『チボー家の人々9-1914年夏Ⅱ』


c0077412_1154358.jpg(マルタン・デュ・ガール、訳=山内義雄、白水Uブックス)
『Les Thibault9-L’Été 1914Ⅱ』(Martin du Gard)
この巻も前巻と同じく1914年の夏というサブタイトルのもとに、7月20日で終わっている前巻に続いて7月21日から7月27日まで、わずか一週間の出来事が詳細に綴られている。緊迫する政治情勢の中で信念を貫くために奮闘するジャックは、一方でジェンニーへの深い思いにも目覚める。
今回も、内容説明的な目次をそのまま記しておく。なお、目次の番号は前巻からの続きになっている。

二十六 7月21日・火曜日――ジャック、ジュネーヴに帰る
二十七 7月22日・水曜日――ジャック、任務をもってアントワープに行く
二十八 7月23日・木曜日、二十四日・金曜日――ジャック、パリに帰り、しばらく滞在
二十九 7月24日・金曜日――夫の棺前にあってのフォンタナン夫人の黙想
三十 同日――天文台通りの家に一人帰ったジェンニーの午後
三十一 同日――ジャック、ダニエルを訪れ、とものそのアトリエにおもむく
三十二 同日――夕刻、ジャック『ユマニテ』社におもむく。悲観的形勢
三十三 7月25日・土曜日――病院におけるフォンタナン夫人とダニエルの最後の朝
三十四 同日――ジャック、ジェローム・ドゥ・フォンタナンの埋葬式に列す
三十五 同日――ジャック、兄の家に昼食におもむく。アントワーヌとその助手たち
三十六 同日――ジャック、東部停車場にダニエルを見送る
三十七 同日――ジャック、ジェンニーの後をつける
三十八 同日――サン・ヴァンサン・ドゥ・ポール公園でのジャックとジェンニーの一夜
三十九 7月26日・日曜日――朝のジャック。オーストリア、セルビアの国交断絶
四十 同日――アントワーヌ家での日曜の集まり。フィリップ博士、外交官リュメル
四十一 同日――アントワーヌと二人きりになって、リュメルが心中の不安を打ち明ける
四十二 同日――ジャック、ジェンニーの家への第一回の訪問
四十三 7月27日・月曜日――ジャック、ベルリンへの秘密任務の指令を受く
四十四 同日――ジャック、ジェンニーの家への二回目の訪問
四十五 同日――午後の政治情勢
四十六 同日――ジャックとジェンニー、取引所付近で晩餐を共にす
四十七 同日――ジャック、ブールヴァールでのデモに参加す

次のような暗示的な文が四十二の最後にある。
彼女(ジェンニー)は、ずっと後になってから、ジャックのすがたが――立ったまま、彼女のほうへ身をかがめていたときの彼の姿が――いかにそのとき、自分の記憶にはっきり刻みつけられたかを知ったのだった。彼のひたいなり、黒い髪の毛なり、鋭い不敵な、大胆な眼差しなり、彼女のために期するところのあるらしい自信たっぷりな微笑なりが、いかに驚くべき強烈さで自分の一生かけて思い出されることになるだろうかを知ったのだった……
(2015.6.17読了)
☆ちょっと気になった文-その1――ヴァンネードは、本でいっぱいのナイト・テーブルの上に、コーヒーを入れたうがいコップをおきながら……
(時代ですかね、それとも彼らの貧しい生活を象徴している?)
☆ちょっと気になった文-その2――(フォンタナン夫人とジェンニーが)食事をしかけていたまるテーブルの上には、途中ではしをおいたその日の夕食の残りが、まだそのままになっていた。
(まさか和食じゃないですよね?)
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by nishinayuu | 2015-09-28 11:06 | 読書ノート | Trackback | Comments(1)
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Commented by マリーゴールド at 2015-09-28 11:27 x
高校時代に読んだので、ジャックもダニエルもアントワーヌもどいつもこいつも女にだらしないと思いました。
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