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『月の砂漠をさばさばと』(北村薫著、絵:おーなり由子、新潮社)

c0077412_950483.jpgさきちゃんという小学校低学年の女の子と、そのお母さんの話。仲良しの友だちのように過ごしているふたりの日常が、柔らかい口調で語られている。おーなり由子のほんわかした挿絵の雰囲気からしても、児童書に分類されても良さそうなのに、図書館の大人向けの書棚にあった(もしかしたら児童書の棚にもあるのかもしれない)。読んでいくと、話は確かにさきちゃんの視点で描かれているが、お母さんの姿、お母さんの気持ちがより鮮明に伝わってくる。さきちゃんのお母さんは、どういういきさつかわからないが、物書きをしながら小さな娘をひとりで育てているおおらかですてきな女性であり、いつも明るく楽しく振る舞うことを心がけていて、それが自然に身についている、そのせいかなんとなく健気な感じのする若い女性なのだ。北村薫という作家は男か女か、という疑問が囁かれていた頃にこの本を読んだら、間違いなく北村薫は女性だ、と思っただろう。それくらいこのお母さんはよく書けている。この母娘の暮らしの続編が読んでみたい。(2008.2.17記)
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by nishinayuu | 2008-05-15 09:50 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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