『フィロゲロス ギリシア笑話集』(中務哲郎訳、国文社)

c0077412_1044957.jpg「叢書アレクサンドリア図書館」と銘打たれた学術的な叢書の第5巻。1995年5月の発行で定価は3200円。
ヒエロクレスとピラグリオスの名の下に伝わる笑話集の全訳だという。参考書として手元に置いておきたくなる一冊。
1行から5行程度の短い話265編が、うつけ者、けちん坊、法螺吹き、など25のグループに分けられている。笑いの標的がごく普通の、そこらへんにいそうな人々であり、性的な話やどぎつい話がほとんどない(すこしはある)ので、全体として品のいいおとなしい笑い話集となっている。たとえばキュメの人々というグループを見てみると「キュメの男、泳いでいると雨が降り出したので、濡れないように深みに潜った」「キュメの男、窓枠を買おうとして、南向きにできるかどうかを尋ねた」という具合。そして、「キュメは小アジアのエーゲ海沿岸にあって、愚か者の町とされていた」といったコメントが各話に付いていて、笑いのポイントまで説明してある。全訳なので、笑える話ばかりでなく、どこがおかしいのかわからないものもそのまま収められており、「笑いのポイントは訳者には不明である」というコメントが付いていたりするので、そこで笑えたりする。また「うつけもの」たちが関西弁でやりあっているのが、ほんわかとしていてなかなかいい。(2007.10.7記)
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by nishinayuu | 2007-12-18 10:05 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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