「ほっ」と。キャンペーン

『巨人たちの星』(J・P・ホーガン著、池央耿訳、創元推理文庫)

c0077412_11521035.jpg第一部『星を継ぐもの』、第二部『ガニメデの優しい巨人』に続く物語。
前作で人類と交流し、人類に新しい知識を与えたガニメアンたちは、再びシャピアロン号に乗って、ジャイアント・スターと呼ばれる恒星に向かって旅立っていった。遠い過去にミネルヴァの住民だった彼らの同類が、その星に移住したと思われるが、今もそこに彼らの同類がいるという保証のない、重苦しい旅だった。
ところが、ジャイアント・スターには彼らの同類であるチューリアンの社会が立派に存続していたのである。そのチューリアンから人類にメッセージが届いて、地球の人類は一挙に太陽系惑星の外の世界と向き合うことになる。「優しい巨人」であるガニメアンとチューリアン人の他に、地球人と同じ人類で、権謀術数に長けたジェヴレン人も登場し、地球人代表のヴィクター・ハント、クリス・ダンチェッカーらがまたまた大活躍する。
『星を継ぐもの』のプロローグに登場し、最後のところで地球の土を踏んだことが確認されていた「巨人」をどう解釈すべきか、という問題もあっさり片がついてホッとする。別に問題になるような所ではなかったのかもしれない。(2007.6.1記)

☆恒星旅行が可能なほどに宇宙科学が発達している世界で、まだ「ソ連」が存在しているのは、ソ連崩壊前に書かれた作品なので仕方がないことでしょう。「ソ連崩壊」はそれほどに予想外のことだったのですから。それはさておき、科学的知識が乏しくても、ときには話しについて行けなくても、このシリーズが楽しく読める理由のひとつは、作者が人類の将来を悲観的に見ていないこと、言い換えれば、人間というものを肯定的に見ていることだと思います。
[PR]
by nishinayuu | 2007-07-15 11:24 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://nishina.exblog.jp/tb/6498452
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< 韓国の詩「田舎の家」 朴趾源 『穴掘り公爵』(ミック・ジャク... >>