『ぬしさまへ』(畠中恵著、新潮文庫)

c0077412_15175978.jpg『しゃばけ』の続編で、短編集の形になっている。各章のタイトルは「ぬしさまへ」「栄吉の菓子」、「空のビードロ」、「四布の布団」、「仁吉の思い人」、「虹を見し事」。
「ぬしさまへ」は作りすぎの感じがするし、「栄吉の菓子」は繰り返し部分が多くて話がだれる。この2つに比べると「空のビードロ」は読むものをぐいぐい引き込む魅力がある。というのも、ここで『しゃばけ』において未解決だった一太郎の兄のその後が明らかにされるからだ。同じく「仁吉の思い人」では仁吉が何者なのか、どういういきさつで一太郎のそばについていることになったのかが明らかにされる。このように一話読み進むごとにこの物語の世界の骨格がしっかりと見えてくる仕組みになっているので、読みおえたときには満ち足りた気分で本を置くことができる。(2007.3.18記)
[PR]
by nishinayuu | 2007-04-14 17:08 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://nishina.exblog.jp/tb/5891320
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< 『永遠』(村山由佳著、講談社) 韓国の詩「弟ふたりとこのわたし」 >>