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『光の帝国』(恩田陸著、集英社文庫)

c0077412_224222.jpg副題「常野物語」。膨大な書物を暗記する能力(『大きな引き出し』)、近い将来を見通す能力(『2つの茶碗』)など、特殊な能力を持ちながら、権力への志向を持たずにひっそりと生きる人々――遠野を連想させる架空の地・常世にルーツを持つ一族の物語。
いくつかの独立した短編で構成されており、話が細切れなため、常世の全体像が今ひとつつかみにくい。その点がやや物足りないが、文がなめらかで読みやすく、内容も爽やかなので、気持ちよく読める。

☆この著者はしばらく前までは性別不詳の作家の一人でしたね。「陸」というのは男の子の名前によくありますから。先日はテレビのクイズ番組で、北村薫の性別が問題になっていました。男女がはっきりしないペンネームを使うのは、作家の性別によって先入観を持って読むことはしないでほしい、という作家のメッセージなのでしょう。
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by nishinayuu | 2006-08-07 17:53 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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