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『家守綺譚』(梨木香歩著、新潮社)

c0077412_20251383.jpg「綺譚」(おもしろくこしらえた話)であるが、「奇譚」でもあり、不思議なことがいろいろ起こる。サルスベリに恋慕されたり、タヌキやカワウソに化かされたりするかと思えば、異界の者たちがたびたび現れて、いろいろ働きかけてきたりもする。そんな自然界や異界との交流を、犬のタローや隣のおばさん、お寺の和尚はごく当たり前のこととして受け入れている。主人公もその中に溶け込んでいて、ユーモアのある独特の語り口で自分のことやまわりの現象を語っている。
場所は京都の南禅寺あたり。時は、文中にエルトゥールル号遭難の話が出てくることから1890年代とわかる。
各章はタイトルに掲げられた植物にまつわるお話、あるいはその植物の味を効かせたお話になっている。構成といい、内容といい、実に巧みな「綺譚」である。
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by nishinayuu | 2006-11-01 22:19 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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