「ほっ」と。キャンペーン

『デルフィニア戦記9 動乱の序章』(茅田砂胡著、中央公論社)

c0077412_10245328.jpgデルフィニア王ウォルに恋人を、あわよくば愛妾を持たせようと画策するリイ。ところで作者はあとがきで、「私は絶っ対(ぜーったい、と読むのでしょうね?―nishina)恋愛ものには向いていない」といっているが、むしろ、ウォルとポーラのエピソードを挿入した時点で、作者にはこのロマンスを首尾よく終わらせるつもりはなかったに違いない。作者はデルフィニア1~8まででウォルをそういう人物として描いてきたのであり、読者もそういうウォルに親しんできたのである。したがって当然、リイの画策は読者の予想通り失敗に終わる(ネタバレです)。そもそも巻頭の登場人物紹介のページにポーラの名前が出ていないので、敏感な読者にはこの人物が重要人物にはなれないことがわかってしまう。一方、初登場の時から人物紹介のページに名前があげられていたシエラは、この巻でも大いに存在感を示している。人格のできあがっている人物たちが活躍する大筋の物語と並行して、少しずつ変化していくシエラの「成長物語」が綴られていっている(2007.1.24記)。
[PR]
by nishinayuu | 2007-08-24 10:24 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://nishina.exblog.jp/tb/6792492
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< 「伊勢の御息所、幼(ワカ)き時... 『デルフィニア戦記8 風塵の群... >>