『チボー家の人々7-父の死』

c0077412_11475866.jpg(マルタン・デュ・ガール、訳=山内義雄、白水Uブックス)
『Les Thibault7-La Mort du Pére』(Martin du Gard)
この巻で扱われているのはひとえに「父の死」である。死に行く一人の男とそれを見守る人々の、いつ終わるとも知れない凄まじい闘いの一刻一刻と、ついに訪れた死、残された遺書、葬儀などが克明に記された巻である。例によって目次が内容の要約のようになっているのでそのまま記し、[ ]内に覚え書きを添えておく。

一 死に直面したチボー氏
二 ヴェカール神父、チボー氏をなだめて、天命を納得させる
三 兄弟の帰宅[死んだと思われていたジャックがアントワーヌに連れられて帰宅]
四 入浴
五 ジゼールの帰宅[ロンドンから駆けつけたジゼールとジャックの衝撃の再会]
六 終焉[医者であるアントワーヌによる決断と秘かに実行された処置]
七 遺骸
八 死の翌日。弔問。エッケ博士、ロベール少年、シャール氏、アンヌ・ドゥ・バタンクール[いずれもアントワーヌが応対した人物]
九 かつての日のジゼールの部屋で[子どもの頃の思い出で二人が一つになったと思われたとたん、ジャックの心はあらぬ方にさまよっていき、ジゼールは取り残される]
十 チボー氏の遺書など
十一 ジゼール、ジャックの部屋を訪れる[二人の気持ちは決定的に行き違う]
十二 葬儀[クルーイの少年園の御堂にて。在園の少年たちは雪まみれの庭で待つ]
十三 ジャック、クルーイをおとずれる[父の墓に真の涙を注いだあと、ダニエルの手紙を読む]
十四 埋葬からの帰り、アントワーヌとヴェカール神父との対話。絶対隔絶
(2015.6.8読了)
☆訳は滑らかで読みやすい。ただ一つ引っかかったのは病人の看護をしている女性たちを「童貞セリーヌ」とか「童貞さん」と呼んでいること。原文はおそらくsœur。修道女ではなさそうなので、シスターと訳すわけにもいかないだろうが、「童貞」は違和感ありすぎ。
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by nishinayuu | 2015-09-20 11:48 | 読書ノート | Trackback | Comments(0)
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