『ノリーのおわらない物語』(ニコルソン・ベイカー著、岸本佐知子訳、白水社)

c0077412_17312534.jpg『中二階』に続いて2冊目のニコルソン・ベイカー。著者の5冊目の小説である。
第1章でまず主人公ノリーの概要が紹介される。――9歳の女の子。おかっぱで髪も目も茶色。将来は歯科医か、飛び出す絵本のデザイナーになるのが夢。少し前にアメリカからイギリスのスレルという町に引っ越してきて、スレル校の小学部に通っている。2歳の弟がいる。
そんなノリーが感じたこと、考えたこと、体験したことを、ノリーのことばのままに文字化したという形の小説で、この「ノリーのことばのままに文字化する」というところがこの作品の眼目である。空想好きで、お話を作るのが好きで、友達思いで、考えることが山ほどあるノリーのおしゃべりを目の前で聞いているような、楽しい楽しい作品である。(2007.1.29記)

☆難しい言い回しを使ってみるけれども、うろ覚えのせいで頻繁にやってしまうノリーの言い間違いを、「(家族とどこかへ行くときは)車の中で必ずやいなやお話をつくって遊んだ」「おぞけのよだつ毛むくじゃらの足」「そうは問屋が許さない」といったいかにもそれらしい日本語に移し替えた翻訳者の努力と筆力に拍手。
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by nishinayuu | 2007-02-21 13:12 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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