『虹色天気雨』(大島真寿美著、小学館)

c0077412_15261183.jpg5冊目の大島真寿美。これまでの4冊と違って、この作品に登場する女性たちはしゃきっとしている。
主人公の市子が、仲良しの友人奈津に早朝の電話でたたき起こされ、奈津の娘、美月を一日預かることになる。寝ぼけていて事情がきちんとつかめなかった市子と、事情を察してはいるが「わたしは知らないことになっている」という美月が、微妙なやりとりをしながら一日をともにする。奈津の夫、美月の父親である憲吾が、家のお金200万円を手に姿をくらましたのだった。市子のもう一人の親友まりも加わって、憲吾探しが始まるとともに、それぞれが自分を振り返る日々が始まる。

☆大島真寿美の本は、悪い結末にはならないという安心感があるので、ゆったりとした気分で楽しく読めます。それからこの本で気がついたことがひとつ。市子が美月に「それにしてもあんたは野菜を食べなすぎる」と説教することば。いまどきの「さつきことば」にはなっていないのですね。ところが別のところではゲイの三宅ちゃんに「欲しがらなさすぎるのもまたね」と言わせています。たまたまそうなったのかもしれませんが、人物によって使い分けているとしたら……。隠れ大島真寿美ファンになっちゃおうかな、と思ったくらい気に入りました。(2007.4.11記)
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by nishinayuu | 2007-05-16 12:12 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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