『魂萌え!』下(桐野夏生著、新潮文庫)

c0077412_1724354.jpg上巻を読んだときは未定だったが、読書会「かんあおい」の007年1月の課題図書に決定されたので、下巻は身を入れて(?)読んだ。
上巻では頼りなく、混乱状態だった主人公が、自分が夫にとってどんな妻だったか、自分はこれからどうしたらいいのかを、子供たちをはじめとする周りの人々と真剣にぶつかる日々のなかで理解していく。そして、雑誌編集に携わっている女性の思いがけない――読者には十分予想可能な――ふるまいにも動揺しない、頼もしい女性へと変身していく、という明るい結末になっている。人生の後半に入った人々へのエールであろう。
主人公をしっかり支えてくれる人、立派な人物などが登場しないところは現実的、真にひどい人、悪い人も登場しないところは理想的、楽天的な物語である。(2006.12.21記)
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by nishinayuu | 2007-01-29 09:59 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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