「ほっ」と。キャンペーン

『マンスフィールド・パーク』(ジェイン・オースティン著、大島一彦訳、キネマ旬報社)

c0077412_20183893.jpgノーサムプトシアのマンスフィールド・パークに広大な屋敷を構える准男爵、サー・トーマス・バートラムの一族郎党とその友人、知人たちが繰り広げる物語。オースティンの長編6編のうち、後半期(30代後半)に書かれた作品の一つ。人々の言動と日常の出来事があきれるほど事細かく記述されており、物語の世界に入り込んでしまえば実に面白く読める。
ヒロインのファニー・プライスはサー・トーマスの姪で、子だくさんの実家から引き取られ、9歳の時からマンスフィールド・パークで暮らしている。ファニーが生真面目で控えめな少女であるのに対して、サー・トーマス家の娘ふたりは野暮で軽はずみな人間として、また友人のクロフォード兄妹は都会風で粋だが浅薄な人間として描かれている。思慮深く、ファニーの唯一の理解者でもあるエドマンドが、ある時からミス・クロフォードに魅惑されてしまうので、主要人物の中で終始一貫して思慮深い人物はファニーただひとりなのである。ただし、ファニーには華やかさも溌剌としたところもないので、魅力的なヒロインとは言い難い。

☆読書会の課題図書(2006年11月) 『ジェイン・オースティンの読書会』の関連図書として読みました。
[PR]
by nishinayuu | 2006-12-15 11:33 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://nishina.exblog.jp/tb/5143124
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
<< 韓国の詩「かあさん、ねえさん」... 『川邊風景』(朴泰遠著) >>