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『パッチギ! 対談編』

c0077412_9104797.jpg韓国通で知られる四方田犬彦(ヨモタ イヌヒコ)と、在日韓国人である李鳳宇(リ・ボンウ)のふたりが2005年に行った対談に、1998年に刊行された『先に抜け、撃つのは俺だ』を加筆・修正して収録した対談集。
韓流をきっかけにして日本人の韓国観が大きく変化し、韓国でも日本の新しい文化をリラックスして受け入れるようになった2005年の時点で、7年前を振り返り、さらにそれぞれの高校生時代を振り返って「喧嘩」を語り、家族を語り、映画という共通の趣味・仕事を語り、国家・国政・墓・名前などなどについて語り合っている。少し年長の四方田は後輩に対するようなくだけた口調、李は先輩に対するような丁寧な口調ではあるが、対等な立場でそれぞれ言いたいことを率直に言っているのが読んでいて気持ちよい。たとえば四方田が「朝鮮学校が女子だけに民族衣装を義務づけているのは、女の子は朝鮮人という共同体の財産だというイデオロギーがあるのではないか」と指摘すると、李は「そういう批判があって今は女子もチョゴリとブレザーを選択できるようになっているらしい」と受けたうえで「拉致に関しては日本人に責任がないのと同じで、在日一人人ひとりに責任があるわけがない」と言えば、四方田も「あるわけないよ」と応じて、チョゴリを着た朝鮮学校の生徒が傷つけられることの理不尽さにふたりで憤慨する。
四方田は比較文化・比較文学を専攻、研究員や教授として欧米の大学に滞在した経験もあり、一方の李もフランス留学の経験があり、映画配給会社サイダスを設立してポーランド映画をはじめ韓国以外の映画も数多く紹介している。韓国しか知らない者同士の対談ではないからこそ、耳を傾ける価値のある対談になっている。(2007.9.2記)

☆李鳳宇がプロデユース・配給した映画のタイトルがいっぱい出てきますが、その中で私が見た映画は以下の通り。監督名、タイトルの順に並べてあります。
崔洋一『月はどっちに出ている』、イム・グォンテク『風の丘を越えて 西便制』、イム・グォンテク『祝祭』、カン・ジェギュ『シュリ』、パク・チャヌク『JSA』、チェン・カイコー『北京ヴァイオリン』、イ・ジェヨン『スキャンダル』、井筒和幸『パッチギ!』
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by nishinayuu | 2007-11-06 09:11 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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