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『悲しき人形つかい』(梶尾真治著、光文社)

c0077412_13462835.jpg『クロノス・ジョウンターの伝説』『黄泉がえり』に続いて、私にとって3冊目の梶尾真治。
物語の主人公は祐介とフーテンというふたりの若者。フーテンは、体の不自由な人のために、装着すれば脳波で体が動かせるというロボットを開発することに没頭している。 天才だけれども社会的常識が欠落しているフーテンと、常識的部分を補う代わりに頭脳労働の面で手助けしてもらう祐介は、いわば「共生関係」にある。そんなふたりが、安い借家が見つかってある町に引っ越す。ところがそこは、二組のやくざ組織が抗争を繰り広げ、住民が逃げ出してしまった町だった。ふたりはたちまち片方の組織に取り込まれてしまい、フーテンがホーキング博士のために(!)開発したロボットを急死した親分の死体で試してみるはめになる。親分の死を相手組織に知られてはまずい事情があったのだ。ロボット開発者のフーテンにはロボット操作の才能がないが、なぜか祐介はうまく操作できることがわかり、ロボットを装着させた親分の死体を祐介の脳波によって動かすことになる。「人形遣い」祐介の登場である。また、死体を生きているように見せかけるために、化粧品売り場から化粧部員の「こゆみ」が誘拐されてくるが、この「こゆみ」もやがて「人形遣い」の才能があることがわかって大活躍。さらに、相手組織にも強力なロボット男が現れて、両組織入り乱れての死闘が繰り広げられる。きまじめな登場人物たちとしっちゃかめっちゃかな展開がきみょうに調和した物語。(2007.9.25記)
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by nishinayuu | 2007-12-04 13:46 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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