2017年 10月 15日 ( 1 )

『모르는 여인들』(신경숙, 문학동네)


『見知らぬ女たち』(申京淑)

c0077412_09133312.jpg本書は2003年から2009年にかけて発表された七つの作品が収められた短編集。2015年の盗作疑惑以来、ちょっと読む気の失せていたこの作家の作品を久しぶりに読んでみた。申京淑は『浮石寺』で惚れ込んで以来、いろいろ読んできた作家である。物語の流れが自然で、文章は簡潔、使われる言葉の一つ一つが的確で共感できる――そんな特徴はこの作品集でも健在で、読み終わった今の感想は「やっぱり猫が好き」じゃあなくて「やっぱり申京淑が好き」ということになりました。ただし、六作目の猫が登場する作品は、登場人物に共感できないし、なんとなく気持ちのよくない内容で、「やっぱり猫は好きじゃない」と思ったのでした。収録作品は以下の通り。

세상 끝의 신발――朝鮮戦争時の少年兵ふたり。逃げるときに15歳の少年は傷みの少ない自分の靴を16歳の少年に譲って先に逃がした。16歳は終生15歳を支えた。16歳だった男の娘は記者になり、15歳だった男の娘は結婚、出産のあと離婚し、精神を病んでコドモに返った。記者の娘が語るふたりの父とふたりの娘の物語。

화분이 있는 마당――語り手はインタビュアー。幼い頃からの長いつきあいの恋人から突然別れを告げられ、ことばは出なくなり、食べ物も喉を通らなくなる。近所の空き家を手に入れた後輩の女性が、荒れ果てていた庭に花を作り始める。語り手が、しばらく留守にすることになった後輩のために水やりに通っていると、その家の一郭にもう一人、女性が住んでいることがわかり……。

그가 지금 풀숲에서――運転中に他の車にぶつかられた男。気がついたら草むらに放り出されていて、身体がまったく動かない。助けを呼ぼうと声を張り上げるが、そのうち声も出なくなる。道路を通り過ぎる車の音は聞こえるが、人の気配はないまま、また夜を迎えようとしている。妻の左手が勝手に動いて男の顔を殴ったり、ものを壊したりするようになったのは、仕事にかまけていて妻の気持ちを考えもしなかった自分のせいかもしれない。死の予感にさいなまれながら、男の意識はあちこち彷徨う。

男の目に映るもの、意識に上るものだけから成り立っていて、ロブ・グリエの『迷路の中で』を彷彿とさせる極めて印象的な作品である。

어두워진 후에――母と兄と祖母の無残な死体を発見した男。あろうことか殺人の嫌疑を掛けられ、理不尽な取り調べを受けるはめに。連続殺人犯が捕まって男の嫌疑は晴れたが、家族が惨殺された家にはいたたまれず、あちこちさまよい歩く。やがて、ふと出会った女のさりげない心遣いに、男はようやく、家に帰ろう、と思い立つ。

성문 보리수――それぞれの道を歩んだ女たちの物語。語り手は韓国をあとにして久しい友人を訪ねてドイツへ。その友人とフランクフルトの町を歩きながら、友人が異国で暮らすようになった事情を知っていく。そして連絡のとれなくなっていたもう一人の自死についても。

この作品は「フランクフルト観光旅行記」の感があり、2015年に訪れたこの街を思いながら懐かしく読んだが、観光案内的な部分が少し多すぎて主題が散漫になったような気がしないでもない。歌曲・菩提樹の歌詞は「泉に沿いて茂る菩提樹」なのになぜ「城門前の菩提樹」なのかと思って調べてみたら、原詩は「城門前の泉の菩提樹」だった。

숨어 있는 눈――(内容省略)

『모르는 여인들――(内容省略)

2017.8.9読了)


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by nishinayuu | 2017-10-15 09:17 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)