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『冬の犬』(アリステア・マクラウド著、中野恵津子訳、新潮クレストブックス)

c0077412_1456579.jpg18c.から19cにかけて、スコットランドでは高地人の追放、いわゆるクリアランスの嵐が吹き荒れた。このときに移民としてカナダに渡り、ノヴァ・スコシアにあるケープ・ブレトン島に住み着いた一族の物語で、美しく厳しい自然の中で暮らす人々と動物たちの関わりが綴られた八つの短編からなっている。
表題作の『冬の犬』は、流氷の海に落ちた犬と少年が、奇跡的に生還する話。水からあがったとたんに全身が氷の膜に覆われる、という想像を絶する極寒の世界。だからこの作品は冬に読むのにふさわしい、というより冬以外の季節に読んだのでは意味がない。
『鳥が太陽を運んでくるように』と『幻影』は一族の伝説を語る物語、『島』は民話ふうの物語で、遠い国の話なのに、なにか懐かしい感じのする印象的な作品である。(2007.2.14記)
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by nishinayuu | 2007-03-05 15:08 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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