「ほっ」と。キャンペーン

『つばき、時跳び』(梶尾真治著、平凡社)

c0077412_947848.jpg「時跳び」、すなわちタイムトラベルもの。「つばき」は椿のあふれ咲く屋敷「百椿庵」に住む江戸時代の女性。現代の「百椿庵」に住む井納惇と「つばき」が時を越えて出会い、恋に落ち、生き別れ、また出会い、という楽しいお話。突然現代に引き寄せられた「つばき」の適応能力があきれるほど高いのに比べ、過去に引き寄せられた井納惇の適応能力はそれほどでもなく、こちらのほうがリアリティがある。まあ、この物語でリアリティを云々しても意味はないが。
ふたりとともに重要な役割を果たすのが、「りょじんさん」こと仰烏帽子(のけぼし)等という人物。初めてこの人物が登場したときは、著者は何でこんな変わった名前をつけたのか、と思ったが、これくらい風変わりな特別な名前でないと、物語の構成上都合が悪いのだ、ということがあとになってわかる。それにしても、作者はどこからこんな名前を見つけてきたのかと思って調べてみたら、熊本県に仰烏帽子という名の山があることがわかった。しかも、山好き、植物好きにはわりあい知られた山らしい。(もしかしたら知らなかったのは私だけ?) 物語の舞台が熊本県だからか、というより著者が熊本出身だからか、と納得した。(2008.4.29記)

☆せっかく調べたので仰烏帽子山を紹介しておきましょう。
仰烏帽子山――熊本県の五木村、山江村、相良村にまたがる山で標高は1302m。名前は山容に由来する。福寿草の自生地として知られる。
[PR]
by nishinayuu | 2008-07-15 09:57 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://nishina.exblog.jp/tb/9226462
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< 映画鑑賞ノート1 『空飛ぶ木』(ラフィク・シャミ... >>