くないので、カラスに襲われるのもわかる。だとすると、こんな父親とこんな娘を持つ私も、カラスの目には弱いと映るのだろうか? 私も気をつけないといけない。ともかく私はこれ以上カラスが増えないことを願っている。

까마귀
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by nishinayuu | 2006-08-20 14:02 | 随想 | Trackback | Comments(0)

『八点鐘』(モーリス・ルブラン著、長島良三訳、偕成社)

読書会「かんあおい」の課題図書(2005年8月)。
3ヶ月の間に8回のすばらしい冒険をしたあとで互いの願いを聞き届けよう、という契約のもとでルパンとオルタンス嬢が経験した8つの事件の物語。荒唐無稽なトリック、あり得ない展開なので、ばかばかしと思ってしまえばそれまでだが、ルパンの立場になって読めば楽しめる。
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by nishinayuu | 2006-08-19 22:24 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)