『夜の蝉』(北村薫著、東京創元社)

c0077412_10301985.jpg「創元ミステリ」とうたった1990年1月発行、996年3月14版の作品で、噺家・円紫師匠と女子大生コンビが謎解きをするシリーズものの第2弾。「朧夜の底」「六月の花嫁」「夜の蝉」の三章から成り、それぞれ独立した作品として読めるが、「朧夜の底」の冒頭にちょっと顔を出す姉の真っ赤な服や長いまつげが「夜の蝉」の伏線になっていて、一つのまとまった作品として構成されていることがわかる。
「朧夜の底」は主人公の女子大生と友人たちの物知りぶり(作者のペダントリー)を楽しむための章。「六月の花嫁」は円紫師匠の推理の冴えを楽しむための章。「夜の蝉」は姉と妹という「微妙で難しくてやがて美しい」関係を楽しむための章、といったところ。
この作品がシリーズものの第2弾であるということは後書きで知った。以前読んだ『朝霧』は第何弾なのかわからないが、そこではすでに大学を卒業していた主人公が、この作品ではまだ現役の女子大生で、当人も友人たちも初々しい。第1弾から順番に読んでいけば、彼女たちの成長物語としても楽しめそう。(2008.4.2記)
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by nishinayuu | 2008-06-24 10:30 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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