『他人に言葉をかけること』(ウン・ヒギョン著)

c0077412_20205315.gif東西文学賞、李箱文学賞、韓国小説文学賞など、韓国の代表的な文学賞を受賞している中堅作家ウン・ヒギョンの短編小説集。収録作品は表題作『他人に声をかけること』の他、『彼女の三番目の男』『特別で偉大な恋人』『ヨンミとユミ』『鍵』『二重奏』など9編。
デビュー作品である『二重奏』は、母ヂョンスンと、娘イネの物語。ヂョンスンの夫は死の床にいる。ソウルで教師をしているイネは学校の休みを利用して父の見舞いにやってきている。ヂョンスンは娘がやつれていることに気づき、娘ももう若くはないのだと思う。イネは母がずいぶん年をとったことに気づき、父の死後にひとりぼっちで残される母を気遣う。イネは母の苦労を見ながら育ったのに、なぜか父とよく似た性格の男と結婚してしまった。幸せになるから、と母に約束して。だからイネは、自分の身に起こったことを母に打ち明けられないでいる。母が父との別れを目前にしている今は。しかし、無口なイネとは違って思ったことをすぐに口にする弟が現れて、事態は急展開。それでも事態が収まったあと、母と娘はまた互いを思いやりながら語り合うのである。(2007.3.28記)

☆原題は『타인에게 말걸기』(은희경著、 문학동네)。韓国語で読みました。
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by nishinayuu | 2007-05-04 13:44 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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