『くもの巣の小道』(イタロ・カルヴィーノ著、米川良夫訳、ちくま文庫)

c0077412_15103430.jpgサブタイトルは「パルチザン あるいは落伍者たちをめぐる寓話」。
第二次世界大戦のさなか、ドイツ軍によって中・北イタリアが占領されたり、ムッソリーニによって「イタリア社会共和国」が樹立されたりした時代にパルチザンとして山にこもった男たちの話。といっても、登場するのは使命感に燃えた勇敢なパルチザン集団ではなく、落ちこぼればかりが集められた小部隊。何のために戦うのかもわからないまま、ただ怒りによって戦っている男たちである。物語は、そんなどうしようもない男たちの間に紛れ込んだ少年ピンの目を通して語られていく。売春婦の姉の元で育ち、耳と口がやたらに達者になってしまったピンには子どもの友達というものがなく、一人前の口をきいて大人をからかい、笑わせ、時には怒らせながら、懸命に大人たちの仲間になろうとするが、結局ピンには大人というものがよくわからないのである。(2007.3.8記)

☆ピンに大人というものがよくわからないように、私には最後まで、ピンがよくわからなかったのでした(!?) 
本書は作者の小説第一作。実際にパルチザンとして戦い、何度も死の一歩手前まで行ったという作者が、パルチザンを寓話として語ったのは、正面から語るにはあまりに過酷な体験だったから、ということでしょう。
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by nishinayuu | 2007-03-27 13:31 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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