『皮膚の下の頭骸骨』(P.D.James著、小泉喜美子訳、早川書房)

女性探偵コーデリア・グレイのシリーズ。
この作品には不要な登場人物も、本筋と関わりのない事物の描写もなく、おかげで著者の言わんとするところがまっすぐに伝わってくる。それで初めてこの著者の作品を面白いと思い、5冊目にしてやっとP.D.Jamesが理解できたと思った。つまり、Jamesの作品は謎解きミステリーではないのだということが、この作品を読み終えたときにわかったのである。だからこの作者に対して抱いていた、伏線がないとか、謎解きのおもしろさが味わえない、という不満は全く的はずれだったのだ。
最後に山口雅也が書いている後書きを読んだら、私の感じたことが整然と簡潔にまとめてあったので、びっくりするやらうれしいやら。この後書きはめったに出会えないすばらしい解説である。
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by nishinayuu | 2006-11-04 12:56 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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