『夢の守り人』(上橋菜穂子著、新潮文庫)

c0077412_1003577.jpg「守り人シリーズ」の3。この巻には「人間の夢を糧として命を繋ぐ花」やら、その花を守る「花番」やら、そこから遣わされる「花守り」やら「木霊の想い人」やら、荒唐無稽な者たちがいろいろ登場する。バルサが短槍を振り回して活躍する場面はあまりなく、夢の世界に関わる者たちの物語が中心である。だから、前の2巻の流れに沿った物語を期待していると肩すかしを食わされる(少なくとも私はそうだった)。
そもそも、「木霊の想い人」ユグノという人物が、掴み所がなく、魅力に乏しく、共感できるところがない。
それから、トロガイとユグノの関係というのが文字通り「夢のよう」で不可解だし、そんな関係でなかったほうがよかった(これは読者のわがまま)。さらに、前の2巻でとてもいい感じの若者だったタンダの身体がのっとられて「花守り」にされてしまうのが気に入らない。要するに全体として納得できない物語であった。(2008.7.24記)

☆作者の後書きによると「本書は、書物に携わる仕事をされている本読みのプロの方々から、好きだといっていただけることが多かった物語」だそうです。私はもちろん「本読みのプロ」ではないので、いろいろな点で納得できず、好きだとはどうしても言えないのですよね。
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by nishinayuu | 2008-10-23 10:00 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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