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『路面電車』(クロード・シモン著、平岡篤頼訳、白水社)

c0077412_9185756.jpgまず装丁に惹かれ、作者と翻訳者を確認して選んだ本。作者はかつて一世を風靡した「ヌーヴォー・ロマン」の代表的作家のひとり。
子ども時代、学校への行き帰りに利用した路面電車、町の風景、当時の出来事などと、熱に浮かされて横たわる病院のベッドから見えるものやそこで思うことが細密に、脈絡なく語られていく。連想が連想を呼び、比喩や言い換えがひんぱんに挿入されて、1つの文が時には3ページも切れ目なくつながっていく一風変わった文体が使われている。訳者が言うように「内容の要約はできない作品」で、雰囲気を読む、というか雰囲気に浸るべき作品である。訳者による「シモン論的あとがき」も魅力的な読み物となっている。(2007.9.30記)

☆昔むかしの学生時代、プルーストの『失われた時を求めて』やロブグリエの『迷路の中で』(平岡篤頼訳)を夢中になって読んだころの高揚した気分を、懐かしく思い出しました。
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by nishinayuu | 2007-12-11 09:19 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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