『狐狸の恋』(諸田玲子著、新潮社)

c0077412_10523876.jpg『お鳥見女房』シリーズ第4弾。この巻では矢島家の子ども世代のめざましい成長ぶり、活躍ぶりが描かれる。長男・久太郎と鷹姫さまこと恵以、次男の久之助と綾、次女・幸恵と夫・隼人。各人各様の悩みを抱え、それを克服していく様子を、珠世はいつでも手助けをする心の用意をしつつ、そっと見守っている。珠世が見守っているのは子どもたちだけではない。過酷な任務によって心の傷を負った夫・伴之助と同じく、父の久右衛門もお鳥見役時代に過酷な経験をしていた。久右衛門が心の底に封じ込んでいた過去が、久之助の恋人・綾の出現によってよみがえり、久右衛門を苦しめる。夫や父の苦しみを和らげるために、珠世は努めて明るく、てきぱきとたち働く。そんな珠世の周りには、珠世を慕う人々が寄り集まってくるのである。(2007.8.12記)

☆このシリーズはもともと雑誌に掲載されたものをまとめたものなので、新しい章に入るたびに、簡単な人物紹介、状況紹介があったりします。雑誌で読む読者にはとても親切な書き方だと思いますが、こうして一冊にまとまったものを読む読者にとっては煩わしく、感興をそがれます。この巻ではさほどひどくはありませんでしたが、『鷹姫さま』は説明的な繰り返しが多くて目障りでした。
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by nishinayuu | 2007-10-15 10:52 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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