年度---ことばの交差点 その2

☆新聞のコラム(朝日新聞、発行年月日は不明)の原文です。韓国語訳はこちら

ことばの交差点 年度 事情で開始月の変更も

新年度が始まり、新しい教室や職場で心機一転の人も多いと思います。日本では、国の会計や学校の年度は4月にスタートし3月で終わります。「年度」とは何でしょう。温度、速度などのように「度」は物差しや目盛りのことで、「年度」とは、自然の暦と別の物差しで人為的に区切った1年です。
江戸時代の藩校では年頭の「稽古始め」、年末の「稽古納め」が一般的で、何年で卒業するという決まりはありませんでした。近代に入り学習能力は年齢に対応するという考え方が広まり、1875年制定の東京開成学校規則で、9月から7月までを「学歳」としました。翌年「学年」と会商され、他にも普及しました。4月開始になったのは1887年の高等師範学校が最初です。同年、徴兵検査が9月から4月に変更されたことや、前年に国の会計年度が4月からとなり、これに合わせた方が便利と思われたためです。
現在でも、開始月が4月以外の年度があります。米穀年度(11月)、麦年度(7月)、生糸年度(6月)などは収穫時期に合わせています。日本冷凍空調工業界は10月開始だった「冷凍年度」を、今秋廃止し4月開始の年度に改めるそうです。夏によく売れたクーラー主体の冷凍年度でしたが、冷暖房機能のあるエアコンが主流となり夏限定の季節商品ではなくなったからです。年度のあり方も、世につれて移り変わっていくものですね。(校閲部・塚本真理)
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by nishinayuu | 2007-03-31 10:26 | 翻訳 | Trackback | Comments(0)
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