『空飛ぶ木』(ラフィク・シャミ著、池上弘子訳、西村書店)

c0077412_14115896.jpg綺麗でかわいい装丁がぱっと目について、思わず手にとった本。欧米系ではない作者の名前にも惹かれて読んでみた。
14編の短編からなり、サブタイトルには「世にも美しいメルヘンと寓話、そして幻想的な物語」とあるが、メルヘンと言うよりは寓話的なものが多い。動物が主人公のものもいくつかあって、イソップ寓話に近いという印象。それらのなかで、最後の『吸血鬼とニンニクの真実』は作者の実体験をもとにした作品らしく、他の作品とは毛色が違っている。
巻末の著者紹介によると、ラフィク・シャミは1946年にシリアのダマスカスに生まれ、壁新聞の主幹を務めたりしたあとドイツに移住。工場やレストランで働き、大学で科学を学んで79年には博士号を取得した。82年からは作家活動に専念し、シャミッソー賞、ヘルマン・ヘッセ賞など多くの賞を受けている。(2008.4.28記)

☆『夏への扉』『オルガニスト』と、続けて大人向けの凝った構成の作品を読んだあとのせいか、ややもの足りない感じがしました。が、移住者の視点で描かれた『吸血鬼とニンニクの真実』はおもしろく読めました。
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by nishinayuu | 2008-07-12 14:12 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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