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『パリ左岸のピアノ工房』(T・E・カーハート著、村松潔訳、新潮クレストブックス)

c0077412_1157478.jpg話はパリはセーヌの左岸に住むアメリカ人の「わたし」が、近くの路地にピアノ工房があることに気づいてびっくりするところから始まる。わたしは工房に興味を抱くが、入れてもらえない。「一見さんお断り」の工房なのだ。紹介者を得てやっと出入りを許されてからはとんとん拍子。職人と親しくなり、ピアノを見る目ができてきて、ついに「自分のピアノ」と出合うことになるのである。
ストーリーで読ませる作品ではなく、事細かな描写と説明が主眼の作品。パリの町の雰囲気や職人たちの仕事ぶり、あれこれのピアノの姿が、鮮明に浮かんでくる。
ところで、翻訳ものは人名、地名がカタカナなので、必然的にカタカナの多い文になる。それにしてもこの作品は、全編が「蘊蓄」からなっているため、音楽関係の一般的な人名、地名をはじめ、ピアノの種類名、制作者名、製造会社名、細かい部品名、工具名、などなど、カタカナ語のオンパレードである。内容上必要なカタカナなので、別に邪魔ではないのだが、各ページの半分くらいはカタカナ、と言ってもいいくらいで、見た目がちょっと異様ではある。(2007.5.20記)
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by nishinayuu | 2007-07-01 11:55 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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