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『翻訳家の仕事』(岩波書店編集部編)

c0077412_11515585.jpg岩波書店の雑誌『図書』に2003年5月から2006年5月までにわたって連載された「だから翻訳はおもしろい」をまとめたもの。37名の翻訳家たちが翻訳家の苦労や喜びなどを綴っている。翻訳とは何か、翻訳家とは何か、といった翻訳論もあれば、翻訳家を目指す人への助言や翻訳に当たっての心構えなどを盛り込んだ実践講座的なものもあり、翻訳家や翻訳書にまつわるおもしろエピソードも盛りだくさん。
沼野充義のロシア語の人名や句読点に関する話、鴻巣友希子の単位の話、青山南の紹介している伊丹十三や村上春樹の怪訳・目から鱗の大胆翻訳の話、岸本佐知子の『ノリーの終わらない物語』翻訳にまつわる楽しそうな苦労話、米川良夫の「翻訳家=ヴィルトゥオーソ」の話、などなどを特におもしろく読んだ。他の著者のものももちろん、翻訳家の人柄やすばらしい実力をうかがわせるものばかり。一時期「誤訳」が大きく取り上げられて、翻訳界を揺さぶったためか、最近の翻訳書はどれもこれも、「日本語、うまいじゃない」と思わず翻訳者名を確認してしまうことが多い。そういううまい翻訳家たちがここに勢揃いしている。(2007.9.15記)
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by nishinayuu | 2007-11-20 11:52 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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