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『川邊風景』(朴泰遠著)

c0077412_20193052.jpg原題は『천변풍경』(박태원著, 깊은샘)。1936年(著者27歳)に発表された50章からなる長編小説。
ソウル市の中央を流れる清渓川の洗濯場に集まる人たち、川沿いにある床屋や薬局などで働く人たち、川沿いの道を通行する人たちの織りなす人間模様が、ソウル弁を交えた生き生きとした文章で丁寧に描かれている。田舎から出てきた少年、婚家を飛び出したあと悪い男に騙されそうになっている娘、カフェで働く日本名の源氏名をもつ女たちなどに注がれる著者の目は温かく、口さがない女、旦那を手玉に取る女、横暴な男、破廉恥な男なども、非難の対象としてではなくあくまでもひとつの風景として描かれている。時代は変わっても庶民の心情や日常生活はそれほど大きくは変わらないことを改めて感じさせてくれる作品である。

☆作者についてはマイリンクにある「韓国の著名人」ののところをご覧ください。
☆韓国語で読みました。第1章は洗濯場に集まった女たちのおしゃべりによって物語の登場人物が一通り紹介される形になっており、あまりに難しくて途中で何度も諦めかけました。が、そこをなんとかクリアしたあとは、内容のおもしろさにひかれて楽しく読み進めることができました。
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by nishinayuu | 2006-12-12 19:31 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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