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『最後のラブレター』(パオラ・カルヴェッティ著、荒瀬ゆみこ訳、扶桑社)

舞台は南仏のプロヴァンスにある美しい田舎屋。74歳の誕生日を目前にしたコスタンツァの、混乱と興奮と陶酔の数日が、主として親友への手紙という形で綴られる。
誕生祝いには息子や娘の家族、ふたりの元夫たち(!)、そして親友がやってくることになっていて、コスタンツァは夫とともに部屋割りなどで気ぜわしく過ごしている。と、そこに1通の手紙が舞い込む。「父が亡くなったあと、Cと署名された手紙の入った箱が見つかった。お宅に伺ってお話ししたい」というその手紙の差出人は、コスタンツァが30年ほど前にイタリアの歌劇場で働いていた時に出逢ったチェリストの娘だった。そして手紙の入った箱とチェロをかかえてやってきたルクレツィアを前にして、コスタンツァはかつての恋人アンドレアとの日々を語っていく。ルクレツィアに請われるままに、アンドレアに宛てて書いた手紙を一つ一つ読み聞かせながら。(2007.4.4記)

☆物語の各章のタイトルは前奏曲、第1楽章、第2楽章、第3楽章、第4楽章、フィナーレ。メンデルスゾーン、ブラームス、シューベルト、シューマンなどの音楽とともにかつての恋が語られ、それと並行してよき理解者と趣味のいい家具調度に囲まれた現在の豊かな生活が描かれています。華やかな映画を見たような気分で読み終えました。
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by nishinayuu | 2007-05-06 13:31 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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